議会報告

  • 肥後洋一朗議員
    令和2年2月定例会 代表質問(肥後 洋一朗議員)要旨(令和2年3月3日)
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    1 新型コロナウイルス対策について問う。

    (知事答弁) 新型コロナウイルス感染症については、府民に対して正確な情報を提供し、不安を少しでも解消するとともに、一人ひとりに感染拡大を防ぐための行動をとってもらうことが重要であります。
    このため、私からのメッセージをホームページより発信するほか、府民に留意いただきたい事項などを、市町村・関係団体を通じて幅広く周知しており、今後も状況変化に応じて、タイムリーに情報を発信してまいりたいと思います。
    府民からの受診相談については、保健所に相談センターを設置する国の方針決定に先んじて、保健所を拠点とした相談体制をいち早く整え、専門的な医療機関につなぐ連携体制を構築したところであります。
    更に、府内医療機関からの患者対応に関する相談を受けるための専用電話相談窓口を府庁内に新たに設置したところです。
    現在、府内では感染が疑われる方を診療する医療機関が不足する事態は生じていませんが、今後、国内感染の進展に応じて、医療機関間の機能分担などについて、適宜、検討のうえ対策を講じ、万全を期していきたいと思います。
    それから、中小企業・小規模事業者への支援については、商工会議所等での相談窓口の設置とともに、全業種対象の1.2%固定金利の独自の融資制度を創設したところであります。
    また、ご指摘のセーフティネット保証については、国に対し、発動を要請し、3月2日の国の発動と同時に、府独自制度と同等の金利とし、中小企業にとって選択肢を広げるとともに、事業者に寄り添った丁寧な対応を金融機関に求めているところです。
    今後、中国国内の工場・商店の営業再開の遅れ等に伴い、製造業など幅広い業種への影響が見込まれますことから、経済団体等と連携のうえ、サプライチェーンの再整備といった課題についても状況の把握に努め、時機を逸することなく、国への要望や必要な支援を行いまして、中小企業の経営の維持・継続に努めてまいります。

    2 夢洲でのスーパーシティについて問う。

    (総務部長答弁) 夢洲では、「リゾート」と「シティ」の要素を融合させた空間の形成に加えまして、「安全・安心なまちの実現」、「円滑で利便性の高いサービスの提供」、「環境と共生した持続可能なまちの実現」によるICTなどを活用した「スマート」な取り組みによって、国際観光拠点機能の強化を図ることといたしておりますが、しかしながら、具体的な取組みとして検討が見込まれる「見守りカメラ」による犯罪防止、「キャッシュレス」による来訪者の利便性・快適性の向上、「空飛ぶクルマ」や「自動運転」の移動サービス、再生可能エネルギーを活用した環境との共生などの実現には、数多くの規制緩和措置が必要となります。
    スーパーシティでは、夢洲を含むエリアで大阪市との共同提案の準備を進めておりまして、これら規制緩和措置を伴う様々な分野の取り組みを同時に実装する「まるごと未来都市」の実現をめざしてまいります。

    3 万博特措法の改正について問う。

    (知事答弁) 大阪・関西万博を「未来社会の実験場」にふさわしい新たなチャレンジの実証そして、実装の場とするためには、従来の固定観念に捉われない、大胆な規制緩和が必要と認識しております。
    このため、私自身も、昨年10月に来阪された経済産業副大臣との面会の際にも、万博会場でいわゆる「空飛ぶクルマ」であったり「自動運転」などの取り組みが実現できるような規制緩和について、具体的な働きかけを行ってきたところでもあります。
    現在、博覧会協会では未来社会での実現したい具体的なアイデアの募集を行っており、今後、府としては、こうした先端技術の実験が可能となるように、スーパーシティへの採択や万博特措法の改正など必要な規制緩和措置を国に求めていきます。

    4 万博ビジョンの具体的な取組工程等について問う。

    (知事答弁) 万博ビジョンは、2025年大阪・関西万博のインパクトを最大限に活かして、世界の中で躍動し、成長し続ける「世界一ワクワクする都市・大阪」の実現に向けた都市づくりの方向性を明らかにするものです。
    こうした大阪を実現するためには、行政だけでなくあらゆるステークホルダーが
    ・ まず、2025年までに何をしていかなければならないか。
    ・ そして、万博開催時に、世界に何をアピールするのか。
    ・ さらには、万博ビジョンの目標年である2040年に向けて、万博のレガシーをどのように未来に活かしていくのか。
    そういったことを皆で共有し、一丸となって取り組んでいくことが必要だと思っています。
    来年度、「世界一ワクワクする都市・大阪」の実現に向けて、まずは、万博までの取組工程を検討して、この5年間で何をしていかなければならないか、何をしていくべきか明らかにしていきたいと思います。

