議会報告

  • 林啓二議員
    令和3年2月定例会 一般質問(林 啓二 議員)要旨(令和3年3月9日)
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    1 大阪府警察の新型コロナウイルス感染防止対策等について

    ・大阪府警察の職員の感染防止対策について問う。
    (警察本部長答弁) 議員ご指摘のとおり、府民の安全・安心を確保する上で、警察業務の継続は重要であり、大阪府警察においては、こうした観点のもと、職員の感染防止対策に取り組んでいるところであります。
    具体的に申し上げますと、警察においては、庁舎の内外ともに、多数の方と接する場面が少なからずあるため、各種窓口のカウンター等の消毒に留意しつつ、マスクの着用や消毒液による手指消毒等を励行するとともに、検視業務、留置業務、犯罪捜査など、さらに感染のリスクがある活動においては、その内容や状況によって、防護服やゴーグル等も着装することとしております。
    また、できる限り時差出勤等の柔軟な勤務形態を積極的に活用するなど、職員相互の接触の機会を少なくするよう努めているところであります。
    さらに、職員の感染が判明した場合には、速やかに、当該職員の濃厚接触者と考えられる職員等の勤務を見合わせ、当該職員が勤務する庁舎等について必要な消毒を行うとともに、勤務を見合わせた職員に代わり、その業務を担当する支援職員を警察本部等から派遣するなどして業務継続に必要な体制を確保しています。
    今後とも、府民の安全・安心の確保に必要な警察業務の継続を念頭に置きつつ、職員の感染防止対策や必要な体制の確保に取り組んでいくこととしております。

    2 都市計画道路十三高槻線の高槻市域における整備について

    ・十三高槻線の整備の現状と今後の進め方について問う。
    (都市整備部長答弁) 都市計画道路十三高槻線1期区間は、これまでも地域住民のご理解をいただきながら、走行車両の速度抑制を促すための減速マークや視線誘導標を設置するなどの安全対策を実施してきました。引き続き、交通状況の変化などを踏まえ、必要に応じ安全対策が講じられるよう、地元や関係者と協議を行っていきます。
    次に2期区間は、道路整備による地域分断や沿道環境への影響などの理由から、多くの反対意見があったことを踏まえ、現在、道路構造を橋梁形式として地元の皆様との対話を行っていますが、牧野高槻線と直接接続することにより道路高さが高くなり、沿道利用ができないことなどから、現時点ではご理解いただけていない状況です。
    一方、お示しのとおり、高槻市では、幹線道路である十三高槻線沿道のまちづくりの可能性について検討がなされているところです。
    今後、府としても、高槻市や地元の「街づくり推進協議会」などと積極的に議論を行うとともに、まちづくりとあわせた道路構造についても検討を行い、まずは地域住民の皆様のご理解が頂けるよう丁寧な説明に努めてまいります。

    3 大阪の再生・成長に向けた取組みについて

    ①大阪の再生・成長に向けた新戦略の目標達成に係る取組みについて問う。
    (政策企画部長答弁) 現在、関西のシンクタンクが公表している経済予測では、今年度は、コロナの感染拡大の影響により、実質経済成長率が5%近く落ち込み、コロナ前の水準に回復するまで、数年は必要ということが見込まれております。
    こうした経済予測が示される中、新戦略では、早期の社会経済活動の回復をめざし、2022年度に実質経済成長率をコロナ前の水準に戻し、2025年に向けて年平均2%の経済成長をめざすなど、再生・成長に向けた5つの戦略目標を掲げたところでございます。
    こうした目標の達成に向け、大阪が誇る成長産業である健康・医療関連産業を育成するとともに、マイクロツーリズムをはじめとする国内の旅行需要や今後の回復を見据えたインバウンド需要の取り込みの強化を図っていく、これによりコロナ禍からの大阪の再生を確たるものとし、さらなる成長へとつなげ、大阪・関西万博の成功に結び付けていきたいと考えております。

