議会報告

  • 藤村昌隆議員
    令和2年9月議会(後半) 代表質問(藤村 昌隆議員)要旨(令和2年11月30日)
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    1 新型コロナウイルス感染症対策

    (1)営業時間の短縮等、経済活動の制限
    ①時短要請等の実施について問う。
    (知事答弁) 新型コロナウイルス感染症については、急激な感染拡大が続き、病床がひっ迫する中、感染拡大を防ぐためのブレーキをかける必要があります。まさにその時期だというふうに思っています。
    このため、感染リスクが高いとされる飲酒を伴う懇親会等でのリスクを抑制するために、酒類の提供を行う飲食店等に対し、休業・営業時間短縮要請を行うこととしました。
    また、対象区域については、人口10万人あたりの新規感染者数が大阪府の他地域と比べて2倍以上となっている大阪市からの意見を最大限尊重し、主要ターミナル駅を抱え、飲食店が集積し、府内全域から多くの人が集まる北区、中央区の区域を対象としました。
    酒類の提供を行う飲食店等においては、厳しい状況の中、さらに厳しいお願いをすることになりますが、この感染拡大期を社会全体で抑えていくことが重要であり、ご理解とご協力をお願いしたいと思います。
    時短要請の期間につきましては、12月11までの15日間と設定をいたしました。この期間に短期で集中をして、何とか感染拡大を抑止してまいりたいと思います。現時点においては、12月11日までの15日間というふうに考えております。
    ただ、どうしても感染というのは誰にも予測はできないですし、感染状況を見ながら判断ということに当然最終的にはなってこようと思いますが、12月11日まで15日間、短期で集中してこの感染拡大を抑えていきたいと思っています。


    ②十分な補償・感染防止対策に対する支援・資金繰り対策の必要性について問う。
    (知事答弁) 冬の期間は、外気による室温低下を避けるために、換気が不十分になる傾向にあります。
    そして、感染リスクが高まるという傾向にあります。換気や保湿等の感染防止対策が進むことが重要です。CO2センサーなどは、飲食店などに設置が奨励されておりまして、1台数千円の安価な機種もありますことから、換気状況を確認する有効なツールとして活用されるよう周知に努めてまいります。
    新型コロナウイルス感染症の感染拡大にブレーキをかけるため、飲食店等への営業時間短縮の要請に応じていただいた事業者に1店舗あたり50万円の協力金を支給することとしました。支給は大阪市が行いますが、大阪市と連携して1日でも早く支給できるよう取り組んでまいります
    さらに、年末を迎える事業者の資金繰りにも留意をいたしまして、保証協会・金融機関と連携し、できるだけ迅速な資金供給に取り組んでいきます。
    これらの取組を実施することで、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている事業者をできる限り支援してまいりたいと思います。


    ③制度融資について問う。
    (商工労働部長答弁) 新型コロナウイルス感染症関連融資は、同感染症の影響を受けている中小企業者の資金繰りを下支えし、事業継続を支援する制度でございます。中小企業の資金需要を踏まえ、これまで4度の補正予算を通じ、十分な融資枠を確保してまいりました。
    融資の申込みは、この春と比べると落ち着きを取り戻してはいるものの、それでもまだ平常時の二倍強と、ご指摘のようにコロナ禍による影響は続いております。
    国において、実質無利子融資の延長が決定された場合には、迅速な対応に努め、引き続き中小企業の資金繰り支援に万全を期してまいります。


    ④GoToトラベル・イート、少人数利用飲食店応援キャンペーンの今後の対応について問う。
    (知事答弁) 「GoToキャンペーン事業」や府の「少人数利用・飲食店応援キャンペーン事業」につきましては、現在の急激な感染拡大を防ぐために、酒類の提供を行う飲食店等への休業・営業時間短縮要請に併せて、一時停止等の措置を国に要請することや府事業の新規予約の受付を停止するなどを決定したところであります。まずは、感染急拡大の抑制に全力で対応して参りたいと思います。
    その上で、感染状況が一定抑制できた段階で、府事業については、状況を見極めつつ、再開や期間の延長について判断したいと思います。
    また、「GoToキャンペーン事業」につきましては、府民や府内事業者に配慮していただくよう、国に働きかけていきます。