    5 万博ビジョンを踏まえた次期成長戦略の策定について問う。

    (知事答弁) 万博ビジョンで掲げています、大阪を世界一ワクワクする都市大阪の実現のため、イノベーションが次々と起こって、世界に向けて新たな価値を発信しそして、成長し続ける大阪を創り出して行かなければならないと考えています。
    そのためには、2025年の万博そして、万博後の大阪の成長を見越した成長戦略のバージョンアップが必要です。
    先ずは、2021年度からの新たな成長戦略の策定に向けまして、これまでの重点分野や目標に対する成果と課題を検証していきます。
    そのうえで、万博の目指す、命・SDGsなど、世界に貢献する大阪という新たなる視点も加えて府市が中心になって、成長軌道をより高いレベルに引き上げるための次なる重点分野や成長目標の検討を進めていきます。

    6 万博来場者の関西各地への誘客促進について問う。

    (知事答弁) 大阪・関西万博の開催を機に、万博の来場者を関西各地に誘客し、経済の活性化につなげていくことは重要だと認識しています。
    現在、博覧会協会では、万博と各地のイベントの連携に向けた検討が行われていまして、関西広域連合においても、こうした動きを踏まえた協議を進めているところです。
    また、協会が先に行った、未来社会を実現するためのアイデア募集には、ICTなどの最先端の技術を活用し、関西各地への誘客や観光ビジネスの活性化につながる提案も民間等から寄せられているところです。
    引き続き、このような協会や民間等の動きも踏まえ、府としても、府内市町村や関西広域連合、各府県と連携しながら、それぞれの自治体が主体的に知恵を出し合うことによって、万博関連イベントが関西各地で展開されるように努めていきます。

    7 SDGsの推進について

    (7-① SDGsの推進について問う。)
    (政策企画部長答弁) SDGs未来都市の提案に向けましては、昨年秋から府内市町村と勉強会を重ねてまいりました。
    今般、大阪府と大阪市が共同で、これまでの未来都市提案では初めてとなる複数自治体での提案を行いました。
    また、府内では、府市を除き3つの市が提案されたと聞いています。
    大阪府市の提案では、現在策定中の「SDGsビジョン」を、将来の目指す姿に掲げ、万博開催都市として、「ゴール3の健康と福祉」などに重点的に取組むこととしています。
    このうち、全国展開が見込めるモデル事業として、「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を先導するプラスチックごみ対策を位置付けたところです。
    今後、ヒアリング審査などで説明を尽くし、未来都市の選定を勝ち取ることはもとより、次年度以降も、市町村にさらなる未来都市応募を働きかけ、SDGsの取組みを加速してまいります。

    (7-② SDGsに係る小中学校での取組みについて問う。)
    (教育長) 先ずはこの4月から、小学校で実施されます新しい学習指導要領が、その中で「持続可能な社会の創り手」を育成するため、各教科等でSDGsの学習を進めることと示されています。
    そこで府といたしまして、小中学生のためのSDGs学習プログラムを日本国際博覧会協会と協力して、開発を進めているところでありまして、来年度には、子どもたちが学習するための教材、ワークシート等をまとめまして、府内小中学校に提供するということにしております。
    本プログラムには、児童・生徒が探究的に学習できるように博覧会協会やSDGsに取り組んでいる企業等による学校への出前授業なども組み込むなど、より効果的なSDGsの学習を支援してまいりたいと存じます。

    (7-③ 大阪の子供たちを万博に招待するという、メッセージの発信について問う。)
    (知事) まさに、万博というのは、今はない未来社会世界の最先端の技術を結集して、今はない未来社会、将来の夢を結集することが、万博だという風に思っています。
    そして、将来の大阪を支える子供たちに是非、その万博の現場に行ってもらって、最先端の技術、そして、未来の社会というものを肌で体感してもらいたいと思います。
    あの、亡くなられた堺屋太一先生は、1970年万博を手掛けられた、今回の万博も手掛けられましたけれども、僕は聞いたことがあります。万博は一言で言って何ですかと聞いたところ、堺屋先生は、新たな時空間の提供だという風におっしゃっていました。説教じみたものでもダメだし、単なる展示会ではない新たな時空間、夢の提供だという風におっしゃっていました。
    是非、大阪の未来ある子どもたちには、その新たな時空間を体験してもらって、そして、次の大阪、日本を引っ張って行ってもらいたいと思います。
    そういった観点から、おおさかの子どもたちに、財源論の問題はあると思いますが、無料招待できるように、関係者と協議していきたいと思います。

