議会報告

  • 肥後洋一朗議員
    令和6年2月定例会 代表質問(肥後 洋一朗議員)要旨(令和6年2月28日)
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    1 2024年問題等人材不足への対応

    (1)路線バスの運転手不足に対する取組み
    ・路線バスの確保・維持に向け、喫緊の課題となっている運転手不足に対する取組みについて問う。
    (都市整備部長答弁) 議員お示しのとおり、路線バスの運転手不足が深刻な課題となっておりますことから、国におきまして、令和5年度から、交通事業者による運転手確保や育成に係る費用に対する補助を行っているところでございます。
    府におきましても、より幅広く支援ができますよう、令和6年度から、国の補助制度に加えて、お示しの交付金を活用しまして、路線バス事業者を対象に、大型自動車第二種運転免許の取得や人材確保セミナーの開催、ドライバーの接遇研修等に係る費用の2分の1を補助する予定でございます。
    今後、路線バス事業者にこれら国や府の補助制度が活用されるよう働きかけるなど、引き続き、地域公共交通の確保・維持に向け取り組んでまいります。


    (2)ライドシェア導入の目的
    ・府がライドシェアを導入しようする目的及び既存のタクシー会社との共存にかかる所見について問う。
    (都市整備部長答弁) 大阪では、タクシー運転手の高齢化の状況を踏まえまして、大阪・関西万博開催や、急速に回復しつつあるインバウンドによる交通需要の増加、さらに、これらにより影響を受ける府民の移動の自由の確保が必要と認識し、ライドシェア導入について検討を進めているところでございます。
    昨年12月14日に関係者や有識者のご意見を伺いながら、「大阪がめざすべきライドシェア(案)」を取りまとめましたが、この案において、「徹底した安全管理とイコールフッティングのもと、タクシーとライドシェアの両輪で府民の移動の自由を守る」ため、安全性の確保やドライバーの資質向上、利便性向上といった観点から必要となる取組を整理しているところです。
    また、昨年12月に公表された国の規制改革推進会議の「中間答申(案)」におきましても、「今後の検討課題」として、「タクシー、バス事業者など既存事業者との「共存共栄」に最大限の配慮を行う必要がある」と示されたところです。
    引き続き、タクシーとライドシェアが両輪となりまして府民の移動の自由が守られる制度の実現に向け、国に対しまして働きかけを行ってまいります。


    (3)人材確保支援について
    ・人手不足感が高まっており、さらなる手立てを講じていくべきと考えるが、府としての対策について問う。
    (商工労働部長答弁) 人手不足は企業にとって喫緊の課題であり、成長阻害要因となりうることから、まずは昨年9月に開設いたしました緊急相談窓口等を通じ、企業の実情に応じて、DXなど生産性向上策や採用・定着につながる職場の魅力向上に向けた支援を行ってまいりました。
    来年度は、これまでの取組みに加え、2024年問題への対応に重点をおきながら、「人材育成」「多様な人材の活躍」「職場環境等の改善」を柱とし、在職者も含めた資格取得支援や、短時間就労等の活用による採用促進のためのコンサルティング、海外の外国人材へのダイレクトなアプローチなどの支援を実施してまいります。それに加えまして、緊急対策として、奨学金返還支援制度の導入促進にも集中的に取り組むこととしています。
    これらの取組みを通じまして、人材確保と生産性向上を図り、持続的な賃上げ環境の整備につなげることで、働きやすい・働きたい中小企業のまち大阪の実現をめざしてまいります。


    (4)外国人材の確保に向けた取組みの方向性と今後の進め方
    (政策企画部長答弁) 先月の協議会において、「外国人材の受入れ・共生のための取組みの方向性」を策定したところでございます。 この中で、求められる外国人材として、人手不足が顕著な産業で即戦力となる人材や、成長をけん引する人材等の受入れを進めていくことが協議会を構成いたします、国、市町村、経済団体等と確認したところでございます。
    また、その実現のため、受入促進では、海外人材の獲得に向けた海外へのアウトリーチや、外国人材が安心して働ける企業内の仕組みづくり、また、共生推進では、専門的な相談への対応強化や、より効果的な情報発信、日本語を習得できる機会の充実といった方向性を掲げております。
    今回策定した取組みの方向性に基づき、今後、国、市町村、経済団体、企業等が主体的に取り組んでいけるよう、ワーキングにおいて具体的な役割や進め方を検討してまいります。大阪が外国の方にとって働きやすく住みやすいまちとして世界から選ばれる都市となるよう、オール大阪で、より効果的な取組みを進めてまいります。


    2 安全・安心のまちづくり

    (1)避難所の設備の充実について
    ・避難所における非常用発電機や冷暖房機器の確保状況及びそれらの確保のための今後の取組みについて問う。
    (危機管理監答弁) 避難所において非常用発電機や冷暖房機器をはじめとする防災機能設備等を確保することは、避難者の生活環境を維持するために望ましいと考えております。
    府はこれまで、府内市町村に対しまして、避難所の防災機能設備の確保を働きかけており、令和4年12月時点で、全国平均と同程度の約7割の避難所におきまして、災害時に利用可能な非常用発電機や冷暖房機器を確保している状況でございます。
    今後は、これらの確保率が低い市町村を重点的に、災害時における防災機能設備の必要性を説明するとともに、国の財政支援制度の活用を促すことにより、さらなる避難所の防災機能設備等の充実を図ってまいります。


    (2)密集市街地における防災啓発等
    ・密集市街地における防災啓発などの取組みについて問う。
    (都市整備部長答弁) 密集市街地における防災啓発にあたっては、現在、地元市と連携して、お示しの「火災延焼の危険性・改善マップ」を活用し、火災が発生した場合の延焼拡大の危険性の理解促進や、感震ブレーカー・家具の転倒防止器具の設置をはじめ、災害に対する日頃の備えなどについて、ホームページの掲載や延焼拡大の危険性を効果的に逓減できる箇所を中心とした個別訪問などにより周知を行っているところでございます。
    加えて、地域の防災訓練やワークショップの場におきましても、火災延焼の危険性の周知などに取り組んでおります。
    今後は、輪島市の火災の様子を紹介するなど、更なる内容の充実を図りますとともに、地域の防災訓練や小学校での防災授業など様々な機会を捉えまして、延焼遮断帯となる道路の整備や老朽化建物の除却への理解促進など、地域住民の防災意識の向上に地元市と取り組んでまいります。


    (3)UDタクシーの普及促進
    ・本府におけるUDタクシーの現在の普及状況と今後の取組みについて問う。
    (都市整備部長答弁) ユニバーサルタクシー、いわゆるUDタクシーの普及状況につきましては、国や府、大阪市の補助制度の活用などにより、令和5年度は、約860台が導入される予定で、この結果、導入率は約13%となる見込みでございます。
    目標の達成に向けまして、更なる普及促進を図るため、府内市町村に補助制度の創設を働きかけましたところ、令和6年度は、新たに吹田市で、購入1台あたり30万円を上限とする補助が実施される予定です。また、大阪市におきましても、国・府の補助制度の併用が可能となるよう制度が拡充される予定であり、結果、両市域では、1台あたりこれまでの最大90万円から、最大120万円の補助が受けられることとなります。
    今後、これらの補助制度を活用してもらえますよう、様々な機会を捉えて、事業者への更なる周知を行いますとともに、国への重点的な予算配分の働きかけなど、関係者が一丸となり、UDタクシーの普及促進に取り組んでまいります。


    (4)阪神高速道路の料金見直し
    ・料金の見直しにより得られる財源の活用方法や見直し内容等の利用者への周知について、所見を問う。について問う。
    (都市整備部長答弁) 今回の料金の見直しにより得られる財源につきましては、府などが提案しました、企業活動等を支援する大口多頻度割引の拡充や、渋滞緩和に資する都心迂回割引、深夜割引などの戦略的な料金施策に加え、淀川左岸線2期などのネットワーク整備に活用される予定でございます。
    また、今回の見直しの内容や影響、財源を活用した料金施策によるメリットなどについて、利用者の理解を深めるためには、議員お示しのとおり、丁寧かつ効果的な周知が必要と考えております。
    今後、議会にご承認いただいた後、阪神高速道路株式会社に対しまして、SNSやインターネット、テレビやラジオ放送など様々な媒体を活用した周知を求めますとともに、府のSNSやホームページなどの広報媒体への掲載や、府営公園など府有施設でのポスター掲示、府内市町村へのリーフレット配架の依頼など、幅広い周知が図られるよう、府としても協力してまいります。


    3 セーフティネットの構築

    (1)医療的ケア児の支援体制について
    ・コーディネーターの配置促進等による実践力の向上とともに、関係機関間の連携強化が必要と考えるが、大阪府としての取組みについて問う。
    (福祉部長答弁) 医療的ケア児やそのご家族が地域で安心して生活いただけるようにするためには、地域を支える必要なサービスを総合的に調整し、関係機関と医療的ケア児等をつなぐ医療的ケア児等コーディネーターが中心となって、地域の相談支援体制を構築していくことが重要と認識しております。
    まずは、コーディネーターの配置についてですが、医療的ケア児等コーディネーターは、福祉と医療のそれぞれの分野ごとに市町村において配置していただく必要がございます。
    両方、あるいは片方の分野で配置できていない市町村に対しましては、例えばどんな方をコーディネーター人材として選定されているか、そういった先行事例などを課題に応じた情報提供を行ってまいります。
    また、コーディネーターになっていただける人材を養成してまいりますため、市町村からの推薦に基づき、福祉や医療に携われる方々を対象としたコーディネーター養成研修を府として実施しております。
    こうした取組みを通じまして、コーディネーター配置に向けて市町村を後押ししてまいります。
    次にコーディネーターの実践力向上と関係機関の連携の強化についてですが、支援センターやコーディネーター、地域の医療・保健・福祉等の関係機関が参加する連携会議を開催しまして、支援の好事例の共有やグループワークを通じた事例検討を行うことで、その実践力の向上を図っております。
    また、この会議を通じまして、多機関・多職種の皆さんが、横のつながりを持ち、関係機関どうしの顔の見える関係が構築されることで、支援のネットワーク構築につながっております。今後は、この連携会議につきまして、より実情に則した開催方法などを検討し、その強化を図ってまいります。
    今後とも、こうした取り組みを進めることによりまして、支援センター、コーディネーターと市町村や医療機関などの関係機関の支援力の向上、相互の連携を深め、医療的ケア児支援の充実に努めてまいります。


    (2)介護・福祉人材の確保についてについて問う。
    ・「大阪府介護・福祉人材確保戦略2023」の具体的な方向性、特に外国人介護人材の確保にかかる今後の取組みについて問う。
    (福祉部長答弁) お示しの「大阪府介護・福祉人材確保戦略2023」につきましては、平成29年に前の戦略を策定したんですけれども、令和5年3月に見直しを行いまして、令和9年度までの5年間を取組期間として定めております。
    戦略では、「参入促進」「労働環境・処遇の改善」「資質の向上」の3つの方向性は、前の戦略から継続させていただきつつ、本戦略の取組み期間におきましては、3つの重点的に取り組むべき項目として、『将来の介護・福祉人材を担う人材の確保に向けた教育との連携』、『外国人介護人材の受け入れ促進と育成』、『早期離職の防止と業務改善による定着促進』その3つを重点的に取り組む項目として設定して、具体的な取組みを推進することとしております。
    さきほど話がありました処遇改善につきましては、他産業と比較してやはり遜色のない水準になるよう、引き続き国へ働きかけていきたいと思います。
    あわせまして、離職防止にもつながります労働環境の改善に向けては、介護事業者等におけるICTなどテクノロジーの導入などによりまして、業務の効率化、生産性の向上にも取り組んでまいります。
    また、外国人介護人材の確保にかかる具体的な取組みといたしましては、外国人介護人材の活用を躊躇されています施設を対象とした受入制度や活用事例の紹介等を行います説明会の実施、マッチングの支援を行いますとともに、受入施設が実施する外国人介護人材の日本語習得や資格取得に向けた学習にかかる経費の支援を行っております。 また、先般、国の総合経済対策で示されたメニューを活用いたしまして、外国人介護人材を確保するため海外現地で取組みを行う介護事業者等への支援の実施も検討しているところでございます。
    これらの取組みを通じまして、持続的かつ安定的に介護・福祉人材が確保できるよう、しっかりと取り組んでまいります。


    (3)アスマイルについて
    ・万博に向けて、アスマイルの会員数増加や継続した健康づくりにつなげる取組みについて問う。
    (健康医療部長答弁) アスマイルの会員数を増やす取組みといたしまして、現在、万博に向け、府民一人ひとりが健康記録のポイントを貯めて、共通目標の達成をめざす「ポイントチャレンジ」を実施しており、PR動画をモノレール車内や街頭ビジョンで掲出するなど、広く周知を行っているところです。
    さらに来年度には、万博の機運醸成にもつながるよう、入場券相当の特典提供を行うキャンペーンも順次行うこととしております。
    また、継続的な健康づくりに資するよう、今年2月に、生活習慣病の発症確率を予測する「健康予測AI」を改良し、生活習慣の改善などの行動変容を促す機能を追加したところです。
    このほか、アスマイルの機能を使い、市町村が独自のインセンティブを付与できる仕組みにつきまして、次年度には参画する市町村が14団体まで増える見込みであり、引き続きこれらの取組みを通じまして会員数を増やしていくとともに、継続的に利用していただけるようなコンテンツの充実に努めてまいります。


    (4)感染症対策強化事業について
    ①大阪・関西万博感染症情報解析センターの役割や万博開催に向けた取組みについて問う。
    (健康医療部長答弁) 海外から多数の来場者が見込まれる万博開催時には、国内では流行していない感染症のリスクが高まるため、大阪府市で「大阪・関西万博感染症情報解析センター」を大阪健康安全基盤研究所へ設置し、万博開催前の令和7年1月から感染症情報の集約や解析等を行うこととしています。
    本年1月に国立感染症研究所から、大阪関西万博に向けての「感染症リスク評価」が公表され、感染リスクが高まる感染症の例示や国及び自治体、万博関連施設等において想定される対策が示されたことから、会場内外での発生動向を幅広く把握することを目的といたしました強化サーベイランスについて検討を進め、感染リスクの高い感染症の早期探知を行える仕組みを構築してまいります。
    今後、関係者との情報伝達のフローを具体化し、それに基づいた感染症発生時の対応訓練を実施するなど、安全・安心な万博の開催に向けた準備を進めてまいります。


    ②万博をきっかけに、下水サーベイランスといった先進的な研究を継続的に実施することが重要であると考えるが、どのように取り組んでいくのかを問う。
    (健康医療部長答弁) 新型コロナウイルス感染症への対策を契機に、各地で病原体の早期探知を目的といたしました下水サーベイランスの手法を用いた実証研究が実施されているところです。
    国内外から多数の来場者が見込まれる今回の万博を、下水サーベイランス研究促進の貴重な機会としてとらえ、輸入感染症を対象とする早期探知の有用性確立に貢献することを目指し、大阪健康安全基盤研究所におきまして、万博会場周辺の下水を対象とした実証実験に取り組むこととしております。
    また、研究所独自の取組みといたしまして、万博会場とは別の場所で採取した下水から得られたデータと、新型コロナウイルス感染症等、他の感染症の発生状況との関連性についての研究を万博閉幕後においても継続して行い、将来的には流行予測にも繋げていきたいと考えており、府としてこれらの取組みを支援してまいります。


    (5)大阪公立大学「大阪国際感染症研究センター」の機能強化
    ・大阪国際感染症研究センターの機能強化に向けた取組みについて問う。
    (副首都推進局長答弁) 感染症に強い都市づくりをめざすため、大阪公立大学に設置した「大阪国際感染症研究センター」では、医学・獣医学をはじめ大学が有する知見を結集し、感染症に関する様々な調査研究などに取り組んでおります。
    具体的には、AIを用いた病原体の迅速な診断方法の研究や、大阪健康安全基盤研究所との連携により、関西国際空港等の下水から病原体を検出し、病原体の早期探知や流行状況の予測を目的とする研究などを進めております。
    さらに、万博が開催されます令和7年度の稼働に向けて、来年度は、大学のりんくうキャンパス内におきまして、BSL3感染動物施設の整備を進めていくこととしております。
    大阪府としては、同センターが、幅広い学問領域を活かした大阪の感染症対策を支える拠点となるよう、しっかり支援してまいります。


    4 教育の振興

    (1)私立高校等授業料無償化制度の府外校への拡大について
    ・府外校の制度への参画に向けた今後の取組みについて問う。
    (教育長答弁) ただいまお示しのとおり、府外の私立高校等につきましては、本日時点で24校が就学支援推進校に参画をいただいております。府外の全日制高校に通う生徒は、3学年合計で約8,300人で、そのうち3年生は約2,800人ですが、来年度は就学支援推進校に通う3年生約450名が授業料無償化の対象となる見込みでございます。
    昨年11月から12月にかけて実施しました就学支援推進校への参画意向調査では、令和6年度からの参画は見送るものの、令和7年度以降の参画を検討しているとの回答を複数の学校からいただいております。
    いつでも就学支援推進校に参画していただくことは可能ですので、府としてはより多くの学校に参画いただけますよう、引き続き働きかけていきたいと思います。


    (2)私立高校等の授業料の一時負担及び大阪府育英会奨学金制度について
    ①一時負担の解消時期について問う。
    ②各高校等の初年度納付金の実態調査結果について問う。
    ③調査結果を踏まえた制度設計について問う。

    (教育長答弁) 授業料の完全無償化の趣旨を踏まえますと、保護者に一時的な授業料の負担が生じる状態は解消されることが望ましい、そのように考えています。
    このため、学校から聴取した意見等を踏まえ、財務面での学校経営への影響を考慮し、府の授業料支援補助金の交付時期を前倒しするなど、制度の運用を改めることとした結果、全ての学校から遅くても制度完成時であります、令和8年度には一時負担を解消する旨の回答をいただいております。
    また、さらにそのうち、全日制高校では94校中84校の学校から令和6年度の3年生より順次、一時負担を解消していくとの回答をいただいております。
    できる限り早く、全ての学校において一時負担が解消されるよう、引き続き各学校と調整してまいります。
    次に、初年度の納付金の状況についてでございますが、各学校の初年度納付金の実態を調査しましたところ、入学時に必要となる費用は、現行、大阪府育英会が貸付を行っております、入学時増額奨学資金の貸付上限額よりも、公立では5万円程度、私立学校ではばらつきがあるものの多くの学校では5万円から10万円程度上回っていることが判明いたしました。
    こうした状況を踏まえまして、入学時増額奨学資金貸付につきましては、就学が困難な生徒の教育の機会均等を図る観点から、早期に拡充していくことが必要であると考えておりまして、令和7年度入学生への適用に向け、検討を進めてまいります。


    (3)不登校児童生徒への支援
    ①「不登校等対策支援事業」を実施することによる成果及び不登校の子どもの学びに対する支援に係る今後の展開について問う。
    (教育長答弁) 今年度、府内41市町村のうち37の市町村の101校の小中学校に「校内教育支援ルーム」が設置されておりまして、その支援人材を配置しているところでございます。配置校においては、支援人材が子どもの相談に乗り、教職員と支援方針を検討したり、子どものニーズに合った個別の学習支援を行うことによりまして、12月末時点におきまして、前年同時期と比較しますと、新規不登校者数が約15%抑制される等の一定の成果が出ております。
    府教育庁といたしましては、市町村と連携しながら本ルームを核とした支援が府内すべての小中学校に行き届くことが必要というふうに考えています。
    次年度におきましては、今年度支援人材を配置できていない市町に支援人材を拡充し、さらに支援ルームの効果を普及して、府内各校の「校内教育支援ルーム」が、より充実していくように働きかけてまいります。
    今後も、校内教育支援ルームの設置及び機能の充実を市町村と連携して進めていきますとともに、不登校の子どもたちの状況を把握し、必要な学びの場を確保する等、子どもたちの支援に引き続き取り組んでまいります。


    ②学びの多様化学校の設置に向けた今後の検討について問う。
    (教育長答弁) 府内公立中学校におきます不登校生徒数の急激な増加、そのような状況を踏まえまして、昨年7月大阪府学校教育審議会に多様なニーズに応じて柔軟に学ぶことのできる府立高校のあり方等につきまして諮問いたしまして、本年1月の中間報告では、支援体制の充実に加え、学びの多様化学校を設置すべきとの提言をいただいたところでございます。
    学びの多様化学校の設置に向け、来年度、特色ある学びの内容、授業の時間帯、望ましい学習環境など、不登校傾向にある生徒のニーズ等の調査研究を行いますとともに、府立高校全体の不登校支援を充実させるためにノウハウの共有など、センター的な役割を担う学校としての在り方についても検討していくこととしていたしております。
    これらニーズ調査等の結果を踏まえまして、令和8年度以降の開校に向け、学びの多様化学校の教育課程の特例について具体的に文部科学省と協議をすすめてまいります。


    (4)知的障がい支援学校等における教室不足の解消等
    ①交野支援学校四條畷校の本校化の取組み内容とその効果について問う。
    ②今回の予算案以外の地域について、今後の対応を問う。

    (教育長答弁) 交野支援学校四條畷校につきましては、北河内地域の知的障がい児童生徒の増加に対応するために、平成27年度に開校した枚方支援学校の整備までの暫定的な分校として、平成22年3月に閉校した府立四條畷北高校を活用し設置したものでございます。
    本校化にあたりましては、新たに小学部を設置するための施設環境を整えますとともに、現在活用できておりません3、4階を含めた改修やスプリンクラーやエレベーター等の施設設備を整備することで、子どもたちの教育環境を改善していきたいと考えております。
    これによりまして、北河内地域全体の在籍者数の増加に対応し、域内の枚方、寝屋川、守口の各支援学校の特別支援学校設置基準の不適合等の解消を図ってまいります。
    また、その他の地域につきましては、今後の在籍者数の推移等を見極めながら、第2次大阪府教育振興基本計画の計画期間であります 令和14年度までに、設置基準への適合や教室不足が解消できますように、引き続き、必要となる対策の検討を進めてまいります。


    (5)府立学校の給食の無償化
    ・府立学校の設置主体として、保護者の負担軽減のためにも、令和7年度以降の給食費の無償化を恒久的に実施すべきと考えるが、所見を問う。
    (教育長答弁) 府立学校の給食費についてでございますが、ただいまお示しのとおり、保護者負担の軽減のため、令和4年度から国の地方創生臨時交付金を活用の上、無償化を実施しており、令和6年度につきましては、年度当初から実施すべく本議会において予算案を計上させていただいております。
    現在、学校給食費の無償化につきましては、国において、無償化を実施する自治体の取組や成果・課題等について、全国ベースでの実態調査を順次実施しておりまして、その結果を今年6月頃までに公表した上で、法制面等も含めた課題の整理を行い、無償化の実現に向けて、具体的方策を検討することとされております。
    令和7年度以降の府立学校の給食費無償化につきましては、その国の動向を注視しながら、引き続き、国による財政措置がなされますよう、あらゆる機会をとらえて国に要望してまいりますとともに、その状況を踏まえまして検討してまいります。


    (6)大阪公立大学「イノベーションアカデミー構想」の推進について
    ・府立学校の設置主体として、保護者の負担軽減のためにも、令和7年度以降の給食費の無償化を恒久的に実施すべきと考えるが、所見を問う。
    (副首都推進局長答弁) 大阪公立大学においては、イノベーションアカデミー構想を掲げ、スマートエネルギー、医療・創薬、子ども未来社会など5つの分野で、産学官民連携のもと、様々な社会課題に対するイノベーションの創出に取り組んでおります。
    この取組を強力に推進いたしますため、新たに、国からの補助金を獲得し、中百舌鳥キャンパスにスマートエネルギー分野の産学官民リビングラボとなります拠点施設を整備するとともに、社会実装に向けた研究支援人材の配置など体制強化を図ることといたしております。
    大阪公立大学として、議員お示しの、産業振興に向けた産学官民の連携・共創の場としての役割を発揮し、大阪の成長・発展に寄与してまいります。


    5 大阪の再生・成長

    (1)食を中心とした地域の魅力発信・体験型ツアー実現に向けたモデル事業
    ・今年度実施しているモデル事業の具体的な進め方及び次年度の進め方について問う。
    (政策企画部長答弁) 万博を契機に増加するインバウンドの方々に、大阪市内のみならず府域全体を周遊いただくためには、地域の魅力を着実に発信する仕掛けづくりが重要でございます。そのため、世界の富裕層の間で人気が高まっている「ガストロノミーツーリズム」に着目したモデル事業を、魅力的な食材や歴史・文化を有する泉州・南河内地域を対象に実施しております。
    具体的には、各地域において事業者への現地取材を実施し、地元食材等のコンテンツを発掘、深堀りいたしました。
    また、地域の実情を把握している農と緑の総合事務所や土木事務所等の協力も得て、コンテンツの磨き上げに向けたワークショップを、各地域3回ずつ行ったところでございます。
    その上で、外国人インフルエンサーや外資系ホテルの支配人等を対象にコンテンツを巡るモニターツアーを実施いたしました。
    今後、どのような点が評価されたのか検証を行い、3月には、報告会を開催し、地元市町村や事業者と受入にあたっての地域のポテンシャルや課題を共有する予定でございます。
    来年度も、泉州・南河内地域において、今回、明らかになった評価や課題等を踏まえながら、コンテンツの磨き上げを行い、夏から秋にかけて再度モニターツアー等を実施する予定です。その結果を検証し、民間企業による商品化を加速させていきたいと考えております。
    これらの取組みにより、海外富裕層の周遊を継続的に呼び込み、大阪の成長につなげてまいりたいと考えております。


    (2)金融系外国企業等の誘致目標の達成に向けたプロモーションの取組み
    ・万博開催等の好機を活かして、今後海外に向けてどのようにプロモーション活動を実施していくのかを問う。
    (政策企画部長答弁) 金融系外国企業等の誘致に向けたプロモーションにつきましては、大阪・関西万博のインパクトを活かしつつ、ビジネス機会となりうる中之島クロスやうめきた2期など、大阪で現在、進行中のプロジェクト等を発信していくことが重要であると思います。
    このような認識のもと、今年度はシンガポールや香港で開催された大規模イベントでのPRや現地企業等の個別訪問など、精力的に活動を行ってまいりました。
    その中で、効果的なプロモーションのためには、大阪への関心度合に応じて、アプローチの手法について多様化する必要性などが明らかになったところでございます。
    そこで、来年度は、第一に大阪を知ってもらうためのマスプロモーションを強化すること。
    次に、大阪をご存知の方々に対しては、SNSの双方向性を活かし、発信する内容の質を高めていくこと。
    さらに、既に大阪に関心を寄せていただいている企業等には、協業先や投資先となりうる在阪企業の情報やビジネスマッチングの機会を提供することなど、一層効果的なプロモーションとなるよう取り組んでまいります。


    (3)関空の発着容量の拡張に向けて
    (政策企画部長答弁) 関空では、羽田空港の事故を受け、滑走路への誤進入を監視する人員の配置や、停止線の塗装の明確化など、国から示された緊急対策に速やかに着手したところでございます。
    また、環境検証委員会からも、安全性の確保を徹底するよう提案を受け、国へ要請を行いました。引き続き、関西エアポート社等とともに安全対策に万全を期してまいります。また、環境面に関しては、環境検証委員会で評価した航空機騒音予測では、全ての陸域で環境基準を大きく下回ることが確認されました。
    一方、地元自治体からは、生活環境への影響を懸念する声が示されたことを踏まえ、住民の負担ができる限り軽減されるよう、「新飛行経路の運用時間制限」や「高度を引き上げる運用努力」等について、国へ要請を行いました。
    本府といたしましても、飛行状況のモニタリングの充実に要する経費を、来年度当初予算に計上したところでございまして、引き続き、関西エアポート社等と連携のうえ、環境監視体制の一層の強化に努めてまいります。


    (4)mydoor OSAKAの市町村展開について
    ・「mydoor OSAKA」で提供できるサービス及びより多くの市町村に使っていただくための展開について、所見を問う。
    (スマートシティ戦略部長答弁) 公民のデータの流通・連携を促進し、新たなサービス創出の基盤として昨年度整備したオルデンの機能を活用し、府と市町村の行政サービスを、より便利に提供するための広域総合ポータルとしまして、「mydoor OSAKA」を構築しているところでございます。
    この「mydoor OSAKA」は、行政から情報を必要な人に配信できる機能や、様々な行政手続を役所へ行くことなく、オンラインで完了できる機能など、住民QOLの向上に資するデジタルサービスを提供するものでございます。
    具体的には今年3月からまず、堺市におきまして出産・子育て応援事業の給付金申請案内等を対象者に届けるプッシュ通信や、保育施設の申請手続、子育てアプリとの連携などからスタートし、今後は、子育て以外の様々な分野におきましてもサービス展開を図ってまいります。
    また、広く府民に使っていただける、次世代の便利な広域総合ポータルとして展開していくため、市町村の参画を積極的に働きかけるとともに、勉強会などを通じて各団体のニーズを丁寧に汲み取ってまいりたいと考えております。そのためにも、令和9年度末をマイルストーンとして目標設定し、戦略的な市町村展開を図ってまいります。


    (5)万博開催に向けた大阪府の女性活躍推進の取組み
    ・万博開催を見据えた、女性活躍推進に向けた来年度の取組みについて問う。
    (府民文化部長答弁) 大阪府では、産学官等オール大阪で構成されます「OSAKA女性活躍推進会議」を設置いたしまして、女性活躍推進に向け、様々な取組みを進めることとしているところでございます。
    そのため、幅広い世代の女性を対象に、自分らしい働き方や自身のキャリアアップに関するセミナーを行いますとともに、男女のいずれもが働きやすい環境づくりに取り組む事業者を応援する「男女いきいき制度」への登録等を進めているところでございます。
    さらに、OSAKA女性活躍推進月間におきましては、「ドーンdeキラリフェスティバル2024with万博」を民間企業のノウハウ等を活用して開催し、2025年大阪・関西万博開催の機運醸成と女性活躍推進に向けて取り組むこととしているところでございます。
    今後も、全ての人が、その個性と能力を発揮できる社会の実現に向け、オール大阪で様々な取組みを推進してまいります。


    (6)ペロブスカイト太陽電池の大阪での実装促進
    ・万博を契機に、大阪から様々な形で実装が広がるよう取り組んでいくべきと考えるが、所見を問う。
    (商工労働部長答弁) ペロブスカイト太陽電池は、蓄電池をはじめ次世代エネルギー産業分野のポテンシャルが高い大阪・関西において、とりわけ、複数の大企業が大阪で開発に取り組んでおり、今後の製品化に伴い、大阪経済の成長への貢献も期待できるものと認識しております。
    現在、量産技術の確立や生産体制の整備といった課題への対応と並行いたしまして、窓ガラスと一体化した建材の開発やビル外壁への設置などの用途開発に向けた取組みが展開されつつあります。
    万博開催時には、ペロブスカイト太陽電池をはじめ、気候変動対策に貢献する様々な技術の会場での展示等が見込まれるほか、とりわけ府内企業等のこれら優れた技術や製品については、会場内外での実装や展示の機会を設けるなど、国内外への発信を支援してまいります。


    (7)中之島クロスにおける再生医療の産業化とPR
    ・万博を活用しながら、国内外に中之島クロスのプレゼンスを高めるための情報発信を行うべきと考えるが、所見を問う。
    (商工労働部長答弁) 今年開業いたします、中之島 Qrossが未来医療の国際拠点としてのプレゼンスを高めるためには、入居する企業・スタートアップ、アカデミアや医療機関それぞれの交流・共創を通じて生み出される新しい技術やサービスなど、今後の可能性を含めた再生医療のポテンシャルを、国内外に発信していくことが重要と考えております。
    そのため、万博前年から開催年にかけまして、様々な国際的イベントの開催が見込まれることから、それぞれの主催者と連携することで、その来訪者を積極的に取り込み、国内外からの視察団を呼び込むためのツアーやセミナー・交流会などの実施を通じて、中之島Qrossでの取組みをアピールしてまいります。
    あわせて、府民や患者のみなさんに対しましても、中之島Qrossの取組みが人々の健康や治療にいかに役立つか、フォーラムなどを通じて情報発信することで、再生医療の可能性を感じてもらえるよう努めてまいります。


    (8)万博を契機とした健都における情報発信について
    ・健康・医療拠点として確立していくため、新技術を生み出し、国内外に強力に発信していくべきと考えるが、所見を問う。
    (商工労働部長答弁) 健都は、健康・医療に関する研究機関をはじめ、関連企業や施設等の集積に加えまして、地域住民を加えたまちづくりを進めている点が強みでございます。この強みを活かしまして、地域住民参画型の実証フィールドとして、新技術・サービスの事業化を支援しているところであります。
    一方、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする万博には、健康・医療にかかる革新的技術やサービス等を有するスタートアップなどが集ってまいります。
    健都は万博のテーマと親和性が高いことから、ヘルスケアビジネスにチャレンジするスタートアップなどに、「健都万博」として、万博と並行して、実証する機会などを提供していきたいと考えております。
    また、「健都万博」を通じて府民の方にも新しい技術・サービスを体感いただくとともに、万博に来訪するビジネスミッション団等の視察先にもしていくことで「実証事業都市・健都」を国内外に広めてまいります。


    (9)大阪湾におけるブルーカーボン生態系の創出
    ・万博に向けた大阪湾におけるブルーカーボン生態系の創出の推進及び他自治体と連携したブルーカーボン生態系の情報発信に係る取組みについて問う。
    (環境農林水産部長答弁) 藻場等のブルーカーボン生態系の創出は、CO2の吸収・貯留のほか水質改善や生物多様性保全など、多面的な価値があることから、本府では、大阪湾沿岸を藻場等で取り囲む「大阪湾MOBAリンク構想」の実現に向けた取組みを推進しております。
    その一環といたしまして、来年の万博開催に向け、万博会場対岸の咲洲西護岸において一定規模の藻場を創出するため、新たに補助制度を創設いたします。また、大阪湾における民間事業者や自治体等の取組を体感的にわかりやすく実感できる情報発信ツールを作成し、万博の民間パビリオンや大阪ウィークで国内外に発信してまいります。
    また、全国各地のブルーカーボン生態系創出の先進的な取組みについて、万博の機会をとらえて広くPRするよう、国に働きかけてまいります。
    さらに、兵庫県と共同で設置いたしました大阪湾ブルーカーボン生態系アライアンスに参加する企業や団体等と連携し、藻場のミッシングリンクの解消に向け、2030年度までに沿岸エリアの核となる藻場を複数の場所で創出いたします。
    こうした大阪湾における取組みは全国でも例がないことから、国や関係機関に発信し、全国の藻場創出にも貢献してまいります。


    (10)OSAKAごみゼロプロジェクトについて
    ・大阪府としての今後の取組みについて問う。
    (環境農林水産部長答弁) 2025年の「大阪・関西万博」と、その翌年の「全国豊かな海づくり大会」の開催を踏まえ、「豊かな大阪湾」の保全・再生・創出に向け、街・川・海にごみのないきれいな大阪をめざし、全庁横断的な推進体制を整備し、4月から府域全域で「OSAKAごみゼロプロジェクト」を実施する予定でございます。
    同プロジェクトでは、府が旗振り役となって、企業、市町村、自治会、NPOや学生団体等とも連携・協力し、様々な場所で清掃活動等を盛り上げていくこととしております。 また、使い捨てプラスチックなどの使用抑制や川・海でのごみ回収、ごみゼロに向けた啓発など、これまでの取組の強化・拡大を図りますとともに、取組内容や成果の見える化し、近隣府県にも情報発信してまいります。
    このプロジェクトを通じて、様々な主体と幅広く連携・協力し、オール大阪でのごみ削減やその機運醸成を図り、大阪湾へのごみ流入ゼロをめざしてまいります。


    (11)万博開催に向けた都市緑化を活用した猛暑対策について
    ・都市緑化を活用した猛暑対策事業に係る万博開催までの集中実施期間における取組みについて問う。
    (環境農林水産部長答弁) 災害並みの猛暑による健康被害が多発する中、府民の安全安心を守るため、緑化と併せた微細ミスト設置などによる、猛暑対策を駅周辺などで展開してまいりました。
    来年度からの事業では、2025年大阪・関西万博を見据え、多くの府民や来阪者の集まる観光スポットなど、対象地をより効果的な場所に絞り込むとともに、事業要件を見直すことで、みどりの質と量の充実を図り、ヒートアイランド現象の抑制や都市格の向上を図ることとしております。
    国内外から訪れる方々に、みどりが溢れ快適な大阪の魅力を感じていただけるよう、引き続き都市緑化を活用した猛暑対策にしっかりと取り組んでまいります。


    (12)今後の財政収支不足の対応
    ・今後見込まれる収支不足への対応について問う。
    (財務部長答弁) 府財政は、今年度末に減債基金の復元が完了する見通しがたち、各種財政指標の改善が進むものの、粗い試算では、目前に控えた万博開催準備、授業料等無償化の段階的拡充などの新たな歳出や、令和13年度までバブル後に大量発行した府債の最終償還の到来などがあり、令和7年度以降も多額の収支不足が見込まれる状況です。
    こうしたなかでも、府民の安全安心や大阪の成長に向けた施策に必要な投資を行うことは重要と認識しております。
    そのためには、財政規律を堅持しつつ、引き続き歳入確保、歳出見直しの検討・具体化を進めるとともに、各年度の予算編成における財源の重点配分や、各事業の予算執行が効果的・効率的なものとなるよう取り組む必要があります。
    今後とも財政運営基本条例に基づき、健全で規律ある財政運営を行ってまいります。


    (13)地方公務員の減少への対応
    ・優秀な人材の確保と職員が働き続けたいと思えるような魅力のある職場となるようにするための今後の取組みについて問う。
    (総務部長答弁) 本府が持続的に質の高い住民サービスを提供していくためには、優秀で多様な人材を確保するとともに、職員がより働き続けたいと思える職場を実現できるよう、業務を通じて成長を実感し、働きがいを感じられる、そのような人事制度や働きやすい職場環境づくりに取り組むことが重要と認識しております。
    これらの実現に向けまして、まず人材の確保につきましては、公務員専願者と民間企業併願者がともに受験をしやすくなるよう、来年度から、試験科目の見直しや試験期間の短縮による合格発表の前倒しを行うこととしております。 また、新たな採用手法といたしまして、公務員経験者を対象とした採用選考や元府職員を対象とした再採用選考などを実施し、即戦力となる人材の獲得にも取り組んでまいります。
    次に、働き続けたいと思える職場環境を実現するためには、希望する職務分野に軸足を置いた人事異動を行う「職務分野選択型人事制度」の創設や、より活躍できる職場を求める職員と職場をつなぐ「キャリアクリエイト制度」の拡充などを行うこととしております。
    あわせまして、全ての職員が意欲を持っていきいきと働くことができるよう、フレックスタイム制度における週休3日制の拡充やテレワークの推進、兼業要件の緩和、育児休業等の取得促進などにも取り組んでまいります。
    これらの取組みによりまして、若手からベテランまで全ての職員が、働きがいを感じながら日々のスキルアップに努め、それぞれの立場で能力を最大限に発揮し、活躍できる大阪府庁を目指してまいります。


    6 大阪・関西万博

    (1)万博の防災基本計画における訓練等の検討状況について
    ・防災基本計画における訓練の実施について示されている内容を問う。
    (万博推進局長答弁) 博覧会協会が昨年12月に公表いたしました防災基本計画(初版)では、災害等への事前対策として、パビリオン出展者や催事等の主催者も含めた博覧会全体の自主防災組織を構築し、防災教育や訓練等を実施することとしております。
    具体的には、会場内及び会場外駐車場の勤務者向けの災害発生時の対応や防災に関する研修、協会職員向けの定期的な初動活動の図上訓練、パビリオン等の勤務者や関係機関向けの避難誘導や備蓄物資配布等の機能別訓練などといった様々な研修、訓練を実施することとしており、今後、開幕に向けまして、詳細な訓練実施計画を作成することとなっております。
    大阪府・市といたしましても、引き続き、関係機関と連携しながら、適切に訓練が実施され、来場者の安全が確保できるよう取り組んでまいります。


    (2)万博会期中の災害対応に向けた訓練について
    (危機管理監答弁) 本府では、災害時に府民や来阪者の生命・財産を守るため、これまで、年間を通して、地震や風水害といった自然災害、テロ等による国民保護事象の発生を想定し、市町村や自衛隊をはじめとする救助機関等とも連携し様々な訓練を計画的に行っているところでございます。
    万博開催も見据え、府市関係部局、博覧会協会及び鉄道、バス等の公共機関等の関係機関と連携し、南海トラフ巨大地震等の大規模災害を想定した訓練の実施につきまして、万博推進本部「危機管理部会」におきまして、検討したいと考えております。
    引き続き、安全安心な万博開催に向け、災害対応能力の向上に取り組んでまいります。


    (3)万博関連の警察予算について
    ・万博関連の警察予算案におきまして、どのような対策に活用される予定であるのか、その具体的な内容について問う。
    (警察本部長答弁) 大阪府警察におきましては、大阪・関西万博に関する警察諸対策を効果的に推進するため、部門横断的な検討を進めております。令和6年度当初予算における万博関連事業費は、合計で約11億3,800万円であり、4つの事業に分けております。
    1つ目の事業は、「会場警備体制の整備」です。
    大阪府警察では、主催者である博覧会協会とも緊密な連携を図りつつ、万博会場内に整備される警察官の勤務拠点を中心に、事件事故等に対応する組織を新設する予定としております。その活動に必要な庁用品や装備資器材を整備し、万全な警備体制を確保いたします。
    2つ目は「会場周辺、主要エリア等の安全対策」です。
    会場内はもとより、会場の周辺や会場に直結する駅での雑踏対策、警衛警護及びテロ等違法行為への未然防止に必要となる装備資器材の整備や、サイバー事案への対処能力の向上等を図ります。
    3つ目は、「交通安全対策」です。
    会場へ向かうアクセスルートが限定されていることも踏まえ、交通の安全と円滑化に向け、信号機等の交通安全施設や交通状況を把握するためのカメラ整備等を行います。
    最後に4つ目の事業は、「未来社会の実現」です。
    万博のコンセプトが「未来社会の実験場」でありますことから、大阪府警察におきましても、環境に配慮し、初めてEVパトカーを導入いたします。
    大阪府警察といたしましては、引き続き、万博に向けた警察諸対策に取り組むとともに、インバウンドも含め、大阪を訪れる多くの方々や府民の皆様の安全・安心を確保するため、大阪府下全域の治安維持に取り組んでまいります。


    (4)万博の会場整備について
    ・パビリオン建設の進捗について問う。
    (万博推進局長答弁) 海外パビリオンの建設状況につきまして、博覧会協会からは、「タイプA」には現在50数か国の参加表明がある中で、施工事業者が決定している国は36か国を数えるほか、「タイプX」が3か国、「タイプC」への変更が2か国で、それ以外の国は概ね「タイプA」での参加を目指して検討が進められていると聞いております。
    こうした中におきまして、今月16日には、博覧会協会において、2025年4月の開幕に向け、遅くとも2024年10月中旬には建築工事を完了するよう、会場全体の概略工程表が提示されたところでございます。今後、この工程表に基づき、海外パビリオンをはじめとする関係事業者が着実に工事を進め、開幕に間に合うよう取り組まれるものと考えております。
    大阪府・市といたしましても、海外ビリオン建設等が円滑に進むよう、協会や関係部局とともに施工環境の改善などの促進を図り、万全の状態で開幕を迎えることができるよう、しっかりと対応してまいります。


    (11)万博の経費について
    ①万博に要する府市の費用に係る執行管理について問う。
    (万博推進局長答弁) 大阪・関西万博に要する府市の費用につきましては、予算編成過程におきまして、その内容が精査されるとともに、執行段階におきましては、最少の経費で最大の効果があげられるよう、競争性を働かせた契約手法を取り入れるなど、適切な経費支出に取り組んでおります。
    また、会場建設費につきましては、先の増額を受け、博覧会協会から理事会毎に執行状況の報告と公表が行われることとなり、府市といたしましても、その内容を確認するとともに、工事の変更や追加等につきましては、新たに事前協議で内容の検証等を行うなど、より厳格に執行状況を管理しているところでございます。
    運営費につきましても、博覧会協会の知事・市長を含む理事と監事で構成される「運営費執行管理会議」におきまして、チケットの販売状況や、支出金額と内容、支出抑制策等について協議することとなっており、府市といたしましても、必要に応じて改善策等を求めてまいります。
    さらに、こうした費用を、定期的・継続的に点検するため、経済産業省のもとに、外部専門家からなる「大阪・関西万博予算執行監視委員会」が設置され、府市の推薦する委員も参画するとともに、府市もオブザーバーとして関与しております。
    今後とも、これらの機会を活用しながら、万博関連費用の適切な執行管理に努め、府民の理解促進につなげてまいります。


    ②万博に関連する経費を適切に執行管理するため、チェックする体制が必要と考えるが、所見を問う。
    (知事答弁) 議員ご指摘のとおり、府民・市民の理解を高めるためには、万博関連費用の厳格な執行管理も重要だと考えております。
    万博に要する府市の費用については、限られた財源のもと、最少の経費で最大の効果があがるよう取り組んでいくべきであり、万博推進局を含む関係部局に対し、その徹底を指示しているところです。
    会場建設費や運営費の執行管理についても、本年1月に新たに設置された国の外部専門家からなる「大阪・関西万博予算執行監視委員会」においても、府市も関与する中で、定期的・継続的に点検を進めていくことになります。
    加えて、本年2月に新たに設置された博覧会協会の理事と監事で構成される「運営費執行管理会議」には、副会長である私自身も参画をし、チケットの販売や経費の支出状況、支出抑制策等について、今後、協会において設置予定のCFOいわゆる最高財務責任者を中心に協議することになっています。
    このように、外部からの専門家の視点と、協会役員による内部の視点の双方からチェックすることで、府市としても必要に応じて改善策を求めるとともに、万博関連費用の厳格な執行管理に取り組み、万博の理解促進につなげていきます。
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