議会報告

  • 平成29年9月議会 代表質問(大橋章夫議員)要旨(平成29年10月4日)
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    1 2025日本万国博覧会の誘致

    ・万博誘致に向けた機運醸成について問う。
    (政策企画部長答弁)  万博実現に向けました国内の機運醸成についてでございますが、これまでの取組みにより、誘致委員会の会員数も8万を超えるなど、徐々に広がりを見せているところでございます。こうした賛同の輪を、大阪・関西から全国へと波及させるには、さらなる機運醸成が必要と認識をいたしております。
    機運醸成の今後の戦略につきましては、先般、誘致委員会から、自治体、企業などの各主体が創意工夫をこらし、自発的な取組みを進めていくという方針が示されたところでございます。ホストシティである大阪府といたしましては、誘致委員会の中核的な役割を果たし、地元の熱意や開催意義を発信していくことといたしております。
    今後は、誘致委員会と連携いたしまして、例えば、関西のみならず、北海道、九州などからも2千点を超える作品の応募がございました万博絵画展の子どもたちの作品を、多くの方々が訪れる空港や鉄道駅、ショッピングセンターで展示するなど、工夫をこらした取り組みを行うことにより、地元大阪・関西の機運の盛り上がりを目に見える形で発信をいたしまして、全国へと広げてまいりたいと考えております。
    ・万博開催理念の理解促進について問う。
    (政策企画部長答弁) 我々がめざす万博のテーマ「いのち輝く未来社会」は、まさにSDGsが達成された社会であり、両者の理念は一致するものと考えております。
    SDGsは、貧困や飢餓、エネルギー、気候変動、平和社会に関することなど、非常に多岐にわたる内容を含んでおります。その理念を分かりやすく伝えることが重要だと考えております。
    JICAなどの関係機関のみならず、吉本興業などの民間企業や、経済団体におきましても、SDGsの理念を広めるための積極的な取組みがなされているところでございます。
    大阪府といたしましても、パネルや展示品などを通じて、SDGsの理念を分かりやすく伝えることにより、万博に対する理解が深まりますよう、JICAなどと協議を進めてまいりたいと考えております。
    ・企業と連携した海外プロモーションについて問う。
    (政策企画部長答弁)  海外誘致活動を効果的に行うためには、国による外交交渉に加えまして、民間企業の経済交流、自治体の友好関係など、あらゆるルートを活用してロビー活動を実施する必要があると認識をいたしております。
    国内企業の中には、経済活動や国際貢献活動などを通じまして、BIE加盟国と結びつきを有する企業もございます。8月のアフリカ開発会議(いわゆるTICAD(ティカッド))閣僚会合ですが、ここではアフリカと繋がりが深い大阪の企業の方が参加をし、官民一体で非常に有意義な誘致プロモーションが行われました。
    今後も、国や誘致委員会と連携し、民間企業の強みなども活かしながら、効果的なプロモーション活動に取り組んでまいります。
    ・万博誘致活動自体を意義あるものにすべき。
    (知事答弁)  公明党大阪府議会議員団を代表されましての大橋議員のご質問にお答えをいたします。万博は、誘致することのみが目的ではないというのは私も同じ考えであります。万博開催にふさわしい都市として、「いのち輝く未来社会」を地元大阪・関西から世界に発信をし、課題解決に貢献していくことが重要であります。
    大阪・関西には、ライフサイエンス関連企業や研究機関、高い技術を持ったものづくりの企業の集積があり、世界の課題解決に向けたポテンシャルが十分にあると認識をいたしております。
    府においては、万博誘致を機に『大阪から「いのち輝く未来社会」をめざすビジョン』を策定をし、自治体や経済界と一体となって、万博の理念を実現をし、世界に貢献できる大阪・関西づくりを目指してまいります。
    このオール大阪での取り組む熱意・ヤル気と、それを実現できるパワーを世界に伝えることで、誘致を勝ち取っていきたいと、こう考えております。

    2 咲洲庁舎の活用

    ・咲洲庁舎の空きスペースの状況及び今後の活用策について問う。
    (総務部長答弁)  咲洲庁舎の18階以上の利用可能な床面積、これは49,670㎡ございますが、そのうち、現在、空きスペースは約11,180㎡でございます。府の部局と民間テナントが混在する中に残っているため、まとまった面積の空きスペースが少ない状況にあります。
    このため、今後の入居者募集に当たりましては、高層階にある府の部局が使用する会議室や書庫等を、部局の執務室が多くある中層階に移転・集約をさせることで、高層階にまとまった空きスペースを確保したいと考えております。
    今後は、ホテル事業者が開業に向けて行う工事や、来年度から府が実施予定のダンパー工事等と調整を図りながら、会議室などの移転集約作業を進めまして、できるだけ早い時期に入居者募集が実施できますよう取り組んでまいります。
    ・咲洲庁舎の高層階の誘致戦略について問う。
    (知事答弁)  今回のホテルの入居によりまして、咲洲庁舎の人の流れは確実に増えることになります。民間活用の可能性の幅がさらに広がったと考えています。
    今後、近接する夢洲への万博及びIRの誘致推進等に取り組み、にぎわい創出を図る中で、咲洲庁舎に残る空スペースのテナント誘致にも戦略的に取り組み、咲洲エリア全体の活性化に繋げてまいります。