    ②新ビジネス創出のための環境整備に係る取組み等について問う。
    (政策企画部長答弁) 昨今の新たなビジネスの潮流も踏まえた環境整備の必要性と併せて、私の入庁以来の大阪経済についてのお尋ねでございます。
    私が入庁したのは37年前、昭和59年で、我が国がオイルショックを乗り越えて安定成長期を迎え、その後の日本経済の大きな転換点となるバブル期の少し前のことでございます。
    高度経済成長期、大阪では70年万博に向けて、交通インフラの整備が進むとともに、家電を中心とした製造業が経済をけん引し、東京を凌ぐ成長で、大阪の経済的な地位は大きく向上いたしました。
    しかしながら、万博後は、多極分散型の国土形成を目指した国の政策でありますとか、政治、経済の東京一極集中によりまして、産業の空洞化、東京への本社機能の流出に歯止めがかかりませんでした。
    また、急成長を始めた情報サービス業などの育成が進まず、産業構造の転換がうまく進まなかったことも大阪経済の地盤沈下につながったと言われております。
    その後、80年代半ばからのバブル経済期に大阪でも進められた大型開発が、バブル崩壊後、一転して負の遺産となり、巨額の経済対策の後処理、そこから立ち直るための財政再建に、莫大なエネルギーがつぎ込まれ、現在に至っていると考えております。
    私自身、30代、40代の20年近く、府職員としての日々の仕事の中で行政改革、あるいは財政再建、職員数削減、こういった「これまでの大阪を改める」という言葉を口にしない日はございませんでした。「これからの大阪を考える」と、こういうことを考える余裕はなかったように思います。
    振り返りますと、大阪府の職員の給与水準が全国で最下位になったこと、これは必要だったこととはいえ、何か勲章であるかのように考えていた自分のことを苦い思い出として思い起こすことがございます。
    さて、大阪経済を振り返りますと、70年万博を契機として大きく成長を遂げましたが、社会情勢の変化の中で、結果として万博のレガシーをその後の成長にうまく結びつけることができず、停滞期が続くことになりました。
    近年、輸出やインバウンドの増加により、大阪経済は回復傾向を示し、道半ばとはいえ本府の財政も改善が見えるようになりました。そして、数年前からは万博やIRをはじめ、大阪の未来への投資をようやく現実のものとして考えられるような時期を迎えることができました。
    もちろん、いまだ続くコロナ禍の中で、経済や暮らしは大きな打撃を受けており、現下の大阪経済は大変厳しい状況にございます。
    しかしながら、議員のご指摘にもございましたように、コロナによる社会経済システムの変化に対応して、いち早く新たなサービスが創出されたり、あるいはビジネスモデルの転換を進める動きも出てきております。
    こうした民間の懸命な取組が新しい成長の芽となり、大阪の強みとなっていくように、府としてもしっかりと支援していく必要があるというふうに考えております。
    そして、何よりコロナの危機を乗り越え、持続的な成長につなげていくためには、70年万博を教訓にして、55年ぶり、千載一遇のチャンスである2025年万博を、最大限活かしていくことが必要です。
    そのためには、国の政策の方向性を見定め、大胆に規制緩和を行うなど民間の改革努力を後押しすることで産業競争力を高め、市町村との連携のもと、その効果を府域全体に波及させていく戦略が必要です。
    平坦な道のりではないと思いますが、こうした成長戦略をオール大阪で推進し、今ある大阪の強みを伸ばすだけではなく、未来を見据え、大阪の新たな強み、成長のけん引役となり得る産業を育てていかなければならないと考えております。
    私は今年度をもって退職することになりますけれども、2025年の万博が、今度は明るい大阪の未来の象徴となること、そして、大阪が10年後、20年後も魅力に満ち、活力にあふれる都市としてあり続けることを、これからも願ってまいりたいと考えております。

    4 今後の財政運営について

    ①大阪の再生・成長に向けた取組みを継続させるための財政運営について問う。
    (財務部長答弁) 大阪の再生・成長を図る取り組みを継続していくことが、将来の税収を確保するためにも重要であり、強化していく必要があると認識をしております。
    今後も多額の収支不足が続く厳しい財政状況の中で、そうした取組を継続的に行っていくためには、様々な事業主体との役割分担の徹底や公民連携等の新たな行政経営の取組の推進、限られた財源で最大の効果を発揮していくためのPDCAサイクルによる施策効果の高い事業への重点化、部局長マネジメントを一層発揮した効率的・効果的な予算編成や執行、また、国の制度や施策に関して必要なものについて、あらゆる機会をとらえた要望など、様々な手法によるたゆみない歳出改革や財源確保の取組が必要であると考えております。
    こうしたことを常に念頭に置き、規律、計画性、透明性の確保といった財政運営基本条例の理念に基づいた健全で規律ある財政運営を行っていくことが必要であります。