    8 進行型災害にかかるタイムラインについて問う。

    (危機管理監) 台風等の進行型災害の発生に備え、台風が府域に上陸・最接近するまでの時間経過に応じてフェーズ毎の準備行動をまとめたタイムラインを作成することは、極めて重要と認識しています。
    昨年10月の台風19号の際には、迅速な応急対策ができますよう、全庁で事前の備えを行ったところでございます。
    具体的には、関西電力に対する非常用電源の準備要請、各施設における非常用電源の確認、工事現場等の安全確認、イベント中止の検討、府ホームページやツイッターによる府民への注意喚起などを行ったところでございます。
    現在、こうした取組みをもとに、台風が接近する時間経過に応じて各部局が取り組むべき行動をとりまとめたタイムラインを作成しておりまして、今年度内には完成し、運用を開始する予定といたしております。
    今後、訓練や実際の運用を通じて検証を行いますとともに、国や市町村に加え、ライフラインなどの防災関係機関と連携した取組みができるよう、より充実した内容に改善するなど、タイムラインの実効性を高めてまいります。

    9 就職氷河期世代への支援について問う。

    (9-① 就職氷河期世代への支援について問う。)
    (商工労働部長) 議員ご指摘のプラットフォームにつきましては、具体的な目標設定や大阪府をはじめ各構成団体の役割、ならびに社会機運の醸成、積極的な広報の実施等取組み内容を盛り込んだ事業実施計画が、この3月に決定されることになっております。
    今後、この計画の中で当該プラットフォーム主催で、企業と求職者のマッチングを図る就職面接会の開催などが予定されており、商工労働部としましてもOSAKAしごとフィールドにおいて、求職者の適性に応じたキャリアカウンセリングや、就職氷河期世代向けの就活セミナーなどプラットフォームと連携しながら引き続き実施してまいります。
    また、令和2年度からは内閣府の交付金を活用し、就職氷河期世代で現在無業の方々を掘り起こして就業につなげる「潜在求職者活躍支援プロジェクト事業」を実施し、職場体験などを通じて一人でも多くの就職につなげていきます。

    (9-②就職氷河期世代を対象とした職員の採用について問う。)
    (総務部長) 今回の職員採用は、当該世代への支援の重要性を踏まえ、学卒時に雇用環境が厳しく、希望する就職ができなかった就職氷河期世代の方々が、これまでの様々な経験を通じて培ってこられた能力を大阪府で発揮していただくことを目的に実施するものです。
    まずは来年度に試験を実施することとしているが、単年度の取組みにとどまらず、以後も、国の「3年間集中的に取り組む」という方針も踏まえつつ、民間企業等の機運醸成につながるよう、しっかりと取り組んでまいります。

    10 女性の就業支援について問う。

    (商工労働部長) 女性の身近な地域での就職希望に応えるためには、市町村のきめ細やかな支援が有効と考えられます。
    そこで、府内43市町村における女性の就業支援の状況について調査しましたところ、取組状況に差があることがわかりました。
    そのため、商工労働部では、具体的な取組みが進んでいない市町村に対して、先進事例の紹介等を通じてノウハウを提供していくとともに、市町村における支援が充実するよう、ハローワークとの市町村の連携についても、大阪労働局に対し働きかけていきます。
    また、女性に特化した就業支援窓口を設置する等、取組みの進んでいる市町村の有用な女性の就業支援情報を集約し、働く意欲のある女性に広く活用されるよう、OSAKAしごとフィールドのホームページで発信していきます。
    さらに来年度は、セミナー等のWEB配信の更なる充実を始め、OSAKAしごとフィールドにおけるSNSでの対応など、ICTの一層の活用により、女性の就業支援に取り組んでいきます。

    11 未来医療国際拠点について問う。

    (商工労働部長) 昨年11月に、拠点の運営を担う一般財団法人未来医療推進機構を民間企業とともに設立し、12月には大阪市、優先交渉権者、機構、大阪府の四者にて、施設整備・運営に関する基本合意書を締結しました。
    また、本年1月には、大阪市により、施設整備を行う開発事業者が決定されました。
    さらに、2月17日から機構において、診療所・高度健診センターの入居者募集が開始され、来年度、府では、再生医療の産業化に必要不可欠な細胞・組織の安定供給システムの検討を行うこととしており、拠点の実現に向けて、関係者が一丸となって着実に取り組んでおります。
    今後、機構が検討を開始します本拠点に必要な機能などについて、行政的にサポートしながら、国に対しても必要な支援を求め、中之島における最先端医療の産業化モデルを実現し、その成果を2025年大阪・関西万博で世界に向け発信していきたいと思っています。