    3 大阪府教育振興基本計画

    ・学力向上について問う。
    (教育長答弁)  この間、課題の大きい中学校に対して、府教育庁から直接指導主事等を派遣をし、授業改善に向けた指導・助言を行い、重点的に支援をしてまいりました。
    それにより、PDCAサイクルに基づく学力向上の取り組みが定着をし、今年度の全国学力・学習状況調査では、平均正答率の全国平均には若干届かないものの、これまでの経年で見ると改善傾向にございます。
    一方、小学校におきましては、ここ数年平均正答率が、全国平均よりやや低い状況が続いておりまして、特に、今年度におきましては、国語に課題があることが顕著となりました。また、この調査結果からは、小中学校ともに、家庭での学習状況や学習意欲にも課題が見られました。
    今後は、引き続き、教育振興基本計画に掲げております、小中学校の教育力充実に向けまして、課題の大きい国語に対する施策の検討や、加えて学習意欲の向上を図るための外部人材をはじめとする支援人材の配置等、これまで以上に市町村と連携を深め、一層の改善を図ってまいります。
    ・公私連携の取り組みの成果及び今後5年間の方向性について問う。
    (教育長答弁)  公私連携を一層充実・強化をするため、昨年5月、教育庁内に公私連携プロジェクトチームを設置をし、連携メニューの拡充に順次取り組んでまいりました。
    連携メニュー総数につきましては、教育庁発足前の平成27年度の35から平成29年度は86へと拡充をいたしました。
    そのうち、府教育センターで実施をしております教員研修につきましては、私立学校教員にも開放する講座を、平成27年度の29から平成29年度は68講座へと拡充をいたしました。
    また、私立側のノウハウを公立で活用する事業といたしましては、専門学校の授業を府立学校の生徒へ無料で開放する講座数を、平成27年度の50から平成29年度は85へと拡充をいたしております。
    これらの公私連携の拡充・強化につきましては、学校現場からは、「私立では他校の情報を知る機会が少ないので、公立の教授法等を学べることはとても有意義で刺激になる。」「情報交換を通じて互いの取組み事例を知ることができてよかった。」といった声を聴いておりまして、大阪の教育力の更なる向上に一定の成果が表れていると実感をいたしております。
    今後、後期事業計画の策定にあたりましては、これらの実績をふまえた上で、障がいのある子どもたちへの支援や教育相談体制の充実、教員研修や公私の教員の相互交流を通じた授業改善など、公私連携施策を質・量ともに一層充実してまいります。
    ・私立高校授業料無償化制度の効果について問う。
    (教育長答弁)  授業料無償化制度の効果といたしまして、公立中学校卒業者のうち、私立高校に進学する生徒の割合が、無償化制度導入前の平成22年度は、27.4%であったのに対しまして、平成29年度は34.2%と大幅に増加をいたしました。
    また、私立高校の中退率につきましても、平成22年度は2.1%と全国平均を上回る状況でございましたが、平成27年度には、全国平均を下回る1.1%となりまして、制度導入前に比べ半減をいたしております。
    さらに、平成25年度から毎年度実施をいたしております私立高校生保護者を対象といたしましたアンケート調査におきまして、年収590万円未満世帯の約90%の保護者が、「無償化制度があったから、私立高校を選択した」と回答いたしております。
    このように、本制度が、家庭の経済的状況にかかわらず、自由に学校選択できる機会を保障するとともに、大阪の教育力の向上に繋がっているものと考えております。
    ・私立高校授業料無償化制度の維持・拡充について問う。
    (教育長答弁)  授業料無償化制度につきましては、中学校卒業時の進路選択段階で、家庭の経済的状況にかかわらず、自らの希望や能力に応じて自由に学校選択できる機会を保障するとともに、学校間の切磋琢磨を促し、大阪の教育力の向上につなげるため、実施をしてまいりました。
    平成31年度以降の無償化制度のあり方につきましては、自由な学校選択の機会の保障と大阪の教育力向上に資するという制度の根幹を維持しつつ、平成28年度の制度改正の影響や公立中学校卒業者数の大幅減など私立学校を取り巻く状況を踏まえまして、より効果的な制度となるよう検討を進め、平成29年度中にお示しをしてまいります。

