議会報告

  • 加治木一彦議員
    令和3年9月定例会 代表質問(加治木 一彦 議員)要旨(令和3年10月6日)
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    1. 新型コロナウイルス感染症対策

    (1)ワクチン接種
    ①ワクチン接種の進捗について問う。
    (健康医療部長答弁) 府の接種状況については、ワクチン接種記録システム(VRS)のデータによると、9月末時点で府民全人口の1回目接種率が60.2%、2回目接種率は50.9%となっています。
    これに医療従事者などや職域接種の実績を加味すると、お示しいただいた全国レベルと概ね同水準の接種率になるものと考えています。
    希望する府民への接種完了時期については、府としては11月中の完了を見込んでおり、引き続き、接種の実施主体である市町村をはじめ、医療関係団体や国などとも連携を図りながら、希望される方に1日でも早く接種を終えることができるよう、取り組んでまいります。


    ②若年層の接種促進に向けた取組みについて問う。
    (健康医療部長答弁) 若年層への接種促進にあたっては、ワクチンに関する正しい情報を効果的に発信するとともに、接種を迷っている方が自らの意思で接種いただけるような方策を実施することが重要と認識しています。
    そのため、府としては、「大阪府コロナワクチンポータルサイト」をはじめ、9月に新たに開設した「コロナワクチン公式Twitter」などを通じて、ワクチンの有効性や副反応など、接種の判断材料となる情報や、接種を促すメッセージなどの発信に努めています。
    さらに、20代、30代の接種促進に向けた気運醸成を図る観点から、民間企業などから景品の協力も得て、公式Twitterを活用したキャンペーンを昨日より開始したところであり、引き続き、より多くの若い世代の方に接種いただけるよう、しっかり取り組んでいきます。


    ③接種希望者をとり残さないための取組みについて問う。
    (健康医療部長答弁) ワクチン接種により、感染した際の重症化を予防するとともに、感染予防効果により社会全体として、感染拡大の波をできる限り抑制するためにも、幅広い年代の方に1人でも多く接種いただくことが重要と認識しています。
    このため、現在、府が運営している接種会場では、接種対象年齢を16歳以上に拡大するとともに、予約なしでも接種可能とするなど、接種機会のさらなる充実を図っているところです。
    さらに、市町村に対して、住民へのきめ細かな情報発信を行っていただくよう働きかけるとともに、府としても、各部局を通じて、所管する団体へ接種の呼びかけをお願いするなど、希望する全ての方ができる限り早く接種いただけるよう、しっかり取り組んでいきます。


    (2)医療体制
    ①大規模医療・療養センターの入所対象者の考え方について問う。
    (知事答弁) 公明党大阪府議会議員団を代表されましての加治木議員のご質問にお答えを申し上げます。
    第5波ではワクチン接種の進展等もあり、第4波と比べ、重症者は減少したものの、軽症・無症状者が増加をいたしました。それに伴い、軽症・中等症病床がひっ迫し、自宅療養者も大幅に増加をいたしました。
    大規模医療・療養センターは、感染爆発により軽症・中等症病床や宿泊療養施設がひっ迫した場合に、自宅療養の軽症患者等を中心に受入れを行うものです。さらに、今後整備する中等症病床において、軽症・中等症Ⅰまでの患者を対象に、一時避難的な対応や緊急治療の実施を検討しています。
    いつ起こるか予測できない、まさに災害級の感染爆発時に最後の砦としてこれらの患者等を受け入れることで、家庭内感染や自宅での症状の急変される方等を少しでも防いで、そして府民の命をしっかり守っていきたいと思います。


    ②大規模医療・療養センターの居住環境について問う。
    (危機管理監答弁) 大規模医療・療養センターは、感染爆発により医療・療養体制がひっ迫した際に、臨時の医療施設として開設するものです。そのため、宿泊療養施設に比べ、居住環境は十分とはいえないものの、現地の看護師による健康観察や、オンラインでの医師の健康相談・処方などに加え、日中は医師が常駐するなど、安心して療養できる体制を確保しています。
    居住環境としては、入居者の男女エリアを完全に分離することはもとより、お示しのようにパーテーションで個室空間を作り、一定のプライバシーを確保しています。また、第5波で増加した家庭内感染にも対応できるよう、未就学児や就学児等の陽性者を親子で受け入れる、男女別のファミリールームや共用スペースも設置しています。
    こうした取組みについて、しっかり情報発信を行うことで、府民の不安解消に努めてまいります。また今後、センターの運用開始に向け、入居者の生活の質(QOL)がさらに高まるよう、引き続き検討してまいります。


    (3)学びの保障
    ・コロナ禍における府立高校生の学びの保障について問う。
    (教育長答弁) 教育庁では、登校再開後、学級閉鎖や臨時休業の期間に実施した学習内容について、その定着状況を的確に把握し、必要に応じて補講等、さらなる学習保障を実施するよう、各府立高校を指導しているところでございます。
    各校におきましては、一人ひとりの学習状況を確認するとともに、学習の定着が十分でない生徒や学習状況等に不安を持つ生徒などに対しまして、学習支援員も活用しながら、個別の支援を行っております。
    今後も、府立高校におけるすべての生徒の学びを保障するという観点から、臨時休業時等におけるオンライン学習の充実を図りますとともに、学習の遅れが生じることのないよう、登校再開後も、きめ細かな支援を行ってまいります。


    (4)女性支援
    ①コロナ禍における女性支援事業の実施状況について問う。
    (府民文化部長答弁) コロナ禍において、特に女性が様々な面で深刻な影響を受けていることが顕在化している中、困難や課題を抱える女性に対するきめ細かい支援を充実・強化していくことは重要であると認識しております。
    このため、本府では、不安や悩みを持つ女性が、事前予約なしにカウンセラーによる相談を受けられるとともに、また、必要に応じて就職活動用のスーツや生活用品などを提供する事業に取り組んでいるところでございます。
    利用者からは「相談に乗ってもらうだけでなく、スーツ等も提供していただき、次のステップに進む力になった」となど、利用してよかったという声が多く寄せられているところでございます。
    今後とも、女性が抱える困難や課題に対処していくため、民間企業等との連携を深めるとともに、協力の輪を広げていくなど、事業のさらなる充実を図り、より多くの女性の支援につながるようしっかりと取り組んでまいります。