    (2)府民の行動変容
    ・府民の行動変容を促すための取組みについて問う。
    (知事答弁) 感染拡大を防ぐためには、府民とリスク情報を共有しながら、その行動変容を促すことが最も大切だと思っています。
    この考えの下で、様々な情報を提供する「大阪モデル」についても、府民に感染状況を日々、「見える化」することで、その行動変容を促してきたところでもあります。
    今回の第三波の検証を踏まえたうえで、今後、より府民の皆さんとリスクを共有できるよう、指標について見直していきます。
    また、これまでも、対策本部会議等を常にフルオープンにしまして、専門家のご意見もお聞きしたうえで、府民に正確な感染状況や注意すべきことについて示すとともに、府の広報媒体だけでなく、私自身が先頭に立って、様々なメディアの媒体を通じて、府民の行動変容に向けた情報発信を続けてきたというところであります。
    今後も、その姿勢のもとで、府民がこの感染症への理解とそしてその情報が収集できるように、そして実際の行動につながるよう、情報発信について強化していきたいと思います。


    (3)検査・医療提供体制
    ①診療・検査医療機関を中心とした受診相談体制について問う。
    (健康医療部長答弁) 10月に策定しました検査体制整備計画において、ピーク時の検査需要に対応するために、約1,500か所の診療・検査医療機関の確保を目標に掲げ、現在時点で、1,164か所を指定いたしました。引き続き、保健所を通じて、新規指定への協力を呼びかけるとともに、地域外来・検査センターの受検枠の拡充などにも取り組んでいきます。
    また、公表に同意いただいている診療・検査医療機関が5か所以上ある4保健所圏域では医療機関名を府民に公表しており、地域の関係機関への情報提供に同意いただいている医療機関名はそれぞれの地域で共有しております。
    なお、休日・夜間など、受診する医療機関に迷われた場合は、受診相談センターが窓口となり、適切に医療機関につなぐ体制を整備しておりますが、より府民の方が診療・検査につながりやすくなるよう、公表について引き続き、医療機関と調整していきます。


    ②年末年始の受診相談体制について問う。
    (健康医療部長答弁) 感染のさらなる拡大が危惧される中、年末年始においても、発熱患者等が必要な検査を受けられる体制を確保することが必要です。
    一時的に低下が予想される検査能力を補うため、行政が設置しているドライブスルー等の受検枠を臨時的に拡充するとともに、各地域外来・検査センターに対し、年末年始の開設や受検枠の拡充について要請しているところです。
    また、診療・検査医療機関に対しても、可能な限り年末年始にも診療検査を実施いただけるような支援策を検討するなど、引き続き、体制確保に取り組んでまいります。


    ③想定を上回る新型コロナウイルス感染症患者が生じた場合の病床の確保等について問う。
    (健康医療部長答弁) 現在、病床の運用は最大のフェーズ4に移行したところでありますが、運用病床利用率が70%を超えて、急激に増加しており、想定を上回る感染拡大が生じる恐れがあります。そのため、入院・療養者の受入基準を見直し、病床における受入患者を、中等症患者・リスクの高い患者等に重点化したところです。
    あわせて、予め取り決めた確保病床数まで患者を速やかに受け入れていただくよう各医療機関への働きかけを強化しています。
    さらに、重症患者の受入病床の確保に向けて、中等症患者受入医療機関の一部への重症患者の受入れ要請や軽症化した患者の転院調整を行うとともに、大阪コロナ重症センターの準備をすすめるなど、医療崩壊が生じないよう最大限の努力をしてまいります。


    (4)クラスター対策
    ①医療機関、高齢者施設等における一斉・定期的な検査を実施する等、さらに踏み込んだクラスター対策について問う。
    (知事答弁) 府内におきましては高齢者施設等に関連したクラスターが地域に関係なく複数発生しております、施設等の入所者又は職員に発熱等の症状がある場合は、速やかに検査を実施するとともに、陽性が判明した場合には、原則、入所者及び職員の全数検査を行うなどをしています。
    さらに、施設事業者に対しては、職員に少しでも症状がある場合は、速やかに休暇を取得しやすい環境を整えるとともに、速やかに検査を受診させることを、24日の対策本部会議で決定し、要請しています。これを徹底してまいりたいと思います。
    議員ご指摘の国が出された方針、またそれに基づく実務的な指示事項というか方針が大阪府にも来ておりまして、その中身につきましては、現在大阪府が本部会議で決定した事項とまさに合致している中身であります。
    国において、全員の検査ということを指摘しているわけではありませんが、もちろんこれは共通の認識として、重症化しやすい高齢者施設でのクラスター発生を防止するためにも速やかな検査、できるだけ検査を実施していくということは、まさにそのとおりだというふうに思っています。これは、僕自身も当然問題意識も持っていまして、重症化しやすい高齢者施設での検査の強化というのは、これからも進めてまいりたいというふうに思います。
    ただ、現状の客観的な状況を申しますと、府内のそういった高齢者施設は全部で2万施設あります。従業員の職員の方も22万人いらっしゃると、利用者の方は、約93万人いらっしゃいます。そういった中で、全て一律にというのはなかなか難しい状況だと思いますが、ただ感染を抑止するために、いかにしてクラスターを防いでいくのか、高齢者施設で検査を強化していくのか。そこについてはこれからも追及をしていきたいと思います。