    12 実証実験の支援について問う。

    (商工労働部長) これまで、実証事業推進チーム大阪では、議員ご指摘の次世代モビリティサービスをはじめ、中之島図書館周辺の歩道での移動ロボットの自律走行、府管理河川での建物浸水検知センサーの動作確認など、合計15件の実証実験に対し実証フィールドの調査・調整等の支援を実施してまいりました。
    「未来社会の実験場」をコンセプトとする大阪・関西万博を見据え、革新的な実証実験を希望する企業を、国内外から呼び込み、いち早く新たなビジネスが創出されるよう、来年度も引き続き「実証事業推進チーム大阪」の枠組みで適切な実証フィールドの調整、大阪府の実証実験補助金等による支援を行っていきます。
    また、実証実験の実施企業と、優れた技術を有する府内中小企業等との間の技術マッチングにも取り組み、企業のビジネス拡大に繋げていきたいと思っています。

    13 大阪ブルー・オーシャン・ビジョン実現に向けての取組みについて問う。

    (環境農林水産部長) 「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」の実現に貢献するため、府域だけでなく、広域的にプラスチックごみのさらなる削減に取り組むとともに、万博開催地としてふさわしいイノベーションを世界に向けて発信していくことが重要と認識しております。
    このため、マイボトルやマイバッグの普及モデル事業に取り組むとともに、瀬戸内海沿岸自治体と連携した海洋プラスチックごみ問題の啓発や関西広域連合におけるプラスチックごみの散乱状況の評価手法の検討など、近隣府県市とも連携して取り組んでまいります。
    さらに、万博開催を見据え、有識者、国、事業者と連携し、新たに代替プラスチック等の環境先進技術シーズの調査を行った上で、アジア諸国のプラスチックごみ対策強化にもつながる技術イノベーションの加速化に向けた取組みを支援し、ビジョンの達成に貢献してまいります。

    14 食文化の継承をめざした食博の開催について問う。

    (環境農林水産部長) 大阪で育まれてきた食文化を継承することは重要と認識しており、これまでもなにわの伝統野菜の認証や割烹体験などに取り組んできたところです。
    来年度は、さらに、慣れ親しんだ伝統的な食文化を体験できる事業を実施することとしております。
    また、令和3年度が第10回目の開催となる食博覧会・大阪は、「食べる、笑う、生きる」をテーマとした、食に関する国際文化交流の祭典であり、万博のメインテーマにもつながる意義の深い大会と認識しております。
    そのため、2025年大阪・関西万博も見据え、大阪外食産業協会など関係者と連携しながら、食博覧会・大阪での工夫をこらした大阪の食文化の発信に努めてまいります。

    15 災害時の自立型電源の普及拡大について問う。

    (環境農林水産部長) 太陽光発電と蓄電池を併せての普及拡大は、地球温暖化対策はもとより、災害時における電源の確保の観点からも、極めて重要と認識しております。
    このため、設置に際して初期の費用負担を軽減するための低利ソーラークレジット事業や優良な販売店等を紹介する登録制度において、これまでの太陽光発電に加え、今年度から新たに蓄電池も対象にしたところです。
    また、来年度から、スケールメリットを活かし購入費用の低減を図ることにより、設置を後押しするため、府民の共同購入を支援する事業を開始することとしました。
    蓄電池の活用は、国の固定価格買取期間満了後、いわゆる「卒FIT」の対策として、引き続き太陽光発電を続けていただくためにも有効であることから、今後も太陽光発電とセットにした普及拡大にしっかりと取り組んでいまいります。

    16 気候変動対策について問う。

    (知事) 記録的な豪雨や災害並みの猛暑から府民の生命・財産を守るためには、更なる気候変動対策を実施することが重要だと認識しています。
    SDGs先進都市をめざす大阪としては、来年度に改定する「地球温暖化対策実行計画」において、より効果的な対策や新たな数値目標を掲げ、府民、事業者、NPOなど、あらゆる主体と連携し、しっかりと取り組んでまいります。

    17 若年がん患者の妊孕性・生殖機能の温存治療に対する助成制度について問う。

    (健康医療部長答弁) 妊孕性等温存治療につきましては実施状況等について、「大阪がん・生殖医療ネットワーク」とも連携し、がん拠点病院やクリニック等、府内102の医療機関を対象に調査を行いました。現時点で約8割から回答を得ているところです。
    この結果、17医療機関において温存治療が可能であり、昨年、12機関で76人の方が温存治療を受けていました。
    一方で、温存治療を断念された患者もおられ、その理由として多いのは、「がん治療の優先」や「患者の体力の問題」でありましたが、一部に、「採取費用」を理由としてあげられた方もいました。
    今後、生殖医療やがん治療に携わる医療従事者やがん患者を対象とした調査を予定しており、その調査結果等を踏まえて、妊孕性等の温存に対する支援のあり方について、しっかりと検討してまいります。