    ②女性支援事業の継続について問う。
    (府民文化部長答弁) 先般、国における来年度予算の概算要求にあたっての本事業の実施見込調査において、本府としては、引き続き実施したい意向を回答したところでございます。
    次年度の事業実施につきましては、新型コロナウイルス感染拡大による女性への影響や、国の交付金制度の状況を踏まえ、実施に向けた検討を行ってまいりたいと思います。


    (5)文化芸術支援
    ①コロナ禍における文化芸術活動への支援について問う。
    (府民文化部長答弁) 新型コロナウイルス感染症の拡大によりまして、文化芸術活動が大きな影響を受けております中、大阪の多彩で豊かな文化芸術を絶やすことなく、継続していくためには、感染対策との両立を図りながら、その活動を支えていくことが重要と考えております。
    このため、昨年度に引き続き、大阪にゆかりのあるアーティストや演芸人、楽団などが活動できる場を創出いたしますとともに、府民に文化芸術に触れる機会を提供できるよう、大阪市とも連携しながら取り組んでいるところでございます。
    具体的には、大阪を中心に活動するオーケストラのコンサートや上方落語家総勢約250名が出演する高座をはじめ、演劇、アート作品の展示などを、感染対策を図りながら開催することとしておるところでございます。
    さらに、今年度は、府内における文化芸術活動の継続・回復を図りますため、舞台公演や作品展示にかかる施設使用料を新たに補助することといたしまして、文化芸術家や団体等の支援にも取り組んでいるところでございます。
    文化芸術は、人々の心を癒し、人の心を豊かにする社会にとってなくてはならないものであり、今後とも、こうした取組みを通じて、文化芸術活動を支援してまいります。


    ②子どもたちが文化芸術に触れる機会の提供について問う。
    (府民文化部長答弁) 次世代の担い手となる子どもたちが、文化芸術の鑑賞、参加、創造できるような機会を創出していくことは重要であると認識しております。
    第5次大阪府文化振興計画におきましても、文化芸術に通じた子どもや青少年の成長する機会の提供や、文化芸術を創造し、支える人材の育成・支援の充実に取り組むこととしているところでございます。
    このため、府内の子どもたちが参加し発表する文化芸術活動や、優れた文化芸術の鑑賞機会などを提供する事業に対しまして補助を行っているところでございます。また、府立江之子島文化芸術創造センターにおきましては、子どもたちを対象としたアート講座や美術展覧会など、気軽に文化芸術に触れ、楽しむ機会を提供しているところでございます。
    さらに、次世代の文化芸術の担い手を育成する観点から、高校生や若手芸術家に対して、大阪文化芸術支援プログラムでのライブペインティングやアート展示会、ステージ公演などにおいて、発表の機会を設けておるところでございます。
    今後とも、次世代を担う子どもたちが文化芸術への興味や関心を深め、豊かな感性や創造性を育むことができるよう、文化芸術にかかわる機会を創出してまいります。


    (6)事業者支援
    ①おおさか観光消費喚起事業について問う。
    (府民文化部長答弁) おおさか観光消費喚起事業を行うにあたっては、より多くの府民の方にご利用いただけますよう、昨年度の事業を拡充し、新型コロナウイルス感染症により大きな影響を受けております府内の観光関連事業者の支援につなげていくことが重要と認識しております。
    このような認識のもと、今年度は国の補助金も活用いたしまして、宿泊代金や旅行代金の2分の1を最大5,000円まで割引く仕組みを新たに実施することにより、利用者のさらなる増加を見込んでいるところでございます。
    また、宿泊だけでなく、観光バスなどを利用する日帰り旅行につきましても新たに対象に加え、さらには、参加者に配布する最大3,000円分のクーポンの利用対象を、府内の観光関連施設等に限定するなど、より事業効果が高まるようにいたしたところでございます。
    今後、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着き次第、速やかに事業を開始し、観光関連事業者の支援が実現できるよう、着実に準備を進めてまいります。


    ②ゴールドステッカー認証施設の利用促進について問う。
    (政策企画部長答弁) 新型コロナウイルスの感染症拡大に伴いまして、飲食店には営業時間の短縮のご協力を求めることなどによりまして、大きな影響を受けておられます。今回、国の食事券のプレミアム率へ府が上乗せすることによりまして、感染症防止対策に取り組んでおられるゴールドステッカー認証店への府民の利用を促進するとともに、認証店への消費を喚起し、経営を支援したいと考えております。
    これによりまして、ゴールドステッカーの取得を促進し、府内の感染防止対策の強化にもつなげたいと考えておる所でございます。


    (危機管理監答弁) Go To Eat加盟店へのゴールドステッカーの取得勧奨につきましては、加盟店にかかる認証店舗の情報を提供するなど、大阪観光局と連携しながら、本事業再開の際に、すべての加盟店がゴールドステッカーの認証を受けているよう、非認証店への取得勧奨を行うこととなっています。
    今後とも、庁内関係部局と連携してより多くの店舗にゴールドステッカーを取得していただくよう、普及啓発に取り組んでまいります。


    2. 大阪・関西万博

    (1)大屋根リング
    ・大屋根リングの木材利用について問う。
    (知事答弁) 大阪・関西万博を持続可能な万博としていくために基本計画では、会場整備において、温室効果ガスの排出抑制に取り組むとともに、リサイクル素材やリユース・リサイクル可能な部材を積極的に活用することとされています。
    大屋根リングについては、先日、万博の会場デザイン担当でもある藤本プロデューサーに私自身が直接お会いをして話させてもらった際に、プロデューサーの方から木材などの環境に配慮した資材について検討しているということもお聞きしたところです。
    今後、基本設計を行う中で検討されていくことになると思いますが、府としても、SDGsの達成に向けて、環境に配慮した資材が活用されるよう、協会に求めていきます。