    ②高齢者施設等の継続運営のための応援職員派遣体制の強化について問う。
    (福祉部長答弁) 応援職員派遣体制については、「大阪府社会福祉協議会」並びに「大阪介護老人保健施設協会」とそれぞれ協定を締結し、施設間の応援に係るマッチングを行うことや、派遣に係る宿泊先の予約、交通費等の補助等をワンストップで対応することで円滑に派遣できる体制を整備したところです。現在、応援派遣に協力する施設として、282施設にご登録頂いています。
    今般の感染拡大の深刻化を踏まえ、協力施設に対し、応援要請に円滑に対応できるよう、応援時の業務体制の構築と職員派遣への最大限の協力を要請したところです。また、感染対策の徹底を図るため、施設の運営法人向けのオンラインセミナーを緊急開催することとしています。
    引き続き、協定締結団体との連携を密にし、応援職員体制の強化を図り、施設における感染対策の徹底に努めていきます。
    かかり増し経費の助成については、議員ご指摘のとおり、国の基準により上限額が設定されており、コロナの感染が再び勢いを増す中、今後とも施設等がサービス継続できるよう、その増額等について、国に要望してまいります。


    (5)医療従事者等への支援
    ・過酷な現場で引き続き活動を続ける医療従事者等に対する支援について問う。
    (知事答弁) この新型コロナウイルス助け合い基金につきましては、府民の命を守るために、最前線で新型コロナウイルス感染症に関する医療や療養にご尽力いただいている皆様への感謝の気持ちを支援金の形にして、お届けしたいという思いで設置をしましたところ、非常に多くの方から32億円に上る多額の寄附金をいただき誠に感謝しています。寄付金基金としては、異例の金額だというふうに思っております。
    これまで、第三次贈呈まで実施することができまして、のべ約3万7千人に対し、総額約25億円、いただいた寄附のうち約8割を贈呈したところです。
    基金残高が限られていますが、引き続き医療従事者の方々を支援できるように、広く寄附を募ってまいりたいと思います。


    (6)補正予算の編成
    ・補正予算の編成について問う。
    (知事答弁) 新型コロナウイルス感染症対策については、府民の命を最優先に、感染拡大の抑制と社会経済活動の維持との両立に重点的に取り組んでいくために、これまで必要な経費について、11度にわたる補正予算を編成してきたところであります。
    現下の急激な感染拡大を防ぐため、大阪市北区・中央区の酒類を提供する飲食店に対して、休業・営業時間短縮の要請をし、応じていただいた事業者に対しては、府市共同で協力金を支給することとしています。
    この事業に必要な経費については、今議会へ予算案を追加提出したいと考えています。
    ご要望いただきました「感染症対策の強化」や「社会経済活動への支援」についても、国の第三次補正予算の動向等も踏まえながら、必要な対策についてしっかりと取り組んでいきます。


    (7)文化芸術
    ・コロナ禍における大阪の文化芸術を活用した誘客について問う。
    (府民文化部長答弁) 新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んだ観光需要を回復させ、まずは、国内からの旅行者を大阪に呼び込むためには、大阪の強みである文化芸術などを活用した観光振興の取組みも重要と認識しております。
    そのため、今年度はコロナの状況を踏まえつつ、全国に先駆けて実施した歌舞伎の特別公演や万博記念公園全体を使い、二日間で約4万人を動員した「OSAKA GENKi PARK」、約1ヵ月にわたる大規模なアート展、さらに大阪4大オーケストラによるコンサートやビッグバンドジャスフェスティバルを開催するなど、文化芸術を大阪の観光コンテンツとして、誘客に努めました。
    今後とも、感染状況を見極めながら、文化芸術活動の回復にしっかりと取り組むとともに、集客コンテンツとしても活用し、大阪への誘客に努めてまいります。