    (知事答弁) がん治療を受けながら将来子どもを持ちたいと願う患者が、子どもを持つ機会を失わないように、また、希望をもって治療に専念するためにも、妊孕性・生殖機能の温存は切実な課題のひとつであると認識しております。
    こうした認識の下、妊孕性等の温存に対する支援のあり方について検討してまいります。

    18 不妊対策について問う。

    (健康医療部長答弁) 不妊検査や一般不妊治療に対する助成につきましては、来年度から福祉部と連携して「新子育て支援交付金」の新たなメニューに加えることとしており、市町村には、このメニューを是非活用してもらえるよう、積極的な周知に努めてまいります。
    また、府としては、治療費が高額である特定不妊治療に関して、治療を受けられる方の経済的負担について支援するとともに、「大阪府不妊専門相談センター」の相談事業の充実や、新たに不妊に関する知識をわかりやすくお知らせする電子版パンフレットのホームページ掲載など、今後も不妊対策の充実に努めてまいります。

    19 幼児教育・保育の質の向上について問う。

    (福祉部長答弁) 保育人材の状況について、府内に勤務する保育士数は、年々増加しているものの、施設整備等も進められている中、保育人材確保は依然として厳しい状況にあると認識しています。
    このため、保育の受け皿拡大に伴う保育人材確保のため、特区を活用した地域限定保育士試験の実施や、職場体験など潜在保育士の現場復帰を促す保育士・保育所支援センター事業も実施しているところです。
    今後とも、こうした取組みを継続することにより、保育施設への就業促進を一層図ってまいります。
    また、幼児教育・保育の無償化開始後の市町村の取組状況については、次年度中に把握してまいります。

    (教育長答弁) 府教育庁では、平成30年度に幼児教育センターを設置し、幼児教育に関わる教職員研修を実施しています。
    また、昨年度末で370名の幼児教育アドバイザーの育成・認定をし、各幼稚園、保育園、認定こども園、認可外保育施設などで、研修や人材育成に関して、リーダー的役割を担っていただいております。
    認定後も、ファシリテーション能力を高めるスキルアップ研修の実施や、アドバイザーが実施する園内研修等に府からの指導者を派遣し、直接助言を行うなどの支援を行っておりまして、今年度は、スキルアップ研修を5回、指導者の派遣を71回実施いたしました。
    研修の参加者や派遣先の園長等から、これまで以上に保育内容や園内研修が充実したとの評価を得ています。
    今後とも、幼児教育センターの機能充実を図り、一層の人材育成の充実を図ってまいります。

    20 幼児教育・保育の無償化について問う。

    (知事答弁) 幼児教育・保育の無償化は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要性や、負担軽減を図る少子化対策の観点などから、昨年10月より実施されているものです。
    ご提案につきましては、こうした制度の趣旨からいずれも重要なものではありますが、0~2歳児へのさらなる支援の拡充については、経年に渡り多額の経費を要する単独事業となりますことから、慎重な議論が必要と考えています。
    また、保育人材の確保については、新卒者の採用を含め、若年層の確保は重要であると認識しておりまして、他自治体における奨学金の助成制度なども参考に、人材の確保を推進してまいります。

    21 介護人材の確保について問う。

    (知事答弁) 介護人材の確保につきましては、地域医療介護総合確保基金を活用して、「参入促進」「労働環境・処遇の改善」「資質の向上」の3つのアプローチで取り組んでいるところです。
    現在、介護福祉士養成施設等の学生向けに、修学に必要な費用を貸し付け、卒業後5年間府内で従事した場合には、その返済を免除する「介護福祉士修学資金等貸付事業」等により、介護福祉士の確保と定着を図っているところであります。
    新卒者の採用を含めて、若年層の確保は重要であると認識しておりまして、若者の人材確保の一手法である東京都の取り組みなども参考に、若者も含めた介護人材の確保を推進してまいります。

    22 児童虐待防止のための取組について問う。

    (福祉部長) まず、児童虐待防止体制の強化についてですが、児童福祉司の増員をはじめ、警察との全件情報共有や急増する一時保護への対応強化など、子ども家庭センターの体制・機能強化を進めてまいります。
    また、市町村における、児童虐待の未然防止等の役割を担う「子ども家庭総合支援拠点」の設置促進や、今年度初めて行った、児童相談所・警察・市区町村による合同研修を、より効果的に継続・実施しするなど、市町村や関係機関と緊密に連携しながら、取り組んでまいります。
    次に、民間と連携した取組みについて、子ども家庭センターでは、これまでも、子育て支援に実績のあるNPO法人への安全確認業務委託や、専門性の高い民間の保護者支援プログラムを活用した虐待の再発防止などに取組んできたところであり、来年度には、民間も活用したラインによる相談の試行実施実施する予定です。
    今後とも、公民連携でノウハウの蓄積をはかりながら、それぞれの強みを生かし、社会全体で児童虐待防止に取り組んでまいります。