    (2)大阪パビリオン
    ・大阪パビリオンにおけるカーボンニュートラルの取組みについて問う。
    (政策企画部長答弁) SDGs先進都市をめざす大阪府が、大阪パビリオンにおきまして、国内外から訪れる多くの来館者に対しまして、カーボンニュートラルなど環境負荷低減に向けた取組を発信することは、SDGsの達成に向け貢献していく上で、重要と考えております。
    このため、建築面における省エネルギー化や木材の活用、また運営面における再生可能エネルギーの導入といったカーボンニュートラルに資する取組みにつきまして検討を進めてまいります。
    さらには、出展企業と協力しながら、脱炭素社会に向け開発が進められておりますさまざまな技術につきましても、積極的な導入に努めてまいります。


    (3)教育プログラム
    ①府内における教育プログラムの取組みについて問う。
    (教育長答弁) 本プログラムにつきましては、昨年度、府内の小中学校14校が実践推進校として、「すべての命輝くSDGsアイデア」を考える探究学習を進めてまいりました。
    年度末に開催しましたジュニアEXPOにおきましては、中学生は、「万博会場でのごみの減量」や「世界から飢餓をなくす」などのアイデアについてプレゼンテーションを行い、小学生は、「地球温暖化」や「食品ロス」の解決などについてまとめましたポスターを作成し、中央図書館で展示をしたところでございます。
    これら実践推進校におきましては、万博への興味・関心やSDGsの達成等に向けて主体的に学ぶ意欲が高まり、「将来の夢や目標はありますか」というアンケート項目の肯定的回答が全国平均以上となったという効果もでております。
    今年度は、実践推進校を府内公立私立の小中学校併せて26校に広げますとともに、オンラインを活用しアイデアについて企業からのアドバイスも得ながら取り組んでいるところでございます。今年度の発表会は、関西圏の小中学校とともに実施することを予定をしております。


    ②教育プログラムの全国への展開・万博会場での発表機会について問う。
    (政策企画部長答弁) 博覧会協会が実施する教育プログラムにつきましては、先程教育長からご答弁されましたが、今年度対象地域を関西圏にまで拡大することになっております。
    さらに、協会におきまして、関西に留まらず全国への展開を検討していると聞いておりまして、本府としても、本プログラムのさらなる普及を図るため、引き続き協会の取組みに協力してまいります。
    また、本プログラムでの成果を万博会場で発表する機会を持つことは、学校現場で子どもたちの機運醸成にもつながることから、本府としては、発表や展示の場の提供につきまして、大阪パビリオンで検討するとともに、協会へも働きかけてまいります。


    (4)空飛ぶクルマ
    ・空飛ぶクルマの実現に向けた取組みについて問う。
    (商工労働部長答弁) 空飛ぶクルマは、これまでにない乗り物、輸送・運送の手段として、多様な場面での利活用が期待されており、府では、昨年11月に立ち上げた大阪ラウンドテーブルに、40を超える国内外の有力な企業・団体の参画を得て、実現に向け取り組んでいるところです。 空飛ぶクルマの機体は開発途上ですが、蓄電池による「電動」の垂直離着陸の機体、「eVTOL(イーブイトール)」が主流になると考えられ、府においてもこの機体を想定しています。
    今年度は、大阪での運航管理システムの検証、既存ヘリポートを活用した離発着場の実現可能性調査、社会受容性の向上を図る実証など、5件の実証実験を支援し、その成果を踏まえ、具体的な行動計画などを盛り込んだ「大阪版ロードマップ」を策定する予定です。
    そして、2025年の大阪・関西万博までに、「eVTOL (イーブイトール)」の飛行を現実のものとするため、取組みが加速するよう、国をはじめ関係機関と連携を密にし、進めてまいります。
    また、こうした取組みを、府内企業や府民と広く共有することが社会受容性を高めることにもなるため、今後のPRにも工夫を凝らし、空飛ぶクルマの利活用の期待や関心が高まるよう取り組んでまいります。


    (5)参加国との交流
    ・万博参加国と市町村との交流を深めることのできる仕組みを検討されたい。
    【要望】 2005年の「愛・地球博」の際、愛知県内の市町村が万博の公式参加国を地元として温かく迎え、地域ぐるみで万博を盛り上げる「一市町村一国フレンドシップ事業」というものがありました。当時の新聞記事を紐解くと、交流相手国のナショナルデー当日に人口1400人の村から300人が万博会場に駆け付けた、幼稚園児が相手国の愛唱歌に合わせてダンスを披露した、小中学校の給食に相手国の料理が出た、など多種多様で楽しい取組みにあふれていました。大阪・関西万博でもぜひ、関西の市町村と公式参加国の交流の機会を用意していただくよう、強く要望しておきます。


    3. 大阪の成長に向けた取組み

    (1)大型国際会議
    ・大型国際会議の誘致について問う。
    (政策企画部長答弁) 2025年大阪・関西万博に向けましては、現在、開催中のドバイ万博におきまして、大阪の歴史や文化、観光など大阪の魅力を広く世界に発信するプロモーション活動を行うなど、万博の周知に取り組んでいるところでございます。
    万博を成功に導くためには、ドバイ万博終了後も、あらゆる機会を通じまして、万博はじめ大阪・関西の魅力を世界に発信していくことが必要です。
    ご指摘の大型国際会議の開催は、万博をアピールする場として効果的と考えられることから、各部とも連携しながら、会議の誘致に向けて検討してまいります。


    ・国際会議の誘致に関する知事の見解を問う。
    (知事答弁) 各国の主要な要人が集まり、そして世界的な課題を議論するG7サミットは、大阪・関西が世界から注目され、2025年大阪・関西万博を国内外に広くアピールできる絶好の機会でもあると思います。
    サミットの誘致にあたっては、大阪・関西の成長・発展を加速させるために大阪がめざす国際金融都市と親和性の高い財務大臣会合や、G20大阪サミットで採択された大阪ブルー・オーシャン・ビジョンと関連する環境大臣会合などを誘致したいと考えています。
    G20サミットを開催をしました経験を活かして、経済界をはじめ関係機関と調整を図り、関係閣僚会議の誘致に向けて努力をしていきます。