    (8)公民連携
    ・感染症対策をふまえた公民連携の取組みについて問う。
    (財務部長答弁) 新型コロナウイルス感染症への対応では、これまでお示しのほか、医療用マスクの寄贈や、軽症患者の搬送用車両の無償貸与等、現場のニーズに直結した効果的な支援をいただくとともに、コロナ禍における熱中症を防ぐための工夫として、屋外では「十分な距離を取って、マスクを外しましょう」と呼びかけるチラシの制作・掲示などの取組みを行っていただきました。
    一方、議員お示しのとおり、コロナ禍が長期化している中で、様々な業界で、厳しい経営状況が続いており、そのような民間企業の現状も踏まえながら、より効果的な公民連携に取り組むことが重要であると認識しています。
    そのため、企業の社会貢献活動であるCSRだけでなく、府の施策と民間企業の取組みを併せたPRなど、売上増加や企業価値の向上を目指す、いわゆるCSVにつながるような連携のアイデアを生み出すことで、府民・企業・行政の3者が ウインウインとなるよう、積極的に取り組んでまいります。


    2 健康施策

    (1)肝炎対策
    ・肝炎医療コーディネーターについて問う。
    (健康医療部長答弁) 肝炎医療コーディネーター養成研修の対象者については、肝疾患診療連携拠点病院の医療従事者等に加え、今年度から健康サポート薬局の薬剤師や患者団体の会員にも拡大し、11月にオンライン研修を実施したところです。参加申込者は約1200人と前年度の約6倍に増加し、養成者数は全国でもトップクラスとなる見込みです。
    コーディネーターの見える化については、今年度、肝臓の形をイメージしたバッジを新たに作成し、1月には研修修了者に交付する予定です。病院や薬局、市町村などでコーディネーターが認知されることで、肝炎ウイルス検査の受診促進や重症化予防にもつながるものと期待している。今後とも、養成促進や研修内容の充実など、コーディネーターの活動強化に取り組んでまいります。


    (2)認知症対策
    ・認知症施策推進計画について問う。
    (福祉部長答弁) 認知症施策については、認知症当事者やその家族の視点に立って推進していくことが重要であると認識しております。
    このため、認知症当事者家族や支援者に府計画策定の審議を行う審議会に新たに参画いただき、当事者の立場で意見をいただく予定です。
    認知症になっても住み慣れた地域で生き生きと暮らし続けられる社会の実現に向け、総合的に取組みが進められるよう、庁内関係部局と連携して計画を策定してまいります。



    (3)妊孕性・生殖機能の温存治療
    ・小児・AYA世代のがん患者に対する妊孕性・生殖機能の温存治療助成制度について問う。
    (知事答弁) がん治療を受けながら、将来子どもを持ちたいと願う患者が、子どもを持つ機会を失うことがないように、また希望を持って治療に専念するためにも、妊孕性、生殖機能の温存は切実な課題の一つであると認識しています。また、請願についても重く受け止めています。
    こうした認識の下、国の動きも踏まえつつ、妊孕性等の温存に対する助成について、来年度の当初予算編成の中で議論して参ります。
    現在、制度設計中ではありますが、来年度の予算の議論が年明けから始まるわけですけれども、そこで、ぜひ議論させてもらいたいと思っていますし、僕自身はこれを実現していきたいというふうに思っています。
    若い方が、このがんになられたときに、自分の子どもを残したいという気持ちは、僕は、非常に重要だと思っていますし、それを支えることを大阪府でできるようにやってまいりたいと思います。
    ただ、これは予算議論になると思いますので、来年度の予算において議論をさせていただきたいと思います。


    3 教育施策

    (1)府立高校のあり方
    ①大阪市立工業高校移管の再編整備について問う。
    (教育長答弁) 大阪市立の泉尾、東淀、生野、この三つの工業高校につきましては、大阪市の高等学校教育審議会において一つの新工業系高校に再編整備をし、魅力化を図るという方向で検討していくことが望ましい旨の答申があり、移管計画案はこれを踏まえたものであります。
    答申では、新工業系高校につきまして、AI、IoTなどの将来技術の基礎的内容の習得、あるいは工業技術者に必要な英語スキルの向上などが提案をされています。
    3工業高校の再編整備を進めるに当たりましては、府市共同でこの新工業系高校がこれまでの歴史と伝統を受け継ぎながらも、時代に即した魅力ある学校となりますよう、検討を進めてまいります。