    4 今後の支援教育のあり方

    ・支援学校の分教室の設置について問う。
    (教育長答弁)  大阪府教育庁におきましては、本年3月に発表いたしました府立支援学校における知的障がい児童・生徒の将来推計の結果を踏まえまして、今後の教育環境の充実方策について検討を行っているところでございます。
    この検討に際しまして、新校設置というハードによる対応策だけではなく、知的障がいの児童・生徒や保護者の今日的な教育ニーズを十分踏まえた支援学校の教育内容の充実や発展につなげることをめざし、その方策を取りまとめてまいります。
    ご提案にもありましたスポーツや芸術、農業や工業などのものづくりにおいて専門性を有する高等学校に支援学校の分教室を置くことは、既存の府立高等学校を活用するといった点からは、コストの縮減が図られ、また、これらの高等学校の特色ある教育を支援学校に取り入れることで、これまでの職業教育に加え、それぞれの個性や能力を発揮をし、卒業後も活躍できる生涯にわたる学習の充実にもつながるものでございます。
    また、同じ世代の生徒同士が交流及び共同学習をしながら、自立をし、社会参加していくことは、支援学校の生徒だけではなく、高等学校の生徒にとりましても貴重な経験になるものでございます。今後は、教育環境の充実方策の一つとして、どのような教育課程を編成できるかといった観点から、検討を深めてまいります。

    5 大阪府立大学・大阪市立大学の統合

    ・新大学実現のためのビジョンについて問う。
    (府民文化部長答弁)  両大学がとりまとめました『「新・公立大学」大阪モデル 基本構想』におきましては、大学間競争が激しくなる中、国内外の優秀な学生や研究者から選ばれる大学となり、グローバルに展開できる高度研究型大学を目指すとされています。
    これを踏まえ、新大学のビジョンでは、大学が有する人材や資源を最大限に活用して、基本機能である教育、研究、地域貢献の一層の向上を図ることとしております。
    あわせて今般、都市問題の解決を図る「都市シンクタンク機能」と産業競争力の強化を図る「技術インキュベーション機能」という2つの新たな機能を充実・強化していくこととし、「スマートシティ」、「バイオエンジニアリング」など4つの戦略領域をお示ししています。
    また、統合により教育面では、教員数約1,400人のスケールメリットを生かすことができます。
    具体的には、外国語をはじめとする基幹教育の充実や提供学位プログラムの拡充などにより、柔軟な構想力と行動力を備えたグローバル人材の育成が期待できます。
    さらに、リーディング大学院プログラムなどの研究活動を強化することで、産業界を牽引し、グローバルに活躍できる若手研究者や起業家が輩出されることも期待できます。
    今後、大阪の発展を牽引する公立大学として、優れた人材が育成され、研究者や企業も呼び込める魅力ある新大学の実現を目指して、両大学及び大阪市とともにしっかりと取り組んでまいります。

    6 がん対策

    ・がん教育推進のための教員研修について問う。
    ・今後のがん教育の取り組みについて問う。
    (教育長答弁)  がん教育を進めるため、大阪府教育庁におきましては、平成28年度までの3年間、国の事業を受託をし、「がんについて学ぶ授業」に取り組みましたモデル校における成果を生かしまして、本年7月、府立学校と私立学校の教員を対象とする研修会を開催をいたしました。
    この研修会では、健康医療部と連携をし、がん専門医による講演や、モデル校においてがん教育に取り組んだ教員による実践発表を行い、179校から183名の教員が参加をいたしました。
    また、本年11月には、公立私立の中学校の教員を対象にした研修会を実施する予定でございます。
    議員お示しのように、がん専門医やがん経験者が生徒に直接語りかけることは、単に、知識の習得にとどまらず、命の尊さや他者への思いやりにつきましてもより深く考える機会を与えるものでございます。今後とも、外部講師の活用につきまして、健康医療部と十分連携をしながら、学校におけるがん教育を推進してまいります。
    ・がん検診の受診率向上に向けた取り組みについて問う。
    (健康医療部長答弁)  がん検診受診率の向上に向けましては、市町村において、無料クーポンやリーフレットを活用して受診勧奨や再勧奨を行ってきたほか、府としても、精度管理センター事業を通じて市町村への技術的支援などを行ってきたところです。
    この結果、お示しのように受診率は年々向上しているものの、依然として全国平均には届いておらず、さらなる取り組みが必要であり、特に、がんの罹患リスクの高まる働く世代を対象に、職場における受診啓発が重要と考えています。
    現在、包括協定を締結した保険会社の社員の皆さんをがん検診受診推進員に認定し、個別の普及啓発を行っています。
    新たに、企業の労務担当者を対象に、労働関係機関や医療保険者等と連携して、がん検診の必要性を啓発するセミナーを実施するなど、市町村への支援とあわせ、職域におけるがん検診の浸透に力を注いでまいります。
    ・がん対策基金について問う。
    (健康医療部長答弁)  これまで大阪府がん対策基金につきましては、府民の皆さんからの善意をもとに、患者団体等の活動に対する支援や、がん専門医などによるがん教育の実施など、様々な主体との連携による、先駆的ながん対策に活用してきました。
    今後も、こうした社会全体での取り組みを充実させる必要があることから、平成30年度以降も、がん対策基金の継続を検討してまいりたいと思います。
    ・重粒子線がん治療に関する患者支援について問う。
    (健康医療部長答弁)  粒子線治療を受診する患者への支援制度につきましては、他府県では治療費の減免や金融機関からの借り入れに対する利子補給など、様々な取組み例があります。
    府における重粒子線がん治療に関する患者支援策については、これら他府県の支援制度の運用状況や課題などを調査するとともに、金融機関へのヒアリングなどをこれまで行ってきたところです。
    今後、来年度の治療開始を見据え、先行事例を参考に、金融機関の協力も得ながら、更に検討を進めてまいります。
    (再質問)
    ・重粒子線がん治療施設のオープンにあわせ、神奈川県と佐賀県と同様の支援制度を創設するべき。
    (知事答弁)  来年の春、重粒子線がん治療施設を開設をし、大阪国際がんセンターとの相乗効果によりまして、大手前地区が、がん医療の拠点となることに大きな期待をしております。
    府といたしましても、がんと闘う府民が安心して重粒子線がん治療を受けられるように、具体的にどのような支援や周知ができるのか、他府県も参考に、検討していきたいと思ってます。