    (2)スタートアップ支援
    ・スタートアップ支援について問う。
    (商工労働部長答弁) スタートアップは、新たな優れた技術で企業価値を高めようとするチャレンジングな企業であり、その中には社会課題の解決に貢献する意欲をもつスタートアップも少なくありません。
    2025年の大阪・関西万博では、開催コンセプトの「未来社会の実験場」が示すように、イノベーションの創出に取り組むスタートアップも開催の大きな力になると考えます。
    昨年、大阪においては、産学官連携のオール大阪のコンソーシアムが形成され、スタートアップの育成支援に向けたエコシステムの構築等、取組が進められています。
    なかでも大学の研究室は技術シーズの宝庫でもあり、スタートアップが多く生まれています。この流れを加速するため、今年度から、京阪神の自治体や大学を中心に、産学官の41機関が参画し、研究開発に向けた国の資金の獲得や人材育成を進めるプラットフォームを形成したところです。
    こうした取組みを活用しながら、スタートアップの支援・育成の推進組織でもある大阪産業局とも軌を一にし、社会課題の解決に寄与できるスタートアップ創出に意を用いてまいります。


    (3)スマートシニアライフ事業
    ・スマートシニアライフ事業について問う。
    (スマートシティ戦略部長答弁) スマートシニアライフ事業が高齢者に魅力的なサービスを提供し、様々な社会課題を解決していくうえで、スタートアップ企業は革新的なサービスの重要な担い手となると考えております。
    しかし、ご指摘のとおりスタートアップ企業には、優れたアイデアや技術があるものの、投資力に余裕のない企業が多いことも事実でございます。
    本府といたしましては、補助制度に加え、CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)やSIB(ソーシャル・インパクト・ボンド)などを提供する金融機関などに、本事業への理解を深めてもらい、参加に意欲的なスタートアップ企業に資金的支援の特別枠を設定してもらえるよう交渉を進めているところでございます。
    いずれにしましても大阪が、高齢者向けマーケット参入を目ざす様々なプレイヤーに注目され、「ヘルスケアで起業するならば大阪」、と言われるような場となることをめざしてまいります。


    (4)副首都ビジョン
    ・副首都ビジョンに係る市町村との連携について問う。
    (知事答弁) 副首都ビジョンは、策定から5年近く経過しており、この間、新型コロナウイルス感染症の影響をはじめ、大きく変化した社会情勢を踏まえ、副首都化へ向けた新たな羅針盤を示す時期に来ています。
    お示しのとおり、副首都・大阪の確立のためには、大阪府市だけではなくて、府内の市町村と共有できるオール大阪のビジョンにしていくことが重要です。
    こうした認識のもと、府内市町村の状況もしっかり把握しながら、幅広い意見をもとに、バージョンアップの検討を深めていきます。


    (5)国際金融都市
    ・国際金融都市について問う。
    (知事答弁) 新たな金融ビジネスが次々に生まれる国際金融都市をめざしていくためには、既存の枠組みにとらわれず、自由な発想で革新的な商品やサービスを生み出すことができる環境の整備が重要です。
    このため、9月に取りまとめた戦略骨子においても、規制やルールの枠に捉われず実証実験を行えるレギュラトリーサンドボックス制度を活用した取組みなど、規制の見直しを重点取組案として示したところです。
    現在、国内外のスタートアップがイノベーションを創出し、新たなビジネスを展開するために必要な内容やニーズについての調査を進めているところであり、その結果も踏まえ、必要な規制の見直しについて、経済界と連携してしっかりと国に働きかけてまいります。


    (6)未来医療国際拠点
    ・未来医療国際拠点の整備推進について問う。
    (商工労働部長答弁) 未来医療国際拠点の目的である再生医療をベースとした未来医療の提供と産業化を推進していくためには、医療技術の開発や実践のみならず、再生医療に対する社会の関心を高め、理解の促進を図ることが不可欠です。
    こうした認識に立ち、同拠点では、再生医療の「創造」「実践」と共に、情報発信や展示・体験などにより再生医療を広く知ってもらう「共有」の機能を整備する予定です。
    府としても、医療関係者、患者やそのご家族など、できるだけ多くの方に、再生医療の今と将来の可能性を知ってもらい、従来の医療では治療が困難であった疾患の克服に期待がもてる拠点であることを広く共有できることが重要と考えます。今後その具体化にあたりましては、未来医療推進機構、京都大学iPS細胞研究財団をはじめとする関係者と鋭意検討を進めてまいります。


    (7)水素産業振興
    ・水素産業振興の取組みについて問う。
    (商工労働部長答弁) 大阪府では、2016年3月にとりまとめた「H2Osakaビジョン」で示した方向性に沿って、水素エネルギーの利活用の拡大と機運醸成に取り組んでまいりました。
    このビジョンの実現に向け設置いたしました産学官からなる「H2Osakaビジョン推進会議」では、昨年8月に、「水素船」、「水素発電」、「再生可能エネルギーによる水素製造」など大阪・関西万博での水素の利活用やプロジェクトの提案を日本国際博覧会協会に対して行ったところです。
    これらの一部は、同協会が策定する「EXPO 2025グリーンビジョン」に盛り込まれ、国の公募事業にも採択されたところです。今後、万博での具体化をめざし、国や協会、推進会議のメンバーなどが一丸となり取組みを進めてまいります。
    府としては、これらプロジェクトに、一つずつ着実に取り組むことを通じ、将来の大阪の成長、燃料電池産業など関連産業のビジネスチャンスの拡大が図られるよう、取り組んでまいります。