    ②財政の回復・安定に向けた取組みについて問う。
    (財務部長答弁) 財政の回復と安定軌道という大きなテーマのご質問でございますが、経験を踏まえてということでございますので、僭越ながら、少し振り返りを交えてご答弁をさせていただきたいと思います。
    入庁以来38年間、府の予算編成や行財政改革、市町村の財政運営指導など、大半を財政分野で携わらせて頂きました。
    バブル崩壊後は、長期にわたる景気低迷、失われた10年20年とも言われた時代、経済の回復・成長が見込めない中、開発行政は頓挫し、お示しのように、まさに府庁は行革の連続でありました。
    とりわけ、負の遺産の象徴とも言われたりんくうタウンなどの企業局事業に携わった当時は、企業はリスクを避け土地を保有しない。その結果、分譲収入が見込めず、4,000億円を超える収支不足となり、府が財政再建団体転落の危機に直面する中、改革を迫られました。所管法人の統合による財源確保や、平成15年にまちづくり促進事業会計を創設し、定期借地方式での長期にわたるまちづくりに方針転換し、改革を進めました。
    また、多額の債務を抱えていた住宅供給公社への派遣時も、府の損失補償に頼ることなく自立化を図ることが命題とされ、外部監査の導入や子会社の解散整理など徹底した改革を実行し、公社自ら格付けを取得して初の公社債を発行するなど、経営改革を実行しました。
    現在では、りんくうタウンも抜本改革から18年目を迎え、契約率も100%に達し、まちづくりが進みましたが、定期借地終了後の土地売却ができない場合には財政負担が生じるため、財政調整基金の積立目標額にそのリスクを見込んでいます。
    また、住宅供給公社についても、順調に計画どおりの経営改革が進み、借入金残高も2,000億から1,300億程度に減少し、金融機関からも優良法人と評価されるようになりましたが、未だ府の損失補償も残っており、毎年、将来の財政リスクについて点検を行っているところです。
    改革は、かなりの時間と労力を要し、議員お示しのように特効薬となるような取組というのもなかなかありません。私の経験に限らず、全庁を挙げての長年にわたる弛みない行革努力に加え、景気回復やインバウンド需要にも支えられた結果、府税収入も安定し、財政調整基金残高も一定確保することができました。
    そして、これから大阪関西万博やIRなど更なる大阪の成長に向けてスタートしていこうという中での、コロナ禍であります。社会・経済の様相は一変し、府の財政も大きな影響を受け、大幅な税収減など状況は厳しさを増しています。今後も、感染防止対策に万全を期すとともに、経済の落ち込みや府民生活への影響を最小限に抑えながら、ポストコロナに向けた大阪の再生・成長の取り組みを進め、この危機を乗り越えていかなければなりません。
    民間企業に比べ行政の発想の転換と実行はたやすいことではないかもしれませんが、絶えず挑戦し、時代の変化を的確にとらえ臨機応変に対応していくことがそのカギを握っているのではないかと思います。
    コロナによって変化した社会情勢に合わせ、ピンチをチャンスに、行政もDXという組織風土や意識改革を含めた生産性を高める改革とともに、公民連携の更なる推進など、新しい行政経営のあり方、行政経営の取組を常に模索し実行いくことが、こうした弛みない努力こそが、本府財政を安定化させる近道であり、王道であるというふうに感じております。
    財政再建は道半ばであります。いずれにしましても、ここ数年が正念場です。引き続き厳しい状況が続きますが、過去の財政運営の反省を踏まえ制定した、都道府県唯一の財政運営基本条例の理念をしっかりと踏まえ、議員の皆さま方と議論を深めながら、大阪の再生・成長の実現に向けた、着実な財政運営を進めていっていただきたく、そのかじ取りを、後進に託してまいりたいというふうに存じます。