    ②府立高校のあり方の見直しについて問う。
    (教育長答弁) 府立高校の重要な役割に、課題を抱える生徒や支援を要する生徒を含む全ての生徒の学びを保障する、公平性を確保するということがあります。 お示しのようにこうした生徒は、高校在学中も出身中学との連携や地域の福祉機関などからのサポートを必要とする場合、あるいは自らの進路として地元への就職や、福祉的な就労を選択する場合などが多く、地域との繋がりが深いという状況にあります。
    これらの生徒を含めまして、誰もが安心して質の高い教育を受けるセーフティーネットとなる府立学校作りを進めることが重要であります。
    今後、これまでの仕組み、取り組みをしっかりと検証し、審議会で有識者のご意見もお伺いしながら、地域の拠点校が魅力を高め、府立学校条例のもとで持続可能となりますように府立高校のあり方を検討してまいります。


    (2)いじめ対策
    ・いじめ等の早期発見・対応とSC等の拡充について問う。
    (教育長答弁) いじめや不登校の原因が複雑化・多様化する中で、早期発見・対応のためには、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等、専門家の関与が不可欠であります。また、コロナ禍による影響も大きく、子育ての不安やストレスなどから、保護者からのカウンセリング等へのニーズが高まっておりまして、その充実は喫緊の課題であります。
    府教育庁といたしましては、府内中学校区ごとに専門家を週1回派遣して対応しているということでありますが、急増する相談件数に十分に応えることができていない状況にあるために、小学校のニーズにも応えられますように、よりきめ細かい配置と併せ、今後、有効な活用等について検討させていただきます。


    (3)図書館サービス
    ・図書館サービスの充実について問う。
    (教育長答弁) コロナ禍による府立図書館の臨時休館中に、利用の皆様から「せめて本を借りられるようにしてほしい。」という切実なご意見を多数いただき、郵送貸出など非来館型サービスの充実が大変重要であると、改めて認識させていただきました。
    現在、「読書バリアフリー法」をふまえた新たな計画や「大阪府子ども読書活動推進計画」の次期計画について策定中でありまして、今後これらの計画に基づきまして、着実に読書環境の整備を進めるとともに、ICTの積極的な活用等、工夫を凝らしながら、「新しい日常」に合った非来館型図書館サービスの充実にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。


    4 安全・安心

    (1)防災・減災
    ・都市整備中期計画での防災・減災の取組みについて問う。
    (都市整備部長答弁) これまでの防災・減災対策の主な取組みとして、南海トラフ巨大地震に対する防潮堤の液状化対策については、府市連携のもと、緊急を要する水門外の区間については完成させており、現在残る区間の対策を進め、約7割の進捗となっています。
    また、寝屋川流域では、地下河川・下水道増補幹線等の整備によって、約140万立方メートルの雨水貯留が可能となり、平成30年7月豪雨の際にも家屋への浸水被害を数軒に留めることができました。
    次期中期計画においても「人命を守ること」を最優先に、ハード整備では、引き続き、南海トラフ巨大地震への備えとして防潮堤の液状化対策、広域緊急交通路の橋梁耐震化、後方支援活動拠点となる公園の防災機能強化等に取組むとともに、浸水害に備えた寝屋川流域総合治水対策や、新たに、高潮に加え津波にも対応できる三大水門の改築などを進めてまいります。
    あわせて、ソフト対策としては、災害時に防災関係機関が取るべき行動を時系列で示した広域タイムラインを、全流域で速やかに完成させるとともに、住民の自発的な避難行動をうながす「地域」のタイムライン作成に向けて市町村を支援していきます。さらに、ドローンによる被災状況の把握をはじめ、ICTを活用した取組みを積極的に進めてまいります。
    引き続き、災害に強い都市の構築に向け、関係機関と連携を図りながら、ハードとソフトを組合せた防災・減災への取組みを着実に進めてまいります。


    (2)庁舎の安全確保
    ・庁舎のセキュリティ対策について問う。
    (総務部長答弁) 大阪府庁への来庁者をはじめ、職員の安全確保と庁舎機能を維持することは非常に重要であると認識しております。
    本庁舎の安全対策につきましては、防犯カメラによる監視をはじめ、来庁者と区別するための職員の名札の着用徹底、守衛・警備員による来庁者への積極的な声掛けなどに取り組んでまいりました。さらに、現在、本館入口においては、新型コロナ感染症対策として、検温を実施しているところです。
    今後、ますます庁舎の安全管理が求められる中、これまでの取組みに加えまして、来庁者確認をしております国や他の自治体の取組み状況を参考にしながら、本庁舎本館入り口での確認など、有効な方策について検討・実施することにより、安全対策に万全を期してまいります。