    7 統合型リゾート(IR)の誘致

    ・現段階での補正予算の必要性について問う。
    (IR推進局長答弁)  国の「取りまとめ」では、我が国のIRは、世界の人々を惹きつけ、大人も子どもも楽しめる新たな観光資源を創造し、日本を世界で勝てる「観光先進国」へと大きく飛躍させるものとしております。
    こうした状況の下、大阪としても、「世界最高水準のIR」の早期の実現をめざしており、IR実施法案の成立後、速やかにIR事業者の募集・選定に向けた準備を進めることが必要でございます。
    IRの事業化は、国内に先例のない新たな取り組みであり、海外のIR事業に精通した、高度な専門性を有した、優れたアドバイザーによる一貫した継続支援が不可欠であり、平成32年度までの複数年契約を行う債務負担行為を設定し、早い段階から周到に準備を進めたいと考えております。
    ・ギャンブル等依存症対策に取り組んだうえで府民の合意形成を図るべき。
    (IR推進局長答弁)  ギャンブル等依存症対策につきましては、お示しの国の関係閣僚会議や依存症対策基本法案の動向も踏まえつつ、カジノ施設を設置することで、ギャンブル等依存症の増加を招かないようにすることはもとより、他のギャンブル・遊技等に起因する依存症も含め、府市関係部局等とも連携を図りながら、有効な対策を講じることで、ギャンブル等依存症を抑制してまいります。
    府民の合意形成につきましては、府市のめざすIRについて、タイミングを逸することなく、ステージに応じ、プラスの効果や不安を払拭するための懸念事項の最小化に向けた取り組みなど、適切な説明が必要と認識をしております。
    特に、府民の関心の高い依存症への対応につきましては、しっかりとした対策を講じるとともに、一方的な情報発信に留まらないよう、府民の声に耳を傾け、よりきめ細かな丁寧な対応により、IR推進への理解を得られるよう努めてまいります。

    8 依存症対策

    ・依存症対策の強化について問う。
    (健康医療部長答弁)  依存症対策については、まず、治療体制の強化に向けた新たな取り組みとして、府依存症治療拠点機関と専門医療機関の指定を始めており、先日、全国に先駆けて、大阪精神医療センターを拠点機関に位置づけたところです。さらに、今後、治療の充実を図るため診療報酬の加算や補助制度の創設について国にも働きかけていきます。
    また、依存症患者は生活面や経済面での悩みを抱えていることが多く、いち早く、依存症の兆候に気づき、適切な機関につなげる必要があるため、今年度は市町村等の生活困窮者の相談担当者を対象に研修を実施するなど、相談体制のさらなる充実に取り組んでいきます。
    あわせて、当事者が必要なサポートを受けられるよう、治療相談窓口を広く周知するとともに、支援ネットワークである大阪アディクションセンターの拡充など、引き続き依存症対策の強化を進めていきます。
    ・依存症の未然防止を含めた総合的な取り組みについて問う。
    (知事答弁)  依存症対策については、患者への治療や支援を充実するだけではなくて、予防やその後の生活支援など、医療や教育、福祉等、様々な分野が一体となった取り組みが必要だと、こう考えています。
    今後、国の動向を踏まえつつ、全庁的な推進体制を整備をし、全国で最も総合的な依存症対策の取り組みがすすんだ自治体をめざしてまいります。