    (8)雇用対策
    ・経済成長と連動した雇用対策について問う。
    (商工労働部長答弁) 大阪の雇用情勢を見ると、サービス業を中心に離職者が増える一方で、運輸や製造業などを中心に人材不足が続いています。また、社会のDX(デジタルトランスフォーメーション)の加速により、中小企業においても、DXを担う人材の確保が急務となるなど、円滑な労働力の移動と確保を図ることがこれからの課題と認識しています。
    この観点から、府では本年3月から、グーグルや日本マイクロソフトなどのIT企業など8社とパートナーズ協定を締結しました。そして若者にデジタルスキルなど、就職後に役に立つ技術や知識の基礎を身に付けた上で就職活動に臨んでもらう「リ・スキリング」を取り入れたマッチング事業を展開しています。これまで約1300名が研修を受講し、新たな就職につながりつつあります。
    この事業への参画企業も増えており、多彩な研修メニューを揃えることが、就職への選択肢を増やすことにもつながります。今月には、データサイエンス分野での実績がある滋賀大学との協定締結をめざしており、研修内容の拡充、サポート体制の強化など、引き続き、積極的に取り組んでまいります。
     大阪産業の成長を担う人材の育成は、雇用施策としても重要です。離職者に対する公共職業訓練や、大阪産業局と実施しているDX推進事業など、様々な取組みを連動させ、進めてまいります。


    (9)ZEB化の推進
    ・府有施設のZEB化の推進について問う。
    (環境農林水産部長答弁) 二酸化炭素排出量実質ゼロの実現に向けて、建築物におけるZEB化は非常に有効な方策であり、大規模排出事業者でもある本府が率先して取り組むことは重要と認識をしております。
    このため本年6月に、「府有施設ZEB化推進ワーキング」を立上げ、他の自治体における先進事例の調査・研究や、国、建築設計事務所へのヒアリングを精力的に行うなど、制度面、技術面での課題整理を行っているところです。
    ZEB化に向けましては、建設予算の確保等の課題がある一方で維持管理コストを含めたトータルコストの低減効果を踏まえつつ、建替え予定の施設についてモデル事業を検討するとともに、技術的な指針やルールづくりを進めてまいります。


    (10)脱炭素化の推進
    ①国の脱炭素化の動きに呼応した府の対応について問う。
    (環境農林水産部長答弁) 本年3月に策定をいたしました大阪府地球温暖化対策実行計画の削減目標は、当時の国の計画における省エネ促進や再生可能エネルギー導入等による削減見込み分のみならず、想定される国による追加の対策強化分も先取りして加え、さらに府独自の対策による削減見込み分を上乗せして40%と設定したものです。
    2050年実質ゼロに向けましては、今般の国の動きに呼応し、府としても脱炭素化の取組みを加速していくことが重要と認識をしております。
    今後は、新たな国の対策メニューも積極的に活用し、実行計画に掲げる削減目標を確実にかつ前倒しで達成できるよう、取組みを推進してまいります。


    ②府域全体における脱炭素化の推進について問う。
    (環境農林水産部長答弁) 府域の脱炭素化に向けましては、いち早く、実質ゼロを実現するモデルとなるエリアを創出し、さらにその取組みを府域全域に広げていくことが重要であると認識をしております。
    そのため、府では、今年度、府内の16市町村が参画する「おおさかゼロカーボンシティ連絡会」を立ち上げたところでございます。お示しの新たな交付金の積極的な活用により、市町村における脱炭素化の強力な推進を図るため、本連絡会などを通じ、国から入手した情報の迅速な提供のほか、事業計画の策定に向けた支援等を行っているところです。
    今後、国と連携・協力して、市町村へのサポートを一層進めるとともに、国の事業内容を十分に精査した上で、庁内全体の推進体制である温暖化対策推進会議等を通じて、本府自らも、その積極的な活用について検討してまいります。


    ③脱炭素化に向けた港湾の取組みについて問う。
    (大阪港湾局長答弁) 港湾におきましては、国内外貨物輸送等、海陸の結節点として、多くの船舶や大型車両の出入り、ターミナルでの荷役など物流活動が行われていることから、環境対策に取り組むことは重要と認識しております。
    このため大阪港湾局では、統合前の平成29年より、船舶の燃料を重油からCO2やNOx排出量の少ないLNGへの移行を検討する、「LNGバンカリング検討会」を実施しているところです。
    一方、国土交通省では、昨年度より脱炭素化に向けた検討が本格化し、カーボンニュートラルポート(CNP)形成の施策の方向性のとりまとめと計画策定マニュアルの作成を、年内目途に行う予定で、本年8月に、中間とりまとめが公表されたところでございます。
    このような動きを受けまして、現在、大阪港湾局では、港湾管理者と民間事業者等が連携し、中間取りまとめに示されているCNP形成計画を策定するため、港湾利用企業や立地企業等も参画する協議会を、年度内に設立するよう準備を進めております。今後、国の施策の方向性やマニュアルも視野に入れ、関係事業者等の協力を得て、速やかに検討を進められるよう取り組んでまいります。


    4.警察業務のデジタル化

    ①デジタル化の方向性について問う。
    (警察本部長答弁) 現在、社会全体でデジタル化の流れが急速に進んでおりまして、大阪府や国においても、デジタル化について積極的に取り組まれております。
    大阪府警察におきましてもデジタル化による府民の利便性の向上と警察業務の効率化を図るべく、令和2年12月に「大阪府警察デジタル化施策総合戦略推進委員会」を設置しまして、デジタル化推進に向けた取組対策を構築しているところであります。
    引き続き、関係機関と連携しつつ、デジタル化に向けた取組を積極的に進めてまいりたいと考えております。


    ②交番のオンライン化について問う。
    (警察本部長答弁) 交番のオンライン化とは、警察内部のネットワークに接続することによりまして、システムを用いた様々な業務を交番等において行うことを可能とするものであります。
    この交番のオンライン化は、府民サービスの向上や警察業務の効率化に大きく資するものでありまして、現在未整備の交番について、オンライン化を早急に行っていくことが喫緊の課題であると認識しております。
    現在、大阪府警察におきましては、府下の全交番及び駐在所647か所の約3割に当たる167か所においてオンライン化が既に実施済みでありますが、大阪府警察のデジタル化に向けた重要な施策の一つとして、この交番のオンライン化の更なる推進に向け取組みを進めてまいります。