    (3)歩きスマホ対策
    ①歩きスマホに関するアンケート調査結果について問う。
    (政策企画部長答弁) 「歩きスマホ」につきましては、本年7月に政策企画部と都市整備部で庁内ワーキングを立ち上げ、状況の把握や課題の整理を行っているところでございます。
    まず、現状を把握するため、府民を対象に歩きスマホに関する問題意識についてアンケート調査を行いました。その結果、ほぼ全ての府民が「歩きスマホは危険な行為であると認識」し、5割以上の府民が「実際に危険な目にあったことがある」と答え、また、9割近くの府民が「何らかの対策が必要」と考えておられました。
    このアンケートと併せて、現在、鉄道会社や電気通信事業者など関係者のヒアリングを進めております。その中で、「歩きスマホはマナーの問題で啓発活動が効果的である」といった意見や、「地方自治体には広報啓発とマナー教育を期待する」といった、啓発やマナー改善に関する意見を多くいただいたところでございます。


    ②条例制定など今後の方向性について問う。
    (知事答弁) 歩きスマホの対策については、本年7月に策定しました大阪府交通安全実施計画において、交通安全教育の推進の中に「歩きスマホ」の危険性について位置づけたところでありまして、関係団体等と連携して、しっかりと普及啓発に努めていきます。
    条例制定の方向性については、他の自治体の状況や規制の実効性の課題等を整理した上で、引き続き検討していきます。


    5 大阪の成長

    (1)副首都ビジョン
    ・府市連携による副首都の確立について問う。
    (知事答弁) 今般の住民投票の結果、大阪市を廃止して特別区を設置する大阪都構想は否決となりましたが、大阪の成長、そして東西二極の一極を目指す 副首都・大阪の歩みは決して止めてはならないというのが、私自身の考えです。
    今後も、府市一体で進めている大阪・関西万博や総合型リゾートIR、うめきたや交通インフラの整備、スマートシティ戦略、さらには国際金融都市の実現に向けた取組みを進めるなど、都市機能の高次化・充実を図り、大都市としてのポテンシャルにさらに磨きをかけていきたいと思います。
    このような副首都づくりに向けた取組を強力に進めていけるように、条例により府市一体化・広域一元化をより強固なものとしていきたいと思います。


    (2)新戦略(案)
    ①国際金融都市について問う。
    (知事答弁) 世界的に地球温暖化の抑制や人口増加に伴う貧困の撲滅等への関心が高まる中で、環境や社会への貢献を重視するESG投資は、企業側・投資家側双方において持続的な成長による長期収益を獲得する観点から、近年、国内外で急速に拡大しています。
    大阪においては、万博開催都市として世界の先頭に立って持続可能な社会をめざすSDGsを推進しており、世界的なESG投資拡大の流れをさらに後押しすることは、大阪の目指すべき方向性と合致します。このような考え方の下、大阪における国際金融都市の実現に向けた取組みの一つとして、ESG投資の推進を掲げたところです。
    ESG投資推進に向けた施策の具体化については、今年度中に設置します。官民一体の推進体制の下、検討していきます。ESG投資をはじめ、大阪の強みやポテンシャルを生かして、他の都市とは異なる個性・機能を有する、言わばエッジを効かせた国際金融都市を目指していきたいと思います。


    ②グローバル拠点都市実現に向けたスタートアップ創出について問う。
    (商工労働部長答弁) 大阪は、大企業や大学・研究機関等が集積し、スタートアップの活動拠点や交流施設が多数立地するなど、スタートアップを育成・成長できる高いポテンシャルを有しています。
    特に、ライフサイエンスをはじめ、ものづくりや情報通信の分野など様々な産業の集積が大阪の大きな強みとなっており、2025年大阪・関西万博やうめきた2期等のビックプロジェクトやスタートアップの加速的成長などがもたらすイノベーションをコンセプトに取り組んでいるところでございます。
    今回の拠点都市選定を機に、産学官のオール大阪のコンソーシアムの支援体制により、大学発スタートアップの創出、金融機関や支援機関と連携した資金調達や経営人材の獲得など、スタートアップ・エコシステムの強化に向けた取組みを進めてまいります。