    9 福祉医療費助成制度の再構築

    ・老人医療対象者も含めた障がい者医療対象者の生活面への影響を検証し、どのような制度が必要か再度検討すべき。
    ・市町村における自動償還の導入に向けて府が積極的に働きかけるべき。
    (福祉部長答弁)  今後の「重度障がい者医療費助成制度」のあり方につきましては、国の医療制度改革の動向をはじめ、再構築後の制度の施行状況、障がい者の自立と社会参加を支援する本府の施策全体の中での位置づけを踏まえまして、必要に応じて検討を行ってまいります。
    また、自動償還についてですが、障がい者の皆さんの償還払いの手続きの負担を軽減する有効な手段であります。その導入は地域の実情に即して各市町村において判断をされるものでありますが、現段階で37団体において導入する方向と伺っております。
    府といたしましては、この自動償還を導入する市町村、側面的に支援しなければなりませんので、福祉医療費助成制度の再構築に伴う市町村での今年度のシステム改修等補助において、これを導入する市町村とこれを導入しない市町村、その間で補助上限額に差を設けることとしております。
    ・乳幼児医療費助成制度の拡充のための支援について問う。
    (福祉部長答弁)  乳幼児医療費助成制度につきましては、府と市町村が共同で設置をした研究会におきまして、府と市町村の役割分担として、「セーフティネット」部分は府が基準を設定をし、「子育て支援」は市町村が独自に制度設計を行うという整理をした経緯がございました。
    こうした整理を踏まえまして、平成27年度、「医療のセーフティネット」の観点から補助対象年齢の引上げなどの再構築を行いますとともに、「子育て支援」の観点から新子育て支援交付金を創設をし、乳幼児医療費助成を含む子育て支援施策全般の充実につながりますように市町村支援を拡充をしたところであります。
    府といたしましては、引き続き乳幼児医療に係る「セーフティネット」部分の役割をしっかりと果たすとともに、新子育て支援交付金によりまして、市町村の子育て支援施策をバックアップをしてまいります。
    なお、今回の再構築にあたりましては、子どもの貧困対策の重要性が増していることや、府議会・市町村から慎重に検討すべきとのご意見が多かったことを踏まえまして、乳幼児医療・ひとり親家庭医療費助成制度の一部自己負担額については現状維持としたところでございます。

    10 国民健康保険制度改革

    ・市町村に対し、保険料率の統一に向けてどのように理解を得るのか。
    ・多子世帯への配慮について問う。
    (福祉部長答弁)  国保制度改革についてですが、市町村とともに広域化調整会議を設置し、統一的な方針となる「国保運営方針」の策定に取り組んでおりまして、この中で保険料率の府内での統一についても定めることとしています。また、それに伴いまして、保険料が上がる市町村については、被保険者への影響を考慮いたしまして、激変緩和のための措置を講じるということにしております。
    広域化調整会議における検討結果については、保険料率の統一に伴う激変緩和措置も含め、市長会、町村長会に適宜ご報告をするとともに、市町村主管課長会議や地域別のブロック会議などにおいて報告・説明を行ってきたところでございます。
    この「国保運営方針」については、来年4月からの制度改正に向けまして、この秋には、法律上の手続きとして市町村からの意見聴取を行い、その後、国保運営協議会への諮問・答申を経まして、知事が決定をするということになりますので、引き続き、市町村の意見をしっかりとお聴きをし、その理解を得られるように努めてまいります。
    次に、多子世帯への配慮についてでありますが、国保制度においては、同一世帯内の被保険者が増える、例えば、子どもの数が増えるということで、それにあわせて保険料が増加するという仕組みになっております。
    平成30年度からの国の財政支援には、子どもの被保険者に着目をした公費の拡充が示されておりますので、本府といたしましても、少子化対策の観点から多子世帯への配慮は重要であると認識をしていますので、広域化調整会議において検討を進め、「国保運営方針」に盛り込んでまいります。

    11 肝炎対策

    ・ウイルス性肝炎の検査費用助成の制度化について問う。
    (健康医療部長答弁)  ウイルス性肝炎患者等の重症化予防に向けた検査の費用助成については、昨年9月定例会のご議論も踏まえ、府の優れた事業手法を維持しながら、国の補助制度を活用できるよう、多方面からの働きかけもあり、この間、厚生労働省との調整が進んでいるところです。
    今後、議員ご指摘の助成制度にかかる各都道府県の取り組み状況も見据えながら、とりわけ、肝炎の重症化予防にとって重要である初回精密検査について、国との調整状況、府の財政負担、費用助成による精密検査受診率向上への効果などを十分踏まえつつ、制度化についてしっかり検討していきます。