    23 SACHICOに対する医療費助成について問う。

    (危機管理監答弁) 性犯罪被害に係る医療費につきましては、性犯罪の潜在化や被害の継続化を防止する観点から、警察公費による負担で対応することを基本としていましたが、議員お示しのとおり、警察に相談できず、その結果、警察公費による医療費負担の措置を受けることができない被害者の方が、昨今増加しているのが実情でございます。
    こうした実情を踏まえまして、SACHICOが負担している医療費に対する補助を来年度から実施することとし、必要な予算を計上し今議会で、ご審議をお願いしているところでございます。引き続き、SACHICOと連携して性犯罪被害者に寄り添った支援を行ってまいります。

    24 府立福祉情報コミュニケーションセンターについて問う。

    (福祉部長答弁) 福祉情報コミュニケーションセンターは、専門性の高い意思疎通支援者の養成・派遣、関係機関と連携した相談支援のほか、手話言語条例に基づく施策などを実施する重要な拠点となるものです。
    聴覚障がい児支援に関しては、聴覚に障がいのあることがわかった乳幼児に係る相談支援や関係機関へのつなぎ、手話の獲得支援を担う専門人材の派遣など、一貫した取組みを行ってまいります。
    これらの機能を発揮するためには、福祉・保健医療・教育等の関係機関とのさらなる連携強化が重要であり、国の示す聴覚障がい児支援の中核機能を担う施設として、取り組みを進めてまいります。

    25 医療的ケア児の通学支援について問う。

    (教育長答弁) 医療的ケア児の通学支援につきましては、本年度のモデル事業を通じまして、対象児童生徒の登校時の状況を把握し、通学時における車内での安全な医療的ケアの実施等について検証を行いました。
    学習機会の拡充や保護者の負担軽減が図られたものと考えています。
    次年度の、本格実施にあたっては、対象となる全ての児童生徒の保護者に対しまして、事業の趣旨や内容、手続き等について、まずは、説明会を開催いたしますとともに、関係機関への協力を要請するなど、周知に向けた取組みをできるだけ丁寧に行い、事業の活用につなげてまいりたいと考えております。

    26 日本語指導推進事業について問う。

    (教育長答弁) 近年増加傾向にある、新しく日本に来た外国籍の児童生徒や日本語指導が必要な児童生徒の支援は、対応すべき重要な課題と認識しております。
    現在、府域の小中学校に対して、日本語指導スーパーバイザーを派遣し、教材や指導方法、児童生徒が安心して学べる環境づくりに関するアドバイスを行っているところです。
    加えて、来年度から、学校生活全般の支援や学習面のサポートを行うため、外国人児童生徒支援員を地域ごとに配置をいたします。
    また、政令市を除く府内6校すべての夜間中学にも、生徒に日本語を教えたり、授業中に学習補助を行ったりする日本語指導支援員を配置いたします。
    これらの取組みによりまして、大阪の全ての子どもに対する学びと育ちを支援してまいるように考えています。

    27 日本語指導が必要な高校生への支援について問う。

    (教育長答弁) 府立高校の現場におきましては、日本語指導が必要な生徒、府立高校44校に381名が在籍しておりまして、こうした学校に対しまして、母語を理解する教育サポーターを派遣し、学習支援や日本語指導・相談などを行っています。
    急速な外国人労働者の増加に伴いまして、ご指摘のとおり様々な生活環境を有する子どもたちが増えてまいりますことから、
    来年度、教員がより理解を深めきめ細やかな支援ができますよう、帰国当事者に携わっている専門家を招いて、教員研修の充実をさせたいと考えています。
    また、現在、スクールソーシャルワーカーが配置されていない府立学校におきましても、今後、必要に応じて柔軟な活用が可能となりますように、府全体で効果的な運用に努めてまいりたいと考えています。
    加えて、府立学校スマートスクール構想の一環といたしましてICTを活用し、遠隔授業を実施することによりまして、母語指導の実績がある学校の授業を他の学校の生徒に発信をするというモデル事業に取り組みたいと考えています。