    ③大阪の再生・成長に向けた新戦略について問う。
    (政策企画部長答弁) 新戦略は、感染防止対策を講じながら社会経済活動のダメージを最小限に抑えるウィズコロナから、コロナが終息し、大阪の再生・成長に向けた取組みを加速させるポストコロナまで、段階ごとに取組むべき方向性を示したものです。
    ご指摘のような少子高齢化の進行など、コロナ以前からの課題についても、コロナの影響や社会変容を踏まえて、継続して取組むことが必要であると考えています。
    ポストコロナに向けては、これらの課題に着実に取り組みつつ、社会課題の解決を目指すNPO法人と民間資金提供先とのマッチング、AIやロボット等を活用した介護や子育てにおける負担軽減など、府民の暮らしにつながる具体的な取組みについて、各部とも連携し、新戦略の工程表において取りまとめてまいります。


    (3)ベイエリア
    ①大阪港湾局の取組みについて問う。
    (大阪港湾局長答弁) 大阪港湾局では、一つの組織となった強みを生かし、潜在的な需要を捉えつつ、戦略的な集貨・創貨策を推進していくこととしております。 まずは、10月1日の大阪港湾局発足後、速やかに船会社や港運事業者など50社を超える港湾利用者に私自ら訪問し、営業活動を行ったところであり、新組織については、概ね、期待感をもって受け止められております。
    さらに、これまで共同で開催してきたセミナーについても、大阪港湾局として企画段階から一体的に取組んでおり、大阪、東京に加え、大阪港と堺泉北港などにおいて今後一層の集荷が見込まれます、三重・奈良方面でのセミナーを新たに開催するなど、より充実したものとしてまいります。
    今回の大阪港湾局設置により、一つの組織で取り扱う貨物量は全国第2位となりました。国内外の利用者へ様々な機会をとらえ、「大阪みなと」のもつ強みやポテンシャルについて発信を行い、積極的なポートセールスを行うなど、利用者のニーズにあった、使いやすい港湾づくりに向け、着実に取り組んでまいります。


    ②大阪広域ベイエリアのまちづくりについて問う。
    (住宅まちづくり部長答弁) 大阪広域ベイエリアの活性化に向けて、民間活力を最大限に引き出しながら、多様な地域資源の価値を高め、それらを効果的につなぎ、広く情報発信していくことが重要と認識しています。
    泉州地域のベイエリアについては、沿岸市町や学識経験者等により、豊富な魚介類を生かした食の打ち出しなど漁業と観光の連携や、夕日や工場夜景の活用、民間活力の導入による海浜や公園のにぎわい創出など、地域資源を活かした取組みを進めるとともに、サイクルや海上交通などにより回遊性を高めることが必要との意見や助言をいただいているところです。
    引き続き、こうした意見等を踏まえ、民間事業者や観光団体等との連携を深めながら、まちづくりビジョンをとりまとめ、泉州地域ならではの地域資源を活用するなどにより、大阪広域ベイエリアの活性化に取り組んでまいります。


    (4)スマート農業
    ・スマート農業の推進について問う。
    (環境農林水産部長答弁) 小規模でも収益性の高い農業経営が数多く営まれていることが大阪農業の特色であり、現在策定中の「大阪府スマート農業推進指針(案)」では、こうした特色をふまえ、高品質化や省力化につながるICT技術などの導入を進めることとしています。
    具体的には、水なすやぶどうの収量や品質を最大限に高めることができるよう、ハウス内の栽培環境をセンシングし、温湿度や炭酸ガス濃度等を自動制御する技術の実証や普及に取り組んでいるところです。
    さらに、今後、ICT企業と農業者とのマッチングを進め、自らが所有者となった農作物の栽培状況を遠隔で楽しめるオンライン型オーナー農園制度など、大阪の特色の一つである交流型農業のスマート化を図ります。
    こうした取組みを通じて、より一層収益性が高い農業経営を実現するなど、大阪農業にマッチしたスマート農業を展開してまいります。


    6 SDGsの推進

    (1)食品ロス
    ・食品ロス削減対策について問う。
    (環境農林水産部長答弁) 「食品ロスの削減の推進に関する法律」及び国の基本方針を受け、本府の「食品ロス削減推進計画」を策定するため、本年度、大阪府環境審議会に諮問し、ご議論いただいているところです。
    委員からは、「SDGsや国の基本方針の目標を踏まえ、府の排出削減目標も、2000年度比で2030年度に半減を目指すべきではないか」、また、「食材を無駄なく生かす“もったいないの精神”と、“おいしさを追求する行動”等の大阪の食文化を大切にした計画にすべき」といった様々なご意見をいただいているところです。
    今後示される審議会の答申を踏まえ、生産から小売に至る事業者や府民の意識改革と行動変容につながるよう、食の都大阪にふさわしい計画を今年度中に策定してまいります。


    (2)脱炭素社会の実現
    ①2050年二酸化炭素排出量実質ゼロのための方策について問う。
    (環境農林水産部長答弁) 2050年二酸化炭素排出量実質ゼロをめざし、2030年度までを計画期間とした大阪府地球温暖化対策実行計画の策定に向け現在進めており、先般、大阪府環境審議会から、今後の地球温暖化対策のあり方についての答申をいただいたところです。
    その中では、府民・事業者がそれぞれ需要者にも供給者にもなり得るなど、その役割が多様化している中、あらゆる主体がさらなる省エネルギー・省資源に取り組むことに加え、同じエネルギー量・資源量を利用するにしても、二酸化炭素排出の少ないものを選択することが重要といった貴重なご意見をいただいたところです。
    今後、年度末に向けて、環境審議会の答申等を踏まえ、具体的な取組内容を記載した実行計画を策定し、ゼロカーボンシティの表明を積極的に働き掛けるなど、市町村と連携してしっかりと対策に取り組んでまいります。


    ②新エネルギー産業分野の取組みについて問う。
    (商工労働部長答弁) 水素エネルギーや蓄電池などの最先端技術の開発は、脱炭素化を進め、国連の掲げるSDGsの実現を図る上で、重要な役割を担うものと認識しております。
    府では、本年8月に、「万博会場においてCO2を排出しない水素活用等のプロジェクト案」を2025年日本国際博覧会協会に提案しました。
    また、9月には、日本自動車工業会や大阪大学と連携し、バッテリー交換式電動バイクの普及に向けた実証実験を阪大近辺で開始するなど、新エネルギーの社会実装に向けた取組みを進めてまいりました。
    SDGs万博を標榜する2025年の万博を見据え、開催都市に相応しい先導的なプロジェクトの創出や実証実験が大阪で展開され、関連産業の活性化、中小企業の新規参入などが促進されるよう、産官学との連携と取組みの強化を図ってまいります。


    (3)大阪・関西万博
    ・子どもたちの万博への参画について問う。
    (教育長答弁) 万博関連の教育プログラムについてですが、本年10月より、府内小学校5校、中学校9校において、本プログラムを活用し、「すべての命が輝くアイデアとは」を学習課題として、企業から直接SDGSの取組みを聞き、自分たちの考えを出し合い、アイデアを求める探究学習を進めています。
    来年2月には、各中学校の代表が、アイデアを発表し合う「ジュニアEXPO」を開催予定としております。また、小学校では、アイデアをポスタ ーにして府内図書館に展示することとしています。
    本プログラムは、SDGsの学習を通しまして、子どもたちの主体的な学びを深める力を育むこともできることから、次年度は、モデル校の成果を広く府内の学校に発信するとともに、本プログラムをウェブページに掲載いたしまして、各学校で整備予定の1人1台の情報端末を用いた学習を行うなど、より多くの学校での実施に努めてまいりたいと存じます。


    (政策企画部長答弁) 大阪・関西万博は、SDGsの取組を加速させる絶好の機会であります。万博に向けて、人々が、地域や社会の課題を解決するために自ら考え、実際に行動することは重要あり、とりわけ未来を担う子どもたちにとって、かけがえのない経験が得られるチャンスです。
    万博開催に向けて、今後、例えば海ごみに関する環境学習や清掃活動等を行う「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」推進プロジェクトをはじめ、地域の課題解決に向けた活動など、SDGsの達成に向けた取組みに、多くの子どもたちが参画することで、大阪・関西万博がより意義深いものとなるよう、関係部局とも連携して取り組んでまいります。


    (4)SDGsの推進
    ・SDGsの更なる取組みについて問う。
    (知事答弁) 本年3月に策定しました「Osaka SDGs ビジョン」においては、SDGsの普及活動を柱の一つに掲げており、経済界や大学など多様なステークホルダーと連携しつつ、理解促進に努めているところであります。こうした動きに加え、年明けをメドに府民や企業等の具体的な行動を促すための大阪版のSDGs行動憲章を策定していきたいと思います。
    また、市町村への支援については、SDGs未来都市の輪をさらに広げるために、提案を検討する市町村に対して、きめ細かくサポートするなど、今後とも、大阪が世界をリードできるSDGs先進都市となるようしっかり取組んでいきます。


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