    12 警察官の人材確保

    ・優秀な人材確保の取り組みについて問う。
    (警察本部長答弁)  優秀な人材の確保に向けた大阪府警察の取り組みについてお答えいたします。ご指摘のとおり、優秀な人材の確保は大阪府警察における最重要課題の一つとして認識をしております。
    特に、今の若者は、現実志向・地元志向が極めて強い上に、自分の能力と個性を生かせる職場で働きたいといった点を重視する傾向にあると言われており、こうした志向に着目した上で、警察の魅力をわかりやすく発信する採用募集活動が必要だと考えております。
    そこで、本年9月1日に大阪府警察内部に副本部長を長とする大阪府警察官採用募集活動推進委員会を設置し、採用募集活動を抜本的に強化することとしたところであります。
    当推進委員会では、厳しい採用情勢や採用業務の重要性を組織全体に認識させるとともに、優秀な人材の確保に向けた各種施策の総合的な検討を行うことを任務としております。
    今後は、この委員会を通じて、
    ・ 語学力、IT技術能力をはじめ幅広い分野から多種多様な能力、実績等を有する人材を採用する自己推薦制度の効果的促進
    ・ 若手警察官による若者目線に立った受験勧奨を行う指定リクルーター制度の充実強化
    ・ SNSを効果的に活用し、若者に大阪府警察への関心を持たせる魅力的な警察情報の発信
    ・ 警察署による採用募集活動の支援や各部主催イベント等における採用募集広報を実施するための体制強化
    ・ 警察活動の実態を実感させる体験型説明会の促進
    を行う等、引き続き、採用情勢を的確に分析し、時代の趨勢に応じた効果的な施策を組織全体で取り組んでまいります。

    13 働き方改革

    ・府庁の働き方改革の取り組みについて問う。
    (総務部長答弁)  職員の柔軟な働き方の取り組みについてでございますが、まず、子育てや介護を行う職員の仕事と家庭の両立支援に向けましては、これまでから各種の休業・休暇や短時間勤務の制度などを整備してきておりまして、本年8月には始業時間を最大1時間まで繰上げることができる早出遅出勤務の拡充を図ったところでございます。
    また、職員が妊娠や出産、育児にかかる制度の理解を深められるよう「子育てハンドブック」を冊子としてわかりやすくとりまとめ、先月全庁に配布をいたしました。
    さらに、「府庁版働き方改革」の取り組みとして、本年4月に泉北府民センターで運用を始めましたサテライトオフィスについて、従来の育児や介護の要件、あるいは出張のときだけではなく、資料作成など、ソロワークを行う場合にも幅広く利用できるよう先月から要件を拡大したところでございます。
    また、同じく先月からの新たな取り組みとしてタブレット10台を活用したテレワーク(いわゆる在宅勤務)、これを総務部の職員、私を含めてですが、試行を始めたところでございます。
    今後、こうした取り組みによりまして得られた課題をしっかりと検証して、全庁において、さらなる柔軟な働き方が進むよう取り組んでまいります。
    ・上司の意識改革の進め方について問う。
    (総務部長答弁)  職員が、業務効率を意識をして、仕事の「質」を高めながらこれまでの働き方を変えていくためには、部下に対する上司のパフォーマンスが大きく影響いたしますので、上司自らが意識を変え、マネジメント力を発揮をしていくことが重要と考えます。
    このため、昨年の府庁版「働き方改革(第1弾)」においては、上司が「イクボス」として率先する行動例を示し、また、今般の「第2弾」では、仕事の棚卸、部下への指示の明確化、定時退庁や年次休暇の取得促進など、自らの意識改革につながる具体的なアプローチ例を示したところでございます。
    また、これまで毎年度、府の管理職を対象にした研修の講師に、民間企業のトップをお招きをし、管理職に求められるマネジメントや女性の活躍推進などにかかる意識改革に取り組んでおりますが、こうした研修に加えまして、新しいワークスタイルやイクボスなど先進的な民間企業の取り組み紹介を行います「働き方改革・ITセミナー」を来月、新たに開催をするとともに、各部局次長で構成します「働き方改革推進責任者会議」を通じまして、各部局で取り組んでいます先進的、模範的な事例を全庁が共有することによりまして、上司の意識改革を進め、職員のワーク・ライフ・バランスの実現、組織パフォーマンスの維持・向上を図ってまいります。
    ・民間企業への働きかけについて問う。
    (商工労働部長答弁)  働き方改革につきましては、大阪府のほか、大阪労働局等の国の機関、府内の経済団体や労働者団体、金融機関等が参画する「大阪働き方改革推進会議」におきまして、女性や若者の活躍推進、非正規雇用者の処遇改善、職場環境の整備などの働き方改革にかかる基本方針を定め、一体となって取り組んでいるところです。
    商工労働部では、これまで、長時間労働の是正やダイバーシティに取り組む企業の先進事例の紹介、育児・介護休業法の改正などの周知啓発や、テレワークを活用した柔軟な働き方に関する情報提供などについてのセミナーを、市町村等と連携して府内各地域で開催し、中小企業の働き方改革への取り組みが推進されるように努めてまいりました。
    本年9月には、男女がともに働きやすい職場づくりに向けた一層の意識改革が進むよう、女性従業員と男性の同僚や上司が、実際の職場を想定した実践的なワークショップを行うセミナーを開催したところです。
    また、ホームページやメールマガジン等でワーク・ライフ・バランスの取り組みの必要性や企業にとってのメリットなどの情報発信を行っており、今後、公民連携をさらに進めて、金融機関のメルマガ等での情報発信を拡充するなど、より一層の広報活動に努めてまいります。
    なお、これまで女性を対象に作成、配付してきました啓発冊子「女性のための働くルールブック」を、職場や家庭において、男性と一緒に意識改革に取り組んでもらえるよう、内容を改定する予定でおります。
    今後とも、企業における働き方改革が進むよう、国や市町村、関係団体と連携しながら、情報発信や周知啓発、意識改革等に取り組んでまいります。