    5 新型コロナウイルス感染症対策のこれまでの経過を踏まえた取組みについて

    ①今後の感染症対策等について問う。
    (危機管理監答弁) 新型コロナウイルスにつきましては、この1年間、第1波から第3波まで、様々な取り組みを行ってまいりましたが、まだまだわからないことや課題が残っているというのが率直な実感でございます。
    まず、感染拡大の波の検知の難しさについてでございます。
    このウイルスは、感染してから発症まで5、6日、発症してから陽性が判明するまで1週間程度かかりますために、日々発表しております感染者数は概ね10日前から2週間前に感染した方の人数というふうになってございます。いわば、2週間前の感染状況を見ながら対策を考えるということとなりまして、感染の波を早期に発見することがなかなか難しいというのが実情でございます。
    感染拡大は、人と人との接触を通じて起こりますが、繁華街の人出のデータが必ずしも感染の先行指標になるわけでもありません。感染拡大の波を早期に検知するため、現在、20代、30代の感染動向を見張り番指標としておりますけども、危機管理室においても社会経済活動の様々なデータの検証を今後も行い、対策につなげていきたいと考えております。
    次に感染拡大防止対策と社会経済活動の両立の難しさについてでございます。
    第1波では、ほぼ全面的な休業要請を行い、社会経済活動に大きな影響が出ました。その後、感染リスクが高いとされる飲食の場面に焦点をあてた感染拡大防止対策に移行し、2度目の緊急事態宣言も解除されました。
    しかしながら、継続中の飲食店等に対する時短要請は、大阪市内の一部の地域では3か月を越えており、事業者の方々にとって大変重い負担になっております。また、休業や時短の協力金にかかる財政負担も非常に大きくなっております。
    今般、マスク会食の徹底をお願いいたしておりますけれども、コロナ禍でも安心して飲食できるよう、マスク会食の普及方策を含め、さらに効果的な対策が考えられないか、国、業界団体とも連携して検討していくことが必要と考えております。
    新型コロナウイルスにつきましては、今後も変異株など警戒が必要な状況が続きます。感染拡大防止と社会経済活動の両立のためには、感染拡大前のいわば平時の取組みがより一層重要になってくるというふうに考えております。
    3月末まででございますけども、しっかりと自分の職を全うしたいと考えております。

    ②感染防止対策と社会経済活動を両立し、大阪経済を回復させる取組みについて問う。
    (知事答弁) 林議員のご質問にお答えをいたします。
    府民の暮らしや命を守るために、感染防止対策、非常に重要であります。一人でも感染者を減らしたいという思いで日々取り組んでいますが、同時にこの府民の暮らしや命を守るためには社会経済活動の維持も重要というふうに考えておりまして、非常に難しいことではあるんですけど、その両立をめざしてこれまで取り組んできたところです。
    第1回目の緊急事態宣言の時には、全く基準がなかったものですから、大阪モデルという基準を策定するなど、その後もこの社会経済活動と感染防止対策をいかに状況に応じて両立させていくのかということを、医療体制の確保も含めながら、この間、走りながら取り組んできたところでもあります。今後もその必要があるんだろうと思っています。
    今回、ただ、大きく違うところとして、対策の切り札ともなり得るワクチン接種が始まったところでもあります。明るい兆しも見えてきています。市町村と連携して、安全・確実に、かつ早期にこの接種を進めることで、府民の命、暮らしを守るとともに、感染の流行を抑えて、基本的には感染症対策はこれからもずっと続くと思いますが、いわゆるまちの活動を停止させる緊急事態宣言を発出するというようなことが無いような、そういった社会経済活動を維持できる日々を取り戻したいというふうに思っています。
    この1年以上の感染の長期化で大阪経済は大きく落ち込んでいます。特に影響を受けている飲食店であったり観光、文化芸術に対する需要喚起を通じた支援をやってまいりたいと思いますし、民間事業者と連携した雇用対策などを行うことにもしています。また、そこに関連する事業者であったり、あるいは家族であったり、子供であったり、そこにたくさんの関係者がいますので、メディアでは感染症対策のところばかりが目につくように報道されるんですが、目に見えないそういった日々の人々の皆さんの暮らし、生活、ここも命に直結するものだというふうな思いで今後もこの両立を何とか図っていきたいというふうに思います。そして、このコロナ禍を何とか乗り越えて、元気な大阪を造っていきたいと思っています。

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