    28 府立学校スマートスクール推進事業の取組みスピーキングツールの開発について問う。

    (教育長答弁) グローバル化の進展に伴いまして、英語の重要性が増々増加しています。
    大阪の高校生の英語力は全般的には向上しているものの、「英語を話す力」については依然として課題があるという認識であります。
    府立学校に、スマートスクール構想の一環として、来年度、パソコンやタブレットで「英語スピーキング力」を測るソフトを開発し、モデル的に活用する取組みを実施したいと考えています。
    このソフトは、これまでの資格・検定試験では測ることが困難であった日常生活における基礎的な英語スピーキング力を測定することが可能となります。
    具体的には、授業中に、生徒の発話を瞬時に採点し、評価するとともに、さらに、過去のデータを確認することで、生徒は自身の伸びを実感し、より意欲的に学習に取組むことが可能となると考えています。
    また、教員にとりましても、いっそう効果的・効率的な授業展開に繋げることが期待できると考えています。

    29 新大学開学に向けた広報の取組みについて問う。

    (府民文化部長答弁) 多くの優秀な学生を呼び込むため、新大学を広くPRしていくことは重要と認識しており、そのため、府としては来年度、新大学の広報のための予算を計上しております。
    PR内容につきましては、大学法人において、直ちに新大学のウェブサイトを立ち上げるとともに、パンフレットなどを製作して、広く情報発信を行っていくこととしています。
    さらに、オープンキャンパスや進学ガイダンス等の場を通じ、新大学の教育内容や入試科目等の各種情報について、直接、学生に説明を行っていくとともに、各高校へも個別訪問などを行いまして、新大学の魅力を学生にしっかりとPRしていくこととしています。

    30 新大学における人材の確保について問う。

    (府民文化部長答弁) 大阪府・大阪市・大学法人の3者で作成した「新大学基本構想」においては、しっかりとしたガバナンスのもと、新大学での優秀な人材の確保に向けて取り組んでいくこととしています。
    具体的には、国内外の優秀な若手教員の積極的な登用を進めるとともに、研究者が、複数の機関に従事できる「クロスアポイントメント制度」を活用して、他の大学や、公的研究機関から、研究者を招聘し、新大学の教育・研究にも従事していただくなど、優秀な人材の確保に努めていくこととしています。

    31 大阪府立大学等の無償化について問う。

    (知事答弁) 基本的な考え方として、家庭の経済格差、親の収入格差、それが、できるだけ教育格差につながらないようにして行きたい、未来を担う子どもたちの教育は無償であるべき、というのが私の基本的な考え方です。
    資本主義社会ですので、完全にやるというのは難しいかも知れませんが、大きな理念、方向性として、その考え方を持っています。
    現実的に見れば、財源論や様々な現実的課題がありますが、私は目指すべき日本の大きな方向性だと信じて政策を進めているところです。
    これまで、大阪府においては、全国トップレベルの私立高校の授業料無償化を実施してきたところであります。
    また、大阪市においては、私が市長時代にやりました、国に先駆けた幼児教育無償化などを進めてまいりました。
    加えまして、御党が強く働き掛けた結果、全国での私立学校の就学支援制度の拡充というのが、今般、実現されてきたところでもあります。
    この財源を活用させていただいて、府大・市大を対象に、いわゆる大阪府・大阪市、大阪の公立大学を対象として、国の高等教育への就学支援制度よりも幅広い世帯の学生を対象にしました授業料等の無償化を実施することにしました。
    こうしたことにより、大阪の子ども達が家庭の事情、個別事情、経済事情等によって進学を諦めることなく、自らの可能性を追求できる、新たな選択肢を提案することができたと思っています。
    この取組がひいては、将来的には国の高等教育の支援制度の拡充にもつながっていくものと期待しています。

    32 鉄道駅、ホテルのバリアフリー化について問う。

    (住宅まちづくり部長答弁) 鉄道駅やホテルの更なるバリアフリー化については、ユニバーサルデザインの視点に立ち、誰もが安心して移動や宿泊ができるよう、施設のバリアフリー化とその情報の公表を促進していくことが重要と認識しています。
    鉄道駅については、バリアフリールートの複数化や乗換えルートのバリアフリー化とともに、エレベーターの複数化・大型化等の鉄道駅のバリアフリー化を促進するため、「促進方針」の策定や補助制度の拡充を行い、取組んでいきます。
    また、ホテル等については、今議会において、福祉のまちづくり条例の改正の審議をお願いしているところであり、新築については全ての一般客室のバリアフリー化とその情報の公表を義務付けるとともに、努力義務となる既存ホテルについても、府としてバリアフリー状況を調査し、その情報を元に公表を促し、改修が必要な場合は専門家による助言を行います。
    今後、鉄道事業者やホテル事業者に補助制度や条例改正の内容の周知を図り、鉄道駅とホテルの更なるバリアフリー化に全力で取り組んでまいります。