    14 企業主導型保育推進事業

    ・女性活躍推進のために「企業主導型保育推進事業」をさらに促進すべき。
    (商工労働部長答弁)  企業主導型保育施設の設置は、企業等において女性の定着を図り、また新たな人材を確保するために効果的な取り組みと認識しております。
    現在、特に中小企業における設置を一層強力に進めるため、大阪商工会議所等と連携して、先進事例の紹介や保育施設見学会の開催、共同利用のための企業間マッチングなどに取り組んでいるところであります。今年度すでに約150社に参加いただいております。
    今後は、設置の推進に加え、設置した保育所を活用した中小企業の人材確保につながるよう、保育所を設置した企業のPRや、企業と求職者のマッチング会を開催するなど、きめ細かな支援に取り組んでまいります。

    15 国際ビジネスの促進

    ・国際ビジネス支援の進め方について問う。
    (商工労働部長答弁)  大阪ビジネスサポートデスクは、現地にネットワークを持つ日系企業等に府が業務委託し、取引先候補となる現地企業リストの作成や、海外出張時のアテンドサービスなど、中小企業が進出検討段階や進出初期で必要とするメニューを提供し、活用いただいております。
    今後、アジアを中心に中小企業の海外展開支援により一層注力していくため、今年度からは、「国際ビジネスの促進」を商工労働部における部局運営方針の4本柱の一つとして位置づけたところです。
    限られたリソースの中で、このサポートデスク機能をはじめ、在阪領事館やJETRO、関経連、大商といった国際ビジネスの関係機関とより密接に連携しながら、それぞれが持つ強みや機能を有効に活用し、適切な役割分担のもと、ベストミックスで支援していきたいと思っております。
    また、私自身の商社での経験と国内外のネットワークも活用し、成長著しいアジアの活力を取り込み、大阪産業・経済の成長に繋げていきたいと思っております。

    16 動物愛護管理センター

    ・動物愛護の拠点施設として整備した内容と動物の譲渡の具体的な取り組みについて問う。
    (環境農林水産部長答弁)  府におきましては、動物を愛護する心を育み、正しい知識や理解を深めることで、人と動物が共生できる社会の実現と社会全体で殺処分がゼロとなることをめざしております。
    そのため、動物愛護管理行政を推進する拠点として、大阪府動物愛護管理センターを整備し、あわせて、箕面、四條畷、泉佐野の3分室を地域における全ての愛護動物の相談窓口として、支所に再編・機能強化したところでございます。
    この新たなセンターでは、人と動物との正しいつきあい方を考える「施設学習型ゾーン」、自然の中で人と動物の共生を考える「自然活用型ゾーン」を整備し、子どもから大人まで幅広い世代の方々に訪れていただけるよう、土日祝休日も開所しております。
    特に、施設学習型ゾーンにおきましては、動物収容能力の向上や飼育環境の充実とあわせ、見学者コースやふれあいコーナーなどの動物学習エリアを活用することにより、譲渡希望者との、より良いマッチングの機会を創出してまいります。
    また、引取り動物の譲渡をより一層進めるため、譲渡前の講習会・譲渡会の開催、譲渡後の相談を実施するなど、一貫した支援を行い、譲渡の推進に努めてまいります。
    ・終生飼養徹底のための普及啓発について問う。
    (環境農林水産部長答弁)  飼えなくなった動物の引取数を、さらに減少させるため、飼い主としての責務である終生飼養の徹底などの普及啓発が重要であり、これまでも、パンフレットの配布やポスターの掲示のほか、動物愛護フェスティバルなどのイベント等に出向き終生飼養の徹底に努めてまいりました。
    今後はこれまでの取り組みに加えまして、当センターの施設を活用して、飼い主がペットを伴って参加できる飼い方教室を開催するなど、さらなる普及啓発に努めてまいります。
    さらに、次世代を担う子供たちを対象に、「ふれあい教室」などを通じて、動物とのふれあい方だけでなく、命の大切さや動物飼育に対する責任などを学んでいただきたいと考えております。
    また、動物を飼えなくなった方からの引取相談では、飼い主の責務を果たすよう「飼い続ける努力」、「新しい飼い主を探すこと」など適切なアドバイス、指導を継続してまいります。
    今後、当センターを拠点として、動物愛護の機運醸成を図り、府民とともに、人と動物とのより良い関係づくりを進めてまいります。

    17 公民戦略連携デスク

    ・公民連携に係る市町村支援について問う。
    (財務部長答弁)  公民連携に係る市町村支援につきましては、これまでに11の市町村から相談があり、府が実施した事例の紹介や具体的な連携協定締結の進め方について助言してきました。
    また、企業から個別の市町村と連携したいという申出を、10の市町村につないでまいりました。このうち、7市において具体的な取り組みが実現しております。
    こうした中、本年4月には、大阪市において一元窓口が設置され、河内長野市において、窓口の設置に向けて準備を進めております。
    先月、市町村向けのフォーラムを開催しましたところ、14市から参加がありました。終了後のアンケートによると、ほとんどの参加者が「市町村にも専任部署が必要である」。また、「『市町村と連携を進めたい』という企業からの情報の提供を希望する」との回答を多くの参加者から得ました。
    今後とも、企業から具体的な提案を前向きな市町村に情報発信していきますとともに、実際に進めていく上で相談があれば丁寧に助言してまいります。
    ・大学との連携について問う。
    (財務部長答弁)  ご指摘のように、大学は科学分野における研究開発や社会課題に関する調査研究を進めるとともに、人材を育成し、外国人留学生を受け入れるなど、知的財産とネットワークの宝庫です。これらの豊富な資源を大阪の活性化や地域課題の解決につないでいくことは大変重要であると考えます。
    現在、企業とはやや異なる大学の特性を踏まえながら、複数の大学と包括連携協定の締結に向けた協議を進めているところです。今後、関係部局と連携し、1つでも多くの実績・成果をあげていけるよう取り組んでまいります。

    18 大都市制度

    ・大都市制度改革の必要性とメリットについて問う。
    (知事答弁)  私がめざす豊かで強い大阪を実現すること。そのためには、東西二極の一極として、日本の成長のエンジンの役割を果たす「副首都・大阪」を確立をし、その果実をもとに豊かな住民生活を実現させていく必要があります。
    副首都としての基盤を整え、大阪を成長・発展させつつ、人口減少・少子高齢化社会にきめ細かく対応できる身近な行政を実現していくためには、現状のままではなく、大都市制度の改革が必要であるというその強い思いは公明党の皆さんと共通するところであります。
    私としては、特別区が相応しいと考えていますが、公明党さんが主張されている合区を前提とした総合区も基礎自治機能を今よりは充実をさせる点は同じだと思います。
    特別区素案と総合区素案が出揃ったことで、いよいよ法定協議会で具体的な議論が始まります。今後、大都市制度の改革の必要性やメリットなど、しっかりと議論をし、府民の皆さんにも発信して、より良い案を作り上げまして、最終的には住民の皆さんのご判断を仰ぎたいと、こう思ってます。

    19 少子化対策

    ・結婚支援の実施状況について問う。
    (福祉部長答弁)  まず、「おおさか結婚応援カード事業」についてですが、プロポーザル方式による公募に対しまして2つの企業等から応募がございました。選定委員会を経て、「JTB西日本」と「凸版印刷」の共同企業体を事業者に決定をいたしました。本年11月1日の事業スタートに向けまして、カードやポスター等の作成、企業への協賛の働きかけなどを進めています。
    また、「出会いの創出」につきましては、本年7月に「(株)リクルート・マーケティング・パートナーズ」と事業連携協定を締結をし、2回のいわゆる「婚活イベント」を実施をいたしました。
    具体的には、異性とのコミュニケーションの取り方などに関する事前セミナーを織り交ぜながら、1回目は女性を福祉現場で働く人に限定をし、2回目は男性を消防の現場で働く人に限定をしたイベントといたしまして合計76名にご参加をいただきまして、その場で10組のカップルが成立をしたところであります。
    引き続き、民間企業等と連携を図るとともに、そのノウハウを活用しながら、更なる結婚支援の取り組みを進めてまいります。
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