    5.防災・減災の取組み

    (1)ため池
    ・ため池防災・減災対策の取組みの強化について問う。
    (環境農林水産部長答弁) 豪雨などの自然災害が頻発化・激甚化する中、開発された都市域がため池と近接する大阪におきましては、ため池の防災・減災対策を集中的かつ計画的に進めることが重要と認識をしております。
    そこで、ため池下流域における被害防止の早期実現に向け、限られた財源を効率的、効果的に活用するため、
    ・余水吐など防災上重要な施設に限定してハード事業の加速化
    ・事前の放流など池の水位低下を行い、洪水調節容量の拡大による下流被害の軽減
    ・デジタル技術等を活用した自動放流によるため池管理の省力化
    これらを、新たな方針として、さらなる対策の強化を検討しております。
    今後、数値目標をはじめ、優先度を踏まえた対策スケジュールを具体化し、今年度末までにため池防災・減災アクションプランの改定を行い、府民の安全・安心の確保を最優先に取り組んでまいります。


    (2)密集市街地
    ・密集市街地の解消に向けた取組みについて問う。
    (住宅まちづくり部長答弁) 事業の推進には地元住民の協力が不可欠であることから、これまでも、まちの燃え広がりにくさを示した防災性マップを活用するなど、住民理解を得ながら取組みを進めてきました。その結果、著しく危険な密集市街地を、令和2年度末までの7年間で2,248haの約55%にあたる 1,234ha解消したものの、今後、残り1,014haを確実に解消していくためには、住民理解をさらに深めることが重要と認識しています。
    このため、各市は、確実な解消に向け、GISを活用し延焼拡大の危険性を効果的に低減できる箇所を特定し、解消に必要となる事業量や事業内容を設定するとともに、燃え広がる範囲やその改善に向けた事業をわかりやすく示した「火災延焼の危険性・改善マップ」などを盛り込んだ整備アクションプログラムを昨年度末に策定し、現在、重点化した事業の推進方策について、府市が連携し、調整しているところです。
    今後は、重点化した事業を着実に進めるため、同マップを活用した所有者への個別訪問を行うなど、事業の必要性の理解をさらに深め、令和7年度末までに35%にあたる約790haを加え、9割を解消、令和12年度末までに全域解消を目指してまいります。


    (3)分譲マンションの管理・再生
    ・大阪府分譲マンション管理適正化及び再生円滑化基本計画(案)について問う。
    (住宅まちづくり部長答弁) 本年4月に有識者やマンション関連団体、マンション管理組合団体等で構成する大阪府マンション政策懇話会を設置しました。そこでいただいた様々な意見を踏まえ、8月に大阪府分譲マンション管理適正化及び再生円滑化基本計画(案)を公表したところで、今後、改正法の施行にあわせて策定する予定です。 この基本計画(案)では、地方公共団体の実態調査の必要性や、分譲時からの適切な管理の推進、その後の期間における維持保全面での管理組合の適切かつ自律的な運営の促進、建替え等の再生の円滑化の推進など、それぞれの時期に必要な施策を示しています。
    また、管理組合が適正に運営されているか、合理的な長期修繕計画が策定されているかなど、国が定めた管理計画認定制度の基準に、府独自基準としての耐震改修計画の作成や、防災対策の実施を追加で設定することにしており、災害への備えを促進していきたいと考えています。
    本府としてこのような考え方のもと、市のマンション管理適正化推進計画の指針となるようこの基本計画を策定するとともに、府、市町、専門家団体で構成する協議会において、各市だけでは対応できない場合に、専門家がサポートできるよう専門家団体との連携体制の充実を図るなど、積極的に各市を支援し、分譲マンションの管理適正化や再生の円滑化を推進してまいります。


    (4)地籍調査
    ・地籍調査の推進について問う。
    (環境農林水産部長答弁) 地籍調査は、土地の情報を明確化するものであり、災害からの早期復旧・復興にも資することから、迅速かつ円滑に実施していくことが重要と認識をしております。
    昨度の国土調査法等の改正では、官民境界のみの調査結果が地籍図として認められるほか、固定資産課税台帳等による所有者特定が可能となるなど、調査の効率化が図られました。
    このため、市町村に対し、これらの新たな調査手法の活用を働きかけるとともに、地籍調査の専門知識を有するマンパワーの不足に対応するため、地籍アドバイザーの利用や調査作業全般の民間委託を提案するなど、市町村の負担軽減を図り、早期に着手できるよう様々な支援を行っているところです。
    引き続き災害に強いまちづくりに資するよう、昨年策定いたしました「地籍調査促進戦略 2020」の重点目標である全ての市町村で調査実施に向けまして、より一層働きかけを進めてまいります。


    6.セーフティーネットの構築

    (1)性的マイノリティ
    ・性的マイノリティの理解増進に向けた取組みについて問う。
    (府民文化部長答弁) 性の多様性についての理解を深め、偏見や差別意識がなくなるよう、啓発をはじめ当事者が抱える様々な課題に対する取組みを進めていくことは重要であると考えております。
    このため、大阪府人権施策推進基本方針の変更案におきましても、性的マイノリティの人権問題は取り組むべき主要課題の一つとして新たに明記したところでございます。
    こうした認識のもと、本府では、性の多様性理解増進条例を踏まえ、性的マイノリティ当事者の方々が社会において自分らしく生きられるように、当事者に寄り添う取組みを進めてきたところでございます。
    具体的には、性的マイノリティの実際の声を広く社会に伝えるため、当事者が抱える悩み事をテーマとしたセミナーの開催や、パートナーであることを公に認めてほしいという当事者の思いに応えることを目的といたしました、「パートナーシップ宣誓証明制度」を実施しております。
    また、今般の基本方針の変更案に基づきまして、市町村や学校現場との連携・協力を深めるとともに、性の多様性に配慮した先進事例をもとに、民間企業や事業者団体への働きかけも行うこととしておるところでございます。
    今後とも、社会全体で性的マイノリティへの理解増進が進むよう努めてまいります。


    (2)児童虐待事案
    ・児童虐待事案の対応に係る体制整備について問う。
    (福祉部長答弁) まず、本日行われた点検・検証専門部会ですが、事案の概要の確認や今後の進め方などが議論され、来年1月までに提言の取りまとめをめざすこととされたところでございます。
    次に、児童虐待の対応等を適切に行うために、住民に身近な市町村の相談体制強化は非常に重要でございます。
    そのため、府では、市町村における専門性を有した人材の確保・育成のため、市町村職員が、専門職員として必要な知識、技術を取得するための研修や、子ども家庭センターでの受入れ研修を実施しております。また、各子ども家庭センターに、市町村支援担当児童福祉司を配置し、市町村の相談支援体制、専門性の強化を図っているところでございます。
    また、要保護児童等への切れ目のない支援を一体的、継続的に行うため、市町村における子ども家庭総合支援拠点の設置を促進しております。
    府内では、政令市を除く27市町村がすでに設置しており、今後、府内全市町村で設置がなされるよう、市町村の体制強化に向けて、引き続き取組みを進めてまいります。


    7.教育の振興

    (1)府立学校の再編整備
    ・府立学校の再編整備について問う。
    (教育長答弁) 再編整備に当たりましては、公立高校の基本的な役割は、全ての子どもに教育の機会を保障することであるとの認識のもと、高校進学を希望する中学生の受け皿となる府立高校を十分に確保しながら進めてまいりました。
    今回、募集停止校(案)としました島本高校と茨田高校は、3クラス規模で募集定員が未充足となっており、泉鳥取高校は、2クラス規模で募集定員が未充足になっていることに加えまして、同校生徒の主な出身行政区におけます今後の中学校の卒業者数の減少見込みが府全域と比較しましても大きい状況となっております。
    このような状況を踏まえまして、大阪府立学校条例第2条に規定する「改善する見込みがないと認められるもの」と判断をいたしました。
    阪南市からは、地域の生徒の就学機会確保のために、泉鳥取高校の存続を求める要望をいただいておりますけども、地域の中学校卒業者数の動向や公共交通機関の状況、周辺高校の設置状況を勘案した結果、募集停止をしたとしましても、就学機会は確保できるというふうに考えております。
    また、今回の再編整備(案)におきましては、募集停止とする3校の特色ある教育活動を他校に継承・発展させる「機能統合」を行い、教育内容の充実も図ることとしております。
    府立高校の再編整備計画(案)につきましては、これまでと同様に、議会でのご議論や関係者からの様々なご意見も踏まえまして、11月の教育委員会会議で最終決定をしたいというふうに考えております。


    (2)医療的ケア児の教育環境の充実
    ①医療的ケア児の実情に応じた看護師の配置について問う。
    (教育長答弁) 教育庁では、医療的ケアが必要な子どもたちが安心して学校生活を送ることができるよう、各学校の実情に応じて、看護師を配置してまいりました。
    10月1日現在で府立支援学校に通学をしている医療的ケアが必要な児童生徒436人に対しまして、看護師を112人配置をしておりまして、必要なケアは実施できているものと考えております。
    しかしながら、医療的ケアが必要な児童生徒の状況は様々であり、それに対応した看護師配置にあたっては、客観的な指標が設定されることが望ましいというふうに考えております。
    ご指摘のように新たな法律が施行されましたものの、学校におけます看護師配置の基準は示されておりません。法律上、国には施策を実施する責務もありますことから、国に対しまして、客観的な基準の設定とそれに対する十分な財政措置を求めていきたいと考えております。


    ②通学支援事業の改善について問う。
    (教育長答弁) 医療的ケア通学支援事業につきましては、本格スタートから1年が経過する中で、学校長を通じて、利用者の声の把握に努めており、これまでも利用に係る手続きをできるだけ簡素化する等の改善を図ってまいりました。
    今後、この事業を更に利用しやすいものとするために、利用を希望しているすべての保護者等を対象としたアンケートを実施することによりまして、保護者の声を丁寧に把握し、可能なものから順次、改善に着手をしていきたいと考えております。


    8.公的賃貸住宅

    (1)公的賃貸住宅のあり方
    ・公的賃貸住宅のあり方について問う。
    (住宅まちづくり部長答弁) 現在、日本は既に本格的な人口減少社会に入っています。大阪府においても、推計では、今後30年の間に約2割、人口の減少が進むとされており、セーフティネットとしての住宅を必要とする世帯についても、一定減少することが見込まれます。
    公的賃貸住宅は、住宅に困窮している世帯に対し、引き続きセーフティネットとして重要な役割を果たしていきますが、最低限の質を備えた低家賃の民間賃貸住宅が相当戸数、より府内一円に立地しており、随時入居が可能であるなどの利点もあることから、これら民間賃貸住宅も含めた住宅ストック全体を活用して府民の居住の安定の確保を図ることとし、取組みを進めています。
    公的賃貸住宅の中でも特に府営住宅は、今後一斉に更新時期を迎える高度経済成長期に建設した大量のストックへの対応が必要です。
    このうち需要の低い団地を中心に、再編・整備を通じ、管理戸数の適正化とともに、複数団地を建て替える場合の需要の高い団地への集約、またエレベーターや風呂設備の設置などの住宅性能を高める等、良質なストックへの更新を図っていきます。
    更に公的賃貸住宅全体では、各事業者が連携して、将来像を共有しながら、まちづくりに取り組む中で、同様に団地を再編・整備し、管理戸数の適正化を図ってまいります。そして、それにより創出される活用用地に、府内の各所においてすでに事例があるように、新たに高齢者や子育て支援の施設、店舗等の商業施設を導入するなど、入居者だけでなく、地域住民の暮らしを支えるような、状況に即した土地利用の転換を行う取組みをより一層進めることによって、地域の再生にもつなげていく所存です。


    (2)住宅セーフティーネット
    ・住宅セーフティーネットの確保について問う。
    (住宅まちづくり部長答弁) 大阪府では、これまで、民間賃貸住宅を活用した居住支援体制の充実に注力してきました。その結果、居住支援法人やセーフティネット住宅の登録数など、量的には全国トップレベルであると自負していますが、高齢者や障がい者など配慮が必要な方々がより円滑に入居できるよう、更なる取組みが必要と考えています。今後は、民間賃貸住宅がより一層活用されるよう、「大阪府居住安定確保計画」を新たに策定し、現在、豊中市及び岸和田市で設立されている市区町村単位の居住支援協議会が他でも設立されるよう働きかけるとともに、居住支援法人の活動支援などに引き続き取り組んでいきます。
    府営住宅については「ストック総合活用計画(案)」において、需要の低い団地を中心に、昭和50年代以前に建設した団地の再編・整備を通じて管理戸数の適正化、良質なストックの形成、まちづくりへの活用に一体的に取組むこととしています。築年数やバリアフリー化、設備などの住宅の性能等を踏まえ、今後10年間で取り組む事業量を設定し、これらの事業を通じ、市への移管による減少と併せ、10年後の管理戸数を10万5千戸と見通しています。
    現在、団地毎の事業方針を検討しており、事業の実施にあたっては、約9万5千戸の入居者はじめ地域の声も聞きながら、丁寧に進めてまいります。
    また、府営住宅をはじめとする公的賃貸住宅の将来必要戸数については、人口・世帯数の動向や、民間賃貸住宅を活用したセーフティネット機能の状況等を踏まえ、5年毎の計画の改定に合わせ、継続的に検証し、必要に応じ見直していきます。
    今後も、住宅確保に配慮を要する全ての府民が安心して住宅を確保できるよう、全てを民間賃貸住宅に委ねるということではなく、公的賃貸も併せた住宅ストック全体を活用して、居住の安定確保に向けた取組みをより一層進めてまいります。


    (3)府営住宅のエレベーター
    ・府営住宅中層エレベーター設置事業について問う。
    (住宅まちづくり部長答弁) 議員ご指摘のとおり、府営住宅の入居者は高齢者が多く、バリアフリー化は重要と認識しており、中層住棟へのエレベーター設置事業を順次進めていますが、様々な要因が重なり計画どおりに進捗していないのが現状です。
    設置事業の対象団地は、大量に建設された高度経済成長期のものが大半で、今後一斉に更新時期を迎えることへの対応が大きな課題となっており、今般のストック総合活用計画の改定にあたっては、エレベーター設置を含め事業の総点検を行うとともに、各団地の活用や事業方針を検討しているところです。
    具体的には、エレベーターが必要でまだ設置されていない団地を築年数で分け、昭和60年代以降に建設された団地についてはエレベーター設置事業を継続します。
    昭和50年代以前の団地は、集約や建替による再編整備の事業対象としますが、事業着手までに一定の年数を要する団地については、原則として、引き続きエレベーター設置を進めます。
    いずれの場合も入居者の状況等に応じた住替え促進も含め、計画的に入居者の利便性向上に取り組みます。
    これにより、中層エレベーター設置が必要となる総事業量を約1000基と見込み、原則、高齢世帯率の高い団地から順に着手し、令和12年度までの計画期間内に事業完了できるよう取り組んでまいります。


    9.都市魅力の創造

    (1)なにわ筋線
    ・なにわ筋線の整備について問う。
    (都市整備部長答弁) なにわ筋線は、現在進められている「うめきた地下駅」の整備とあわせ、関西国際空港と大阪・梅田間の所要時間が、約10分から20分短縮されるなど、新大阪や大阪都心部と関西国際空港や大阪南部地域とのアクセスを強化するとともに、大阪・梅田や中之島をはじめとする、沿線地域の拠点開発を促進させるなど、大阪・関西の成長に不可欠な路線と認識しています。
    2020年の認可取得以降、これまでに整備主体である関西高速鉄道株式会社が、用地交渉や鉄道の詳細設計、工事に関する説明会など、工事着手に向けた準備を進めており、今月中には、(仮称)中之島駅、西本町駅部において、本格的な工事に着手する予定となっております。 今後とも、2030年度末の開業に向け、関係者一丸となって、着実に取り組んでまいります。


    (2)新大阪駅周辺地域
    ・新大阪駅周辺地域の都市再生について問う。
    (住宅まちづくり部長答弁) 新大阪駅周辺地域では、日本における国際都市としての顔にふさわしい高い魅力を持った都市空間が必要であるとともに、そこで活動、滞在する人にとって居心地の良い空間形成を図ることが重要と認識しています。
    第5回協議会では、新大阪エリアにおける緑・オープンスペースや魅力ある商業・文化施設等、十三エリアにおける淀川の自然を活かした光・緑・水を感じる空間、淡路エリアにおける鉄道高架下も活用した賑わいやゆとりある空間といった、各エリアの機能集積のイメージをお示しするなど、来訪者や地元の方々にとっても魅力的な空間となるよう、まちづくりの検討を進めているところです。
    2025年の大阪・関西万博の開催時期が近づいていることも考慮すると、まちづくりの将来像を早期に示し、多くの方々と共有する必要があると認識しており、北陸新幹線等の駅位置は明らかにはなっていない状況ではありますが、可能な範囲でまちづくり方針を作成するなど、スピード感をもって取り組んでまいりたいと思います。


    (3)淀川流域
    ・淀川流域における賑わいづくりについて問う。
    (住宅まちづくり部長答弁) 淀川には、豊かな自然や様々な歴史文化資源があり、その魅力を活用した広域連携のまちづくりを進めることが重要と認識しており、地元市町や民間のまちづくり団体とともに、淀川沿川の魅力情報の発信や観光資源を活用した地域のイベント等に取組んでいます。
    お示しの新たに船着場が整備される淀川河川敷十三エリアにおいては、関係者で構成する当エリアの魅力向上協議会に本府も参画し、十三駅に近接した立地条件を活かした河川空間の賑わい創出に向けた検討を進めており、公募される市場調査の結果も踏まえ、今後の民間主体の事業成立性を見極めていきます。 また、淀川大堰閘門の整備については、国において大阪・関西万博までの完成に向け、今年度中の現地着手が予定されています。これら船着場と閘門の整備を契機に、舟運を活かした沿川の魅力あるまちづくりを実現するため、船着場周辺の賑わいづくりや安全な航路の確保等について関係機関等と協議を進めてまいります。


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