    33 治水のハード整備について問う。

    (都市整備部長答弁) 府民の安心・安全を確保するため、治水対策としてソフト施策も行いながら、寝屋川地下河川などのハード整備を進めることが非常に重要と認識しています。
    大阪府としては、国の3か年緊急対策などを活用し、地下河川や安威川ダムの整備、河道掘削、河川の改修などを行っており、更に国の補正予算を活用して対策を進めようとしているところです。
    また、昨年の災害を受け、国においては、防災・減災を強力に推進する方針が示されるとともに、集中的に実施する31の「治水リーディングプロジェクト」として、寝屋川北部地下河川や安威川ダムが位置付けられました。
    三大水門については、緊急性の高い木津川水門の更新にあたり、将来の気候変動にも対応するため、学識経験者による「大阪府河川構造物等審議会」において、国の検討も踏まえ、海面水位の上昇や、強大化する台風の影響を考慮した、設計条件の設定を進めているところです。
    また、水門の更新した後に、新たな知見により気候変動の影響が更に大きくなった場合にも対応出来るような構造上の工夫も検討しています。
    引き続き、国の経済対策などの様々な機会を捉え、治水対策を着実に進めてまいります。

    34 府営住宅入居者の地位承継制度について問う。

    (住宅まちづくり部長答弁) 府営住宅の地位承継制度については、平成16年度の議会での議論を経て、入居者と非入居者間の公平性の確保や公募の原則との均衡を図る観点から、平成19年に、承継を認める範囲を配偶者や高齢者など、特に居住の安定を図る必要がある方々に限定したところです。
    制度改正以降、府営住宅では高齢化率が平成31年度当初で43.7%と、急速に高齢化が進むなど、改正当時に想定していなかった状況の変化もみられることに加えて、社会的に自立が困難であるにもかかわらず、制度上地位承継を認めることができない場合があり、地位承継制度のあり方について検討が必要な時期に差しかかっているものと認識しています。
    このため、地位承継制度を厳格化した際の理念は継承しつつ、この間の状況変化も踏まえ、制度の一部見直しについて検討してまいります。

    35 府営住宅中層エレベーター設置事業の今後の取り組みについて問う。

    (住宅まちづくり部長答弁) 中層府営住宅へのエレベーター設置事業は、入居者の高齢化の進行などを踏まえ利便性の向上をはかるため、設置可能な全ての階段を対象に設置を進めているものであり、当事業を早期に進めることは大変重要と認識しています。
    そのため、本府ではストック総合活用計画において10年間2650基の目標を定め事業を進めているところですが、国費の配分が低くなった年の影響もあり、これまで着工数は、4年間で446基と目標の2割に満たないものとなっています。
    今後、目標を実現するために、まずは来年度予定している300基の着工に向け、事業を着実に進めるとともに、国費の確保や発注時期、発注規模の工夫に努め、エレベーター設置に取り組んでまいります。

    36 防犯アプリについて問う。

    (警察本部長) ご指摘の通り、地域の安全を確保するためには、地域の方々における防犯意識の向上や自主防犯活動が重要であり、そのためには、地域の方々に対するタイムリーな関係情報の提供が効果的であります。
    こうした観点から、来年度予算案に、スマートフォン用の防犯アプリケーションソフトの制作に要する経費を盛り込み、年度内に、これを活用した犯罪防止のための情報提供を行い、府民にご利用いただくことを検討しているところです。
    この防犯アプリシステムの機能としては、例えば、
    ・ 地域の犯罪発生の状況を判りやすく地図上に表示する「犯罪発生マップ」
    ・ 周辺地域における特殊詐欺、街頭犯罪等の発生情報の提供
    ・ 子どもに対する声かけ事案等の発生情報の提供
    ・ 防犯のため具体的に気を付けていただきたい事項に関する情報の提供
    ・ 防犯ブザーの機能
    などを検討しているところです。
    引き続き、充実した機能となるよう検討を進めるとともに、運用に際しては、より多くの、また、幅広い世代の方々にご活用いただくことができるよう、大阪府警察ホームページ、安まちメール等への掲載、報道各社に対する情報提供、SNSの活用、自治体、学校、事業者、関係機関・団体等への働きかけなどに努めてまいりたいと考えております。

    37 府移管施設における市民優遇措置の府民への拡大について問う。

    (知事答弁) 特別区設置協定書(案)に記載しています事務の承継方針を踏まえまして、府に移管される博物館、美術館、動物園などの文化・集客施設で、65歳以上の高齢者や小中学生の入場料の減免といった、現在の大阪市民優遇措置が設けられているものについては、特別区民にも継続されることになります。
    住民投票において可決され、そして、これがもし府立施設として移管されることとなれば、特別区民と他の大阪府民との間で扱いが異なるということは不合理と考えられるため、住民サービスの維持と公平性の確保の観点から、こうした優遇措置について、府民へ拡大する方向で検討したいと思